易経には随所に人付き合いに関する答えが書いてあります。
人間関係は、問占者のお悩みのなかでもベストスリーに入る難題ですね。
代表的な卦として、8番目の水地比と13番目の天火同人を取り上げたいと思います。
親しい人との交わり方もいろいろな形がありまして、
“比”は助け合い、“同人”は志を同じくする者同士の固い友情を表わしています。
象も“比”は五陰一陽卦で、君位に一陽があり、
“同人”は一陰五陽卦で、臣位に一陰があり、
対照的な形を表現しています。
“比”は、出遅れてはダメ、よろしくない人も来るので注意。でも戦わないこと。内部工作OK。
“同人”は、志を見失わない。無二の親友に公明正大に一筋に向かうこと。
と言っています。
ひとくくりに人間関係といっても、
“比”のときと“同人”のときとでは、
行いの細かなところの対照性が示されています。
又、陰陽が割り振られているそれぞれ6つの爻には、
心構えと行動によって、その吉凶がはっきりと示されています。
繋辞伝に、同人の九五に関して、
「2人心を同じくすれば、その鋭きこと金を絶つ。同心の言は、その香り 蘭のごとし」
と孔子が言った言葉が記されています。
中高年にさしかかり、同人っていうよりは比のほうが多くなっているわたくし(笑)
この言葉に感銘を受けました。美しいですね。
年度の変わり目は、出会いや別れの多い時期。
変わらぬ友情と感謝を伝えるために、無二の親友に蘭の花を贈るのもいいかも。
(易経 上下 高田真治・後藤基巳:訳 岩波書店)