100,000年後の安全 | 鏡の国のタロット

鏡の国のタロット

タロットカードは心を映し出す鏡です。絵描き&カード読み師のBLUE LIBRAがあれこれ考えたこと

高円寺書林でのタロット鑑定の帰りに、映画「100,000年後の安全」を観てきました。

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「ミツバチ~」とは打って変わって、淡々とした静けさに包まれた演出。
スローモーション映像のバックにはクラフトワークの"Radioactivity"が流れ、
それはそれは、気持ちよい眠りをさそうのでした……。

……って、そうじゃなくて。
(しかし客席では、あちこちで気持ち良さそうな寝息やいびきの音が…)

それくらい不必要な盛り上げやドラマチックな演出がいっさいなく、
ひたすら淡々と、フィンランドの放射性廃棄物処理場の建設の現場と
関係者のインタビューを編集した、シンプルなドキュメンタリーでした。

地下500メートルの施設に放射性廃棄物が集められ、
満タンになった2100年からは、永久に封鎖されることになるという。
放射性廃棄物の数値が、安全なレベルに減少するまでに10万年。
誰がそれを管理し、のちの世代に伝えていくのか?
その間、地球になにかあって地殻が変動したらどうなるのか?
地下500メートルの施設は、どこまで安全といえるのか?

専門知識はなくとも、誰もが本能レベルで「これはマズいだろう」と思うような
現実味のない計画に、背筋がゾッとしました。

ちょっとつっこんだ質問をされると答えに詰まってしまう専門家もいたりして、
でも取材させてくれるだけまだマシというか、日本だったら絶対作れない映画だろうな~。
そしてこれはフィンランドだけではなく、原発を取り入れている国にとっては
もれなくふりかかってくる話。

ひたすら不安にさいなまれるような映画ではありましたが、
これもまた今観ておくべきではないかと。

「100,000年後の安全」オフィシャルサイト