久しぶりに、大好きな作家のドン・ウィンズロウの作品を読みました。
サーフィンをこよなく愛する探偵ブーン・ダニエルズは、サーフィン仲間たちとの早朝のサーフィン(夜明けのパトロール)を日課にしている。ある日、ブーンのもとへ、裁判での証言を前に失踪したストリッパーを捜すという依頼が舞い込む。簡単に達成できると思われていた依頼だが、事件は思わぬ深刻な事態に向かう・・・というストーリです。
シリーズ1作目ということで、主人公のブーンを含めた夜明けのパトロールのメンバーたちの生い立ちや生き方や人間性などが詳しく描かれています(ちょっと冗長にも感じましたが、活字中毒の私には苦になりませんでした)。
いかにも男性が憧れるかっこいい男たち(&女性1名)の物語って感じです。
ミステリー小説ですが、群像小説の要素も強いです。
中盤ぐらいまでは、爽やかに軽快な物語が進んでいたんですが、
流石のドン・ウィンズロウ様、それだけでは終わりません。
しっかりと社会問題なども組み込んでいます。
特に本作に描かれる事件の真相は、すごく深刻で残酷なものでした。
世界のどこかで同様なことが実際に起こっているのかもしれないと思うとやりきれない気持ちです。
また本作では、サーフィンの魅力がかなりのページ数を割いて描かれています。
ドン・ウィンズロウさんもサーフィンをするようなので、この点も描きたかったようですね。
私もサーフィンをやってみたくなりました。
本作は、ウィンズロウの代表作の「犬の力」とか「ストリート・キッズ」と比べると、
衝撃度は低いですが、本作には、また別の魅力がたっぷりあります。
ウィンズロウのファンの方々も、そうでない方々にも、お薦めです。