おなじみフロスト警部シリーズの第五弾。
正月休みにゆっくりと時間をかけて読もうと思っていた作品なんだけど、待ちきれずに読み始めてしまいました。
シリーズ前作を読んでからかなり年数が経っていたけど、読み始めると瞬く間にフロストワールドに引き込まれました。
今回のフロスト警部の相棒は、愛すべきポンコツのモーガン刑事で、このモーガン刑事が要所要所でヘマをやらかして、フロスト警部の足をひっぱってくれるんだけど、憎めないキャラのおかげで、かなり笑わせてもらいました。
フロスト警部と天敵マレット署長とのやり取りも相変わらず面白くて、途中で何度噴き出したことか。
今回もデントン市内で事件が次々発生して、デントン警察署はてんやわんや。
残りの数十ページになっても、重大事件が解決する兆しが見えず、最後まで手に汗をにぎる展開でした。
警察小説の面白いところは、自分も捜査班の一員となって捜査に加わっているような感覚を味わえるところ。
名訳者の芹澤恵さんの訳も、相変わらず冴えわたっていました。芹澤さんは、「はりきり嬢ちゃん」「芋にいちゃん」など、言葉選びが絶妙ですね。
このフロストシリーズの難点と言えば、読んでいる途中に何度も可笑しくて噴き出してしまうので、家の外で読めない点ですね。