もうすぐクリスマスですね。
クリスマスと言えば、キャロル・オコンネル著の「クリスマスに少女は還る」。
海外ミステリーのオールタイムベストでは必ずといってもいいほど上位に入る作品です。
最初の数ページを読んだ段階でもう「これは傑作かも」と予感がして、あっという間に物語の世界に引き込まれていきました。そして、最後まで読んでみた結果、予想をはるかに上回る面白さで、終盤では感動でずっと目がうるうるしていました。
本作は、ミステリーとしてのプロットが優れているのはもちろんのこと、登場人物のキャラクターも個性的で魅力が満載で、ファンタジー要素もあり、幻想的な雰囲気が作品全体に漂っていて、とにかく素敵な作品でした。どちらかというと、ファンタジーってあまり好きじゃないんだけど、この作品ではいい効果をもたらしていると思います。
また、訳者の務台夏子さんの格調高い訳も、本作の幻想的な雰囲気にぴったりで、素晴らしかった!
著者のキャロル・オコンネルさんの魅力があますところなく注ぎ込まれている作品。600頁を超える長編ながら、まったく飽きることなく読み終わりました。