その人は自分しか信じていなかった

そして自分の力だけで巨万の富を得た


誰もがその人は凄い人だと言う

けれど私はその人の寂しさを垣間見たとき

とても恐ろしい人だと思った


「貴方のことは信用できない」

その人は雑談の際にそう言った

理由はよくわからない

でも信用に値しない人間だという烙印を押された私は静かにその人から離れようと思った

こういう場面で自分を信用してくださいなどと言うものではない

余計にその人の怒りを助長するだけだ


「そうですか」

私はそう言うと静かにその人から去った

これから先連絡が来ることもないだろう

だって私のことを信用していないのだから


寂しい気持ちもある

分かり合えたと思った瞬間もあったからだ

けれどそれは私の錯覚だったらしい


その人は他人の幸福をけなす

それが恐ろしかった

だから私はこの人から離れようとしたのだ


私だって人の幸福を喜べるほど心の広い人間ではない

けれど人の幸せは邪魔しない

それは最低限の人としての礼儀だからだ


その人は不幸なのだろうか

少しのことに幸せを感じれる自分はお気楽な人間だとその人から思われているのだろう

それでいい

拒絶されるのにはもう慣れっこだ


けれどこれから先

その人はずっとあのままなのだろうか

少し心が痛む





こんな過疎地に人が来てくれていることに感謝します。

自分の文章を読むためにこのブログを訪れてきてくれている方々、本当にありがとうございます。


このブログを始めたきっかけは、今まで出会った人の記録を残したいと思ったから。

はじめの方に書いた「記憶の保管庫」のようなものにしたいと思っています。


よい出会いもあれば、そうでないものもある。

いずれにせよ、本当に色んなことがありました。


これからどんな人たちが出てくるかわかりませんが、暇つぶしにでもブログを読んでください。

読んでくれてありがとうございました。


コハク




その人の瞳は限りなく澄んでいた


青空を思い出させるその瞳を初めて見たのはいつだっただろう

幼い頃に出会ったその人はいつも私に優しくしてくれた


私がまだ言葉を覚える前から

その人は私の遊び相手になってくれた

どんな風にして意思の疎通をはかったのかはもう覚えていない

だけどあの青空を思わせる瞳はどこか記憶に残っている

あの瞳は一体何を見つめていたのだろう


北国に住むその人は寒さに強くびくともしない

冬の季節にその人と何十年ぶりかに再会したとき

やはり暖かい歓待をしてくれた


高度な教育を受け

品の良さが顔ににじみでている

そんな人だ


良き人間という表現だけでは物足りない

どう表現していいかわからないがとにかく凄い人だ


だが数年前まで私はあまり連絡を取っていなかった

風の便りに聞くその人の動向は常に前進していたけど

あえて連絡を取ろうとは思わなかったのだ


けれどあの冬

すべてが動き始めた


その人は私を忘れていなかった

きちんと覚えてくれていたことに感激した私は

その人のことを嫉妬するのはやめようと思った


この人は青空のように澄み渡った美しい心の持ち主だ

この先私はこの人を手本にしようと思った


まあ人生そんな風にプラスにいつもは運ばない

また嫉妬だってするかもしれない

何しろその人はとても美しい人だから

品のある美しさは私にはないので

自分と比べることをなるべくさけている


北方の賢人は今どうしているだろう

相変わらず自分の知性を駆使して未来を切り開いているのだろうか

今度会ったときはどんな報告が聞けるだろう

とても楽しみだ