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仕事部屋にこもっていると、俺のスマホが震えた。


直也君    ちぃがつぶれたから迎え来て


珍しい。

千晃がつぶれるなんて。

俺は上着を掴むと、LINEで送られた地図を元に走り出した。






それにしても、今夜は冷える。

金曜だからか人も多くて、店まで走っても時間がかかる。

少しでも早く千晃を連れ帰りたい。

千晃が酔ったら俺がいないところにはおいとけないから…。







「あ、おーい!日高ー!
   こっちこっち!」

背の高い直也君はすぐに分かった。

「わー。ほんとにつぶれてるわ…。」

「ちぃ、大変だったんだから…。
   だっちゃんに会いたいー
   って泣きまくって。」

「うわ、まじで?
   ご迷惑おかけしました。笑笑」

「じゃあ、連れて帰って笑笑」

「はーい笑笑」





結局、起きなかった千晃を抱えてタクシーで帰る。

寝てて良かった。

千晃は、強がりだから酔うと甘えたになる。

前に宇野から離れなくなったこともある。

仲がいい直也君にならするかもと思うと、
気が気じゃなかった。


「だっ、ちゃん?」

「ん、千晃、起きた?」

「寂しかった。」

「うん。俺もだよ。」

「じゃあ。」

そう言って酔いで目がトロンとした千晃は

俺の膝に乗って抱き付いてきた。

そして、首に感じる微かな痛みと温もり。








俺の心も身体も掴んで離さない。

君の鍼にやられている。