パドマヴァティー | 徒然草子

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仏教と同様、ジャイナ教においてもヒンドゥー教やその他インド古来の神々が護法神として摂取され、信者達の信仰を集めているが、パドマヴァティーもかかる神々の一人である。ところで、パドマヴァティーとは「蓮華を持する者」を意味し、ヒンドゥー教の著名な女神ラクシュミーの別名でもあるが、寧ろ、後述する様にナーガ族(龍族)との関連性から同じ名前をその別名に有するヒンドゥー教のナーガ族(龍族)の女神マナサーと同根と思われる。
ジャイナ教の伝承によると、マハーヴィーラから見て先代のティールタンカラに当たるパールシュヴァの時代、パドマヴァティーはナーガ族(龍族)の王ダラネンドラの妃であったと言い、二人でパールシュヴァの教化を受けるとともに、彼を守護したと言う。その後、二人は天上の神々の世界に再生し、パールシュヴァの守護神として随従していると言う。それ故、パドマヴァティーはジャイナ教徒の守護神としても信仰され、ジャイナ教において最も人気のある神の一人でもある。
図像的には一面四臂が一般的であり、又、その前世がナーガ族(龍族)だった事を踏まえて、しばしば多頭の龍(ナーガ)の頭部を天蓋にしてその腹部に座している姿がよく見かけられる。その他、蓮華に座する姿もよく見ることができる。又、彼女が戴いている冠に小さなパールシュヴァの像が座していることもある。