国生み~大国の存在の記紀総括102-大氣津比賣神- | 記紀以前の日本史を探す

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古事記や日本書紀、俗に偽書とされる歴史書、古代アジア各国の歴史書などから古代(紀元前1000年頃~)日本列島の真実の歴史を考えて行くブログです。

□だいぎつひめ

 

古事記:

 

「又食物乞大氣津比賣神 爾大氣都比賣 自鼻口及尻
 種種味物取出而 種種作具而進時 速須佐之男命立伺其態
 爲穢汚而奉進 乃殺其大宜津比賣神 故所殺神於身生物者
 於頭生蠶 於二目生稻種 於二耳生粟 於鼻生小豆 於陰生麥
 於尻生大豆 故是神産巣日御祖命 令取茲 成種」

(又 大氣津比賣神食べ物を乞う

 爾(なんじ)大氣都比賣、自ら口及び尻から種種(くさぐさ)
 而(に)味の物取り出し

 種種(くさぐさ)而(に)具を作り進める時
 速須佐之男命、其の態(さま)立って伺い
 穢れの為而(に)進んで汚れて奉る

 乃ち其の大宜津比賣神が殺すが
 故 神者(は:短語)殺した身の所から物を生む

 頭に於いては蠶(かいこ)が生まれ
 二つの目に於いては稻の種が生まれ
 二つの耳に於いては粟(あわ)が生まれ
 鼻に於いては小豆が生まれ
 陰に於いて麥(むぎ)が生まれ
 尻に於いては大豆が生まれ
 故 是(これ)神產巢日御祖命、茲(ここ)に取り
 種成るを令(うなが)す)

 

▽表記

 

四つの表記が存在します。

 

1.伊豫之二名嶋の一面、「粟國謂大宜都比賣(此四字以音)」

 

2.大氣津比賣神

 

3.大氣都比賣

 

4.大宜津比賣神

 

1の「大宜都比賣」は「此四字以音」とあり、「音読み指定」になります。

 

呉音:「だいぎつひめ」、漢音:「たいぎとひばい」と

変換すると「呉音」表記が正しいと受け取れます。

 

しかし、2~4には読みの注記が書かれておらず、

同じ読みで良いのかどうか不明です。

 

また、「氣」は「呉音:け」、「漢音:き」となり、

「大氣」は「だいけ」となってしまい「だいぎ」と異なってしまいます。

 

他に気になるのは1と3の「都」、2と4の「津」に分類出来る事と、

「神」の有無となります。

 

もしかすると、「都」と「津」の二系統が存在していたのではないか?

と考えていますが、情報が足りません。

 

それから、古事記の文では2~4の名が記載され、

本当に一つの情報だったのか疑問になります。

 

多分に細切れの情報を繋ぎ合わせたのでは?と推測しています。

 

でなければ、名が三つも変化するのは不自然です。

 

▽六つの穀物

 

頭、目、耳、鼻、陰、尻と人間の部位に当てはめていますが、

植えられた位置が山の上から、人間の部位のように

見えたという事ではないかと推測しています。

 

▽保食神

 

日本書紀第五段一書第十一にある、月夜見尊と保食神の話は

「だいぎつひめ」とは無関係な話だと思われます。

 

なぜなら、六つの穀物が登場しません。

 

また、「保食神」は「うけもちのかみ」であり、

「だいぎつひめ」とは記載されていないのも一つの傍証です。

 

仮に同じ話とするのならば、共通の話の流れ等が必要となりますが、

比較しても同じ話と考えるのは無理があります。

 

ただ、古事記の「だいぎつひめ」の話と、

日本書紀の「保食神」の話は、他に情報が無いのが気になります。

 

今まで、古事記に書かれている話を、日本書紀では一書も使って

書き示していましたが、今回の情報は一回限定で記載されています。

 

なぜ、記紀の話の別の情報を掲載しなかったのか?など、

疑問も多いですが、関連情報があった時に再検証したいと思います。

 

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