
監督:マノエル・ド・オリヴェイラ
主演:ミシェル・ピコリ/ ビュル・オジエ
2006年 ポルトガル・フランス
先々週の「ここに幸あり」に引き続き、ミシェル・ピコリ。
ミシェル・ピコリの演技のうまさに驚いて、
あのゴダール映画で見た若い彼は、とてもいい歳の取り方をしたと思った。
素晴らしい役者。
初めのコンサートホールでの数分間のシーンの表情、バーのシーンでの表情がすごい。
若い頃より全然いい。
こんなにいい役者とは思わなかった。
会話がとても豊か。
日常の中の、他人には分からないが揺さぶられる出来事。
その心理変化。
台詞の全てに、その人の人生を感じさせる。
黒木和雄の「最近の映画に人生が見えない」って言葉。
でもこの映画は、むしろそれだけで成り立ってる。
フランス映画のいい部分。
あんなに歳をとってもまだ悔やむ事があって、
人は、後悔しても仕切れない悲しさを持って生きるものなのか。
人生は歳をとればとるほど楽になれると思ってたけど、そうじゃないのかもしれない。
年上の人たちは、色々な悲しみをたくさん越えたり諦めたりしてきたのか。。
劇中、「無名の価値を知っている」と語られる。
この言葉を聞けてよかった。
他にもそう思う言葉や瞬間が多くあった。
それらの台詞を聞く為だけに、もう一度観にいってもいい。

監督:勅使河原宏
原作:脚本:安部公房
撮影:瀬川 浩
音楽:武満 徹
出演:岡田英次・岸田今日子
この頃の日本映画は、どうして、
こんなにエネルギーが溢れていて、かっこよくて、エロかったのか。
勅使河原宏の前作、「穴」の予告編一つをとってみても、
音楽、映像、役者。
もうそれだけで、全面にはみ出るエネルギーの抑えきれない感じに圧倒される。
coolって言葉は、こういうエネルギーがセンスと伴った時に使う言葉だったはず。
今は平然な顔で、熱っぽさを表さない感じを表す。
「静の中の動」って大好きだけど、
でも、最近はその「動」さえも見つからない。
隙間から、どうしてもこぼれ落ちてくるものが見つからない。
この映画の登場人物の下品さとエロさ。
それを上回る、砂の本能的なエロさ。
エロいぞ、エロすぎないか?って、
全く馬鹿みたいに繰り返す。
勅使河原宏と安部公房の組み合わせ。
やっぱり、すごくいい。







