AIと愛 | 雪の上に照れる月夜に梅の花

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雪月花の時 最も君を想う…土方歳三、新選組、薄桜鬼大好き

 

「トゥーランドット~廃墟に眠る少年の夢」を観てきました。

それの感想です。

 

 

注意閲覧注意注意

 

シナリオや演出等にガッツリ触れています。

ネタバレ満載です。

ネタバレを好まない方は、この記事を回避し、自衛してください。

 

そして、この記事は私個人の日記兼備忘録です。

書いている内容はあくまでも個人の感想でしかありません。

そのあたりのご理解のほど、よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫からだ黒猫からだ黒猫あたま黒猫黒猫黒猫黒猫黒猫

 

 

有澤樟太郎さんの刀ミュ以外の舞台を観てみたくて「トゥーランドット」を観に行ってみました。

初めての悪役ということで、それもまた興味を惹かれたので。

 

そんなこんななので、この「少年社中」という劇団の作品を観るのは初めてです。

予備知識もありませんでした。

ただ「トゥーランドット」というオペラのあらすじだけは知っています。実際観たことはないけど。

 

 

まずはお目当ての有澤くん。

席がとても後ろの方だったので、有澤くんが出てきてもわかるかなあと心配だったのですが、心配いりませんでした。

ひときわ背が高くて頭小さくてスタイルよくてすぐわかったよラブラブ

キービジュアルでの衣装と全く違う全身真っ白な衣装。
キービジュアルの衣装がすごい好きだったんですが、真っ白な衣装、すごい良かった!!

膨張色の真っ白の衣装を着てあんなに素敵なんだ~、足長い~、すごいなあ~って思ったなあ。

そして相変わらずのいい声。

元々好きなタイプの声だし聞き慣れているからか聞きやすいし、彼の声には安心感を覚えるというか、彼の声を聞いてホッとしてしまった。

「大将軍ローラン」という役で、中国刀を振るう。

日本刀ではないから日本刀の殺陣の動きのようにゴツゴツした感じではなくて、比較的ダンスに近い撫で斬りっぽい殺陣。刀ミュで刀の扱いはお手のものという感じですごく華麗な殺陣でした。

で、悪役ということだったんだけど、悪役に全然見えなかった。

そこが多分彼の持ち味であり、いいところであり、私の好きなところです。

そりゃ俳優としては本当のド悪役も演じられるようになりたいだろうけど、そもそもこの「大将軍ローラン」ってシナリオ的にちっとも悪役じゃないじゃん?と舞台を見て思った。

てか、この大将軍ローラン、すごい興味深い役だった。

二次書けるわ~と思いながら観ました。

ローランを主役にしたらかなり面白いものになった気がする(←)

 

 

えっと……では総評。

 

あくまでも私の感想でしかないので、その点をご了承ください。

 

こういう劇団系の舞台、実は苦手分野です。

すぐそのことを忘れちゃうんですが。
とにかく早口。そして最初から最後までMaxの声量で俳優さんがガンガン話し続ける。

これでもか!これでもか!これでもか!という感じで。

よく言えば、若いエネルギーを爆発させていた感じ。

だけど観終わったあと、ものすごい疲れてしまった。

だから途中で有澤くんが出てきたときの、聞き慣れた大好きな甘めの低いよく通る彼の声がものすごく心地よくて。

ホッとしてしまった。

そして、この舞台は少年社中の20周年の記念舞台なんでしょうがないと思うのですが、途中今までの舞台作品の紹介が入るのですが、私は全く知らないので中だるみ感を覚えました。

クライマックスでも、それまでがとにかく声量Max、全力で話し続けている感じなので、ラストに向けて盛り上がっていく感じが全く感じられなくて。
そして大将軍ローラン以外、登場人物の気持ちに添えないというか、共感にまで至ることが出来なかった。

 

「愛」は素晴らしいものも生み出すけれど、人は「愛」によって操られ、苦悩し、争う。
だから、人間は「愛」を捨て、「感情」や「考えること」を手放し、人工知能(AI)を持つロボットに世の中の統治を委ねてしまった。

この世はビッグ・ブラザーと呼ばれるAIによって治められ、長い平和が訪れていた。

そして「演劇」は禁じられていた。

 

これが導入部。

「愛」と「AI」が掛けてあるんだろうなとはすぐわかったけれど……。

うーんと、ごくごく簡単に言うと、禁じられた「演劇」は、要するに人生の疑似体験であり、人の心を動かしてしまうものであり、だからこそ禁じられていたのだけれど、それを再び演じることで氷のようなトゥーランドット姫の心に「愛」の灯をともそうという話……だったのだと思う。

 

演劇をする仲間たち。とても表情豊かな彼らが実はロボットだった。
そして、まるで感情も心も自分で考える力もないように動くビッグブラザー側の管理者たちが人間だった。

人間のようなロボットたち、ロボットのような人間たち。

その設定はとても面白いと思った。
だけど、禁じられた演劇を復活させようとするロボットたちを作ったのが実はビッグブラザーだったり、非常に職務に忠実で「あなたに与えられたプログラムに従うのみ」という大将軍ローランに、「(言われたことを)疑え」といい、手放してしまった「考える」という行為を促すビッグブラザーの、その理由がよく理解できなかった。

何故、ビッグブラザーはそんなことをしたのだろう?

もしかしてビッグブラザーを作った人間が、数十年後、数百年後に、そうすることをビッグブラザーにプログラミングしてたのかなあ?

それとも「AI」が発達して、本当に心や愛や考える力を得たという設定なのかな。

ビッグブラザーは自ら考えて、人間に「愛」や「考える力」を再び取り戻させようとしたのかな?

 

ううう、わからない。

 

心豊かで可愛らしいトゥーランドット姫は人間が捨てた「愛」を再び知りたいと城を飛び出す。

そして劇団員たちの中心にいる「カラス」という男に導かれて劇団員たちと演劇し「ケツアール」という新しい名前を付けてもらって彼らと心を通わせる。

だけど実はこのトゥーランドット姫=ケツアールはロボット。

そしてカラスは人間。

二人はそのことを自分でも知らない。
城には本物の人間のトゥーランドット姫が別にいて、冷酷な命令を下していた。

そして演じられた「トゥーランドット」を観てトゥーランドット姫が「愛」を理解し、この劇団の支配人だった謎の男カラフと結ばれるという話。

このカラスと謎の男カラフという二人の人間の男を、ビッグブラザーは自分が作り出したといった。

いやいやいや、話はさらにもっとややこしくてだな……。
意外な展開にしようとしたのだろうと思うけど、登場人物の気持ちの変化についていけない。

共感ができないショボーンショボーンショボーン


そもそも、カラフには父がいたよね。

そしてローランが「お前は(工場ではなく)父と母の交わりによって生まれたのか、気持ちの悪い奴め」と言っていたよね?

あれ???

 

そしてローランも人間……じゃないのかな?

工場で生まれた人間と、ビッグブラザーが生み出した人間は別なのか?

???

 

んで、トゥーランドットの劇中劇を見て、カラスへの愛のため(多分)に自ら命を絶つ父の侍女リューを観て本物のトゥーランドット姫は心打たれた?

だけど、確かに「トゥーランドット」という物語でリューという役はそういう役なんだけど、リューがいつの間にカラス(カラフ)を愛していたのかそこを全部割愛してあるので、この劇中ではなんで死ぬのか訳が分からないだけで。

そして姫は演劇が終わると破壊されることを覚悟で演じたロボットたちにも心打たれた?

ん~……、わかんないな……。

 

それで何故トゥーランドット姫は謎の男カラフへの愛に目覚めたんだろう?

???

カラフもまた、なんであんなに斜に構えていたのにいきなりトゥーランドット姫に膝まづいて「愛を知った」とかいうの???

 

「愛を知った」というその気持ちについていけない。

「愛」ってそんなもんなのかなあ……。

 

 

ローランも、トゥーランドットを劇中で上映中の最後に突然出てきて「この者たちの演劇に魅入られております」と言ったけど、ローラン、それまでにもっと気持ちに紆余曲折あったやろ?と思った。

 

愛って、そんな、観てすぐ理解できるものじゃない気がする……。

確かに「ああ、こういう愛の形もあるんやなあ」と舞台やスクリーンを見て涙することはある。

だけどそれはやっぱりたとえどんなに小さくとも「愛」とよばれるものの欠片を知っているからだと思うの。

全く「愛」を知らないものが、観ただけでわかるんやろうか?

少なくとも私が演劇の舞台上やスクリーン上で「ああ、愛やなあ~」と思って涙してしまうのは、その似た感情を知っているから。

共感出来るからなんだよなあ……。


 

そして「人は『考える力』も手放した」と言っていたけど、トゥーランドット姫がなぞなぞを考えるのもやっぱり「考える力」であって、相手がそのなぞなぞの言葉でどう惑わされどう悩むかを想像する力も姫は持っていたはずだと思うんだ……。 

 

そして「憎む」とか「(愛を知ることを)恐れる」のはある意味『 愛』の断片を知っているということのはずじゃないのかなとか。

 

そしてそしてそもそもこの人間のトゥーランドット姫は何から生まれたんだよ?とか。

人間たちに階級があるのは何故なんだよ?とか。

 

 

そんなことを考えてしまって、なんかストーリーにすごい納得できない感満載で、不完全燃焼でした。

 

 

ごめんなさい。

 

 

 

ローランのキャラが一番好きだと思ったのは、有澤くんが演じていたからというだけじゃない。

 

彼はビッグブラザーから「命令を疑え」と命令され「自分で考えろ」と言われ、素直にすべてを疑い始め「混乱」する。

すごい人間らしくないですか?これ。

学生生活を終えて社会人になってしばらくしてこんなふうに混乱したりしなかった?

 

彼の混乱に共感出来たんだよね、私。

そして、有澤くんの持ち味である心の瑞々しさみたいな感じがあって、ローランは劇団員たちを殺してしまう(みんなロボットなので死なないで生き返ります)けど、真の悪者とは思えない。

心の幼さというか若さというかそれを感じて、そうやっていろんな心の痛みや迷いを知ることで彼の心が育っていくんだなと思った。
 

だからこの大将軍ローランが、いろんな感情を経験して、いい感情もいけない感情もいろいろ知って「愛」に目覚めていくお話が面白そうだなあ、二次書きたいなあと思ってしまった。

 

あれ???

 

それってまるで刀剣乱舞の兼さんやんwwwwwww

刀剣というモノであった彼が、審神者に心を目覚めさせられ、その心が育っていく話。

 

 

ああ、私、やっぱりとうらぶの兼さんすごい好きやわ(←そこか)

 

 

 

あ、それと。

オペラの「トゥーランドット」って中国が舞台だからだと思うけど、キービジュアルが赤と黒を基調にした中国風のとても豪華で素敵な衣装だったんですよ。

だからいわゆる宮廷モノ的な、煌びやかな感じを期待してしまっていました。

実際の舞台はキービジュアルと全く違う衣装。庶民的。

演劇をしようという庶民ランクのロボットたちの話が主だから。

公演後の物販に社中さんの役者さんが舞台衣装のまま日替わりで物販コーナーに立つということだったから、あのキービジュアルの衣装を真近で見られるのかなとちょっと期待してたんだけど、がっかりしてしまった。
 

物販グッズやブロマイドもキービジュアルのもの。

有澤くんのやつ買ったけども。

有澤くんは舞台の真っ白の衣装もすごい素敵だったからまあ……いいけど……。

 

 

正直、内心、こんなのありかよむかっむかっむかっと思っている。