藍染め職人のお仕事。 | 何処にも売っていない、藍染め作品集。

 

今日は、勤務先の染め工場で、始めてのぼかし染め作業をしてきました。多分、蓮だと思うんですが、グラデが入ると花は本当に奇麗な感じになります。大豆の絞り汁に薄い顔料で下のうすピンク色を塗ります。そして、濃いめの赤をぼかす基点に置いて、ぼかしの境目は指でこすって馴染ませます。

 

前回葉っぱの色を差して、今日は花びら部分を差しました。色を付ける事を差すと言います。色が隣り合っている時は、どちらかの色を決めてから次の色を差します。乾いていないと、色が混じり合ってしまう事がある為です。

 

 

一反で2人分の半纏ができるので、先程の写真は一人分の半身頃分です。前身頃にも柄が入るので、柄の合わせ目部分のぼかし加減が合う様に意識しながら差していきます。向こうに見えるのは先日書いた船の置き場です。ボート屋さんと我々は読んでいます。左奥にボートを川へ移動する為の大型クレーンが見えています。

 

完成図は下記です。若が大紋で、色んな事が繋がっているだろうの丸輪の繋がり。そして腰に蓮のぼかし柄。なかなか見た事の無い半纏でございます。10年で始めて。紙に付いた赤いのは、今日差した色が飛び散ったものです。背中の真ん中で縫い合わされるので、どこが合うのか折って確認しながら作業したので、折り目も付いています。

 

 

この後、色を差した部分に糊を置いて、染まらない様にしてから、呉入れと呼ばれる作業を2回して、その後に染めます。それから、水に一晩浸して、糊をふやかして、ほうきで糊を落として、また干して、伸子をかけて、反物をピンとさせて、それから仕立てが始まって、実際どう仕上がって、納品されて、誰が着ているのかは、現場の我々は知る由も無しです。

 

仕立屋さんが頑張っている頃、現場はもう次の次の仕事辺り。

 

ちょっと、面白い仕事がったので、思わず載せてしまいました。染め工場の様子は、下記でご覧頂けます。宜しければどうぞ。今は忙しいので、お問い合わせはすぐに対応出来ないと思います。たぶんですが。

http://aigame.blue.coocan.jp/

 

秋、冬は仕事が落ち着くので、ご見学もできますよ、と。

 

ブルーハンズ