青桐美幸(Blue)

ライフスタイルレコードの場にようこそ♡


自己紹介はこちらから。

 

 

自分自身と向き合い

幸せな毎日を創るために。

仕事も遊びも恋愛も、
「好き」を表現することから

自分を確立するライフスタイルを

綴っています。

 

 

 

今までの話はこちら。↓

 

高校生編はこちら。


【片恋物語】大学生編①喜びと悲しみは背中合わせにある。

【片恋物語】大学生編②愚かな自分と、容赦ない現実を思い知らされる。 ←今ここ

 

 

 

 

 

 

 

私は教科書を買うために
購買に向かっている途中で、
Sは丁度その方向からこちらに歩いてきた。

 


大学の構内でばったり会う。

 


それがどれだけ確率の低いことか、
入ったばかりで広いキャンパスに
圧倒されていた私にはよくわかった。

 


だからその確率の低い偶然に心底驚いて、
そして少しばかりはしゃいでしまった。

 


B「すごい偶然!」

 

S「そうだね。どこ行くの?」

 

B「教科書買いに。Sは?」

 

S「今から帰るところ」

 

B「え~、暇ならつき合ってよ」

 

S「嫌だよめんどくさい」

 

B「ケチー」

 

S「何だケチって。またな」

 


久しぶりに会ったからもう少し
ゆっくり話したかったのに、
Sはあっさり背を向けて行ってしまった。

 


残念に思いながら購買へと赴くと、
かなりの混み具合でレジにも
長蛇の列ができていた。

 


それを見て、一気に買う気が失せた。

 


どうせ講義はまだ先だし、
絶対に今日買わなければ
いけないわけでもない。

 


それなら別の日にしようと、
あっさり買うことをやめて
来た道を戻り始めた。

 


今ならまだSに追いつけるかもしれない。

 


そう思いながら早足で歩いていると、
バッグの中で携帯のバイブが鳴った。

 


見たら、Sからメールが入っていた。

 

 

 

 

 

S「さっきはごめん。
今から彼女と待ち合わせ」

 

 

 

 

 

私の足が止まった。

 


……そっか。

 


待ち合わせだったのか。

 


今日、デートだったのか。

 


そりゃデートぐらいするよね。

 


高校の頃と違って毎日
会えるわけじゃなくなったんだから。

 


違う大学だから、
帰りに待ち合わせぐらいするよね。

 


だから急いでたのか。

 


そっか……。

 

 

 

 

 

私は駅までの道の途中にある
本屋に入って時間を潰した。

 


万が一にもSに追いつかないように。

 


億が一にも彼女と鉢合わせないように。

 


もっと早くに言ってくれたら
並んででも教科書を買ったのに。

 


Sのそういう中途半端な優しさに、
一体何度打ちのめされればいいんだろう。

 


……いや、Sは悪くない。

 


全ては、私がSに気持ちを残してるから。

 


だから勝手に舞い上がって、
勝手に裏切られた気分になる。

 


もしかしたら、
同じ大学にいるということが、
思った以上に精神的な助けに
なっていたのかもしれない。

 


しばらくは、
距離を置いた方が良いのかもしれない。

 


初めて本格的にそう思った。

 


Sと会ってしつこくねだった自分も、
後から追いかけようとした自分も、
事実を知って時間をずらそうとした自分も、
全部が嫌になるぐらい愚かしい行為だった。

 


そんなことを思わずしてしまうほど、
浅ましい人間だと思い知らされた。

 


叶わない恋に執着する、浅ましい人間。

 

 

 

 

 

私は、私が、死ぬほど嫌いだ。

 

 

 

 

 

③に続きます。↓

 

【片恋物語】大学生編③罪悪感と幸福感の狭間で。

 

 

 

 

 

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