扉の向こうへ お江戸編 4 | 蒼のエルフの庭

蒼のエルフの庭

蒼の方への愛を叫んでおります
主に腐小説中心の妄想部屋でございます
ご理解いただける方のみお入りください
(男性の方のご入室はお断りいたします)

お江戸ツアー『蒼組』の皆さん全員が

髪結いと着付けが終わり

そのまま若智屋に移動となりました

 

若智屋の濡れ縁で座って待っていたのは和也

若ちゃんが木戸を開けると同時に立ち上がり

濡れ縁から降りて『蒼組』の皆さんをお出迎えする

 

「ようこそお越しくださいました

 着付けでお疲れになったでしょうから

 蒼幻燈に行く前に

 お茶を一服してください」

 

濡れ縁にはお茶とお菓子が用意されていた

 

「本来であれば上がって頂くのが筋ですが

 この後、すぐに絵付けを行いますので

 濡れ縁に腰かけて一服してください

 濡れ縁から見る庭を楽しんでいただければと思います」

 

若ちゃんが一人一人を案内して

濡れ縁に座る様に促した

 

若智屋の庭は春の花が盛り

上毛屋ほど広くは有りませんが

手入れの行き届いた庭です

ひと息ついて、蒼幻燈に向かいます

 

お茶を頂きながら歓談が始まる

 

「あの山吹に似た白い花をつけているのは

 何という花ですか?」

 

ay40123104さんが質問する

 

「あれはしろやまぶきだよ

 やまぶきに似てるから

 その名がついたと言われてるんだ

 種は違うみたいだが ・・・」

 

「しろやまぶきですか

 よく拝見すると

 やまぶきとは花びらの枚数が違いますね」

 

「質問しても良いですか?」

 

「ああ、どうぞ」

 

「あの可愛らしい花は小手毬かな?」

 

悠月さんが小さい手毬のような花に視線を向けた

現代でもよく見る花です

 

「その通りだよ

 東京の町にもあるのかい?」

 

「はい、小さい手毬のような白い花

 可愛いですよね」

 

「花の重みで枝垂れた枝が

 風に揺れる様子が風情があって

 時の経つのを忘れて眺めてしまう(笑)

 この時代でも人気の庭木だ」

 

「若ちゃん、絵付けに花を描くのは

 かなり難しいですか?」

 

tankuさんが庭木の花を眺めながら聞いた

 

「紙のように平らじゃないから

 そこは難しいと思うが

 描きたい物を描けば

 それだけで楽しいと思いますよ」

 

「この庭の花なら、どれがお勧めですか?」

 

misato1126さんからの質問に

若ちゃんが「う~ん」と考えながら

庭を見渡し

 

「そうだな ・・・ 花海棠は華やかだな

 ただ、この色を上手くだせるかは

 蒼灯殿に聞かないと分からない」

 

「花海棠は花木の中で

 一番美しいと言われてますものね」

 

「確かに美しい佇まいだな」

 

「淡い瑠璃色でふわっと咲いてる花は?」

 

木に咲く花ではなく

地面に咲く花に目を向けたモカさん

 

「サクラソウに似てるけど

 違うのかしら?」 

チョッパーさんも興味深い視線を向ける

 

「あれは瑠璃殿と呼ばれるサクラソウだ

 色変わりした花の一つだ」

 

「サクラソウは桜色だけだと思ってました」(モカさん)

 

「種子まきを繰り返すうちに

 色も形も違う花になったようだよ

 お武家さんが中心になって 

 新しい品種作りが盛んなようだ」

 

「それだけ歴史が古いんですね」

チョッパーさんも驚いた顔をした

 

「若ちゃんが描いた薔薇は

 あそこに咲いている薔薇なのかしら?」

 

のこさんが薔薇を見つけて指さした

 

「良く見つけたな(笑)」

 

「絵を拝見しましたので」

 

のこさんも含め7人全員が頷いた

 

「それは嬉しいねえ ・・・

 あれは庚申薔薇だ 

 薔薇はサクラソウよりも古くからあると聞いてるな」

 

和気藹々の歓談が終わり

皆様、蒼幻燈に移動することに

 

「絵付けなので私が助手として

 一緒に行くから

 聞きたいことが有ったら

 遠慮なく聞いてください」

 

「兄さん、蒼灯さんのお菓子を持って行ってくださいね」

 

「そうだった ・・・

 忘れるところだった」

 

和也から菓子を預かり

いつの間にか現れた露地門に向かって歩き出す

 

 

皆様、絵付けに行ってらっしゃいませ

 

 

 

 

 

 

 

<続きます>