Tell me why 5 | 蒼のエルフの庭

蒼のエルフの庭

蒼の方への愛を叫んでおります
主に腐小説中心の妄想部屋でございます
ご理解いただける方のみお入りください
(男性の方のご入室はお断りいたします)

無門さんの言葉の後

話題は全く違う話になり

ケーキと珈琲を頂いて

サンドウィッチはお土産に包んでくれた

 

「僕たちのドアはいつも開いてるから

 それを忘れないで」

 

その言葉に送り出されて

店の外に出た

 

正直、俺はどうしたいんだろう?

夢を叶えるお手伝いをする財団

確かにやりがいがある仕事だと思う

 

興味があるのなら

祖父ちゃんに連絡して会いに行ってと

鮫島爺さんの名刺をくれた

 

鮫ちゃんとは面識はあるけれど

話をしてはいない

印象は一筋縄ではいかない頑固爺さん

会って何を話せばいいのか ・・・

 

頭を振りながら

名刺をポケットの中に仕舞い

そのまま家に帰った

 

 

彼らが鍵を持っているのなら

彼(兄さん)が何処にいるのか知っているって事だ

それなら教えてくれたらいいのに

それからだと思うんだ仕事の話は ・・・

結局、ヒントすらくれなかった

教える気は更々ないって事だ ・・・

って ・・・ 今更知ったところで何になる?

 

彼にとって俺は必要ない人間だった

最高の気分にさせた後

思いっきり突き落とされて

落ちた場所は真っ暗闇

光のある方向がどこなのかもわからず

手掛かりもない迷路をさまよい

未だ出口に辿り着けていない

 

そんなゲーム願い下げだと

自らその迷路に留まる想いごと封印して

このゲームから降りた

 

そして ・・・ 

俺は彼が大っ嫌いになった ・・・

 

 

「あれ?もしかして野良君?」

 

不意に声を掛けられて振り向く

見覚えは有るんだけど

誰か思い出せない ・・・

 

「音楽会の時に会った ・・・」

 

「そうそう、あおの隠れ家のウェイターだよ」

 

「ああ、どうしたんですか?」

 

「今から仕事に行くの

 ちょっと遅れちゃったから

 マスターに叱られるかも」

 

そう言いながら全く慌てる様子はない

 

「蒼の隠れ家って何処にあるんですか?」

 

音楽会の後、携帯で調べたけれど

そんなお店はヒットしなかった

あの寡黙なマスターのカクテルが飲んでみたかったんだけど

 

「何処にあるんだろう?」

 

今からお店に行く人が

何処にあるのかって聞き返されても

俺が知ってるわけじゃない 

 

「分からないのに

 辿り着けるんですか?」

 

呆れてものが言えないって顔をすると

にっこり笑って

 

「大丈夫、説明できないだけど

 店には辿り着けるから

 もしかして、店に行きたいとか?」

 

心がざわつくから

こんな日は飲みたい気分だ 

 

「行きたいと言ったら

 連れて行ってくれますか?」

 

「連れて行くのは良いんだけど

 辿り着けるかは別なんだよな ・・・

 それでもいい?」

 

全く分かりにくい説明

辿り着けない店?

途中で迷子になるって事?

 

「一緒に居るのに辿り着けないんですか?」

 

「一度友達を連れて行こうとしたんだけど

 店の前に着いたら居なかった(笑)

 後で聞いたら、途中で俺がいなくなったって

 そんなはずなんだけどね ・・・

 まあ、試しに行ってみよう!」

 

この人はソラスの人たちとは

全く関りがなかったはず

マスターはもう一人のマスターと

豆屋と呼ばれる人とだけ話してた

だから ・・・ 傷に触れることはないはず ・・・

 

「ご一緒させてください」

 

「じゃあ、行こう!」

 

ウェイター君に連れられて 

何処をどう歩いたか記憶にないが

気が付いたら「蒼の隠れ家」の看板の前に居た

 

「良かった、無事に着いたね

 カンテラついてないって事は

 開店前!間に合ったようだ」

 

それはウェイター君が遅れたから

カンテラが付いてないんじゃないの?

 

この人、超が付くほどポジティブシンキングなのかも

地下への階段を下りて行く

彼の背中を追って後に続いた

 

 

 

 

 

<続きます>