そういうわけでブログに関してジレンマに悩まされている、ひろむです。

書きたいことがあるときには時間がない。
時間があるときには書きたいことがない。
ちゃぶ台をひっくり返すどころか、ちゃぶ台を正拳突きで叩き割りたい気持ちでいっぱいです。
 
さて、3年ぶりのガッカリムービーアワードですよ。
本来なら去年映画部を発足したのだから、去年やるべきだったんですけどね。
いったい僕は何をしていたんだろう?
 
それはそれとして今年は、だいたい70本くらい観たんですけど、
選び抜かれたのは、この2本。
 
エントリーNo.1 『グッドバイ ~嘘からはじまる人生喜劇』
 
グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~
 
何度も書いてますけど、好きなんですよ、太宰治。
で、映画の脚本書いてる奥寺佐渡子という人も好きなんですよ。
細田守監督作品の脚本を、いくつも書いてる人だし。
僕の大好きな『サマーウォーズ』も、この人の脚本。
原作書いてるケラリーノ・サンドロヴィッチも、不条理作品の天才ですからね。
『罪とか罰とか』は、不条理の極みだけど好きです。
特に「ソプラノとモザイク」がツボですw
そんなわけで、これは面白いだろうと!
未完の作品だから、途中からいくらでも膨らませようがあるし!
去年公開の『人間失格』も面白かったし!!
 
・・・と思った僕が間違っていました。
まぁ、途中まで原作をなぞりつつ、少し脚色してみたいな感じだったんですよ。
で、原作が存在しない後半部分。
まさかの平凡。
「え?これ、原作ケラだよね?」と言いたくなるほどの平凡ぶり。
なんのひねりも裏切りもない、こうなるだろうなというストーリー。
別に不条理万歳というつもりはないですけど、せめて「太宰なら、こうするだろう」という
姿勢くらいは見せて欲しかった。
なんだかありふれた展開にしか見えてこない。
 
期待値が高すぎたと言えば、それまでなんですけどね。
僕は映画館まで行ってしまったので、思わず「金返せ!」と言いたくなる内容でした。
「えー、太宰だったら、絶対こんな終り方にしないよ!」って気がしていて。
考えてみると太宰の小説を映像化すると、大抵面白くないんですよね。
特に『斜陽』はヒドい・・・。
この映画も『斜陽』と比べれば、マシ程度です。
面白かったのは『パンドラの匣』と、NHKでやってた『太宰治短編小説集』くらいです。
 

 

『太宰治短編小説集』はプライムビデオで観られます。

全10本なのに『犯人』という作品の主演が、本当に犯人になってしまったので、

『犯人』を含めて3本バッサリ切られるという・・・。

好きだったんだけどな、『犯人』。

『駆込み訴え』とかも西川美和監督・香川照之語りで面白いですけどね。

話が逸れました、ともかく『グッドバイ』に関しては『太宰治短編小説集』の方が面白いです。

 

エントリーNo.2 『バースデーカード』

 

バースデーカード [DVD]

 

今期のガッカリ・ムービー・アワードは『グッドバイ』で決まりかな?と思っていたところに

飛び込んできたのが、この作品。

詳しくは“こちらの記事”に書いたので詳細は省きますが、これもヒドかった。

 

タイトルの“バースデーカード ”と、同じ重みで“『パネルクイズ アタック25』”を

ぶっ込まれても・・・という話です。

まぁ、個人の立ち位置が違えば、見方も変わるだろうから、

僕には刺さらなかったというだけなんですけどね。

いかんせん『アタック25』のインパクトが強過ぎて・・・。

本当に「映画館に行かなくて良かった!」と思いました。

 

唯一評価できる点と言えば、宮崎あおいが可愛かった。

パッケージの写真だけで、ご飯三杯食べられます!!

もっとも宮崎あおいが出ていなければ、見向きもしなかったとも言えますが。

久しぶりに宮崎あおいが出ているのにガッカリしましたね。

出演映画では“2014年”以来の選出です。

そのレベルでガッカリしました。

 

以上、2本が今年のノミネート作品です。

観た数との対比で言えばガッカリ作品は、非常に少なかったと言えると思います。

言わずもがなコロナの影響で公開作品が少なかったので、リバイバル作品を

観る機会が例年以上に多かったのも影響しているかもしれません。

名作を掘り起こそうという気分もあった気がします。

 

では今年最もガッカリした映画は、エントリーNo.1『グッドバイ ~嘘からはじまる人生喜劇』。

これに決定です。

たぶん太宰治に特別思い入れがなければ、そこまでではないと思うんですけどね。

小池栄子が絶世の美女か?という程度で。

僕の場合は、映画館で観た、太宰に対する思い入れが強い。

この二点が、非常に影響しています。

DVDで観た程度なら、のけぞり具合で『バースデーカード』になってた気がするんですけど。

やっぱり「映画館で観る」というのは、何度やっても特別な体験なんですよ。

僕にとっては。

それだけに可愛さ余って・・・の部分はあります。

期待を裏切られたというその一点に関して第17使徒戦あるいは第9の使徒戦直後の

シンジ君ばりの怒りようですよ。

 

原作の『グッド・バイ』って、実際すごく良い材料だと思うんですよね。

太宰の絶筆で、ちょっと悪いイメージがあっても、そもそもコメディだし。

中期のバカバカしさに通ずる物があって、僕は好きです。

だからこそ残念で仕方ない。

 

ちなみに今年ナンバー1は、上半期でもナンバー1であった『ルビー・スパークス』です。

『シング・ストリート 未来へのうた』、『アバウト・タイム~愛おしい時間について』、

『ジョジョ・ラビット』あたりと、かなり競るところはあるんですけど。

 

今年のガッカリ・ムービー・アワードは映画部部長として2014年以来の

『鈴木先生』のセリフをもじった、この言葉を残しておこうと思います。

“これからもガッカリする映画、たくさん観ると思うけど、
 もう少しこのまま頑張ってみようと思います。”

 

そして最後は、この言葉で〆たいと思います。

“完璧なガッカリ映画などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね”

(村上春樹風)