なんだかんだで、この企画も早三年。
年末の恒例企画にしようと目論んでいるんですが、まだ先は長いなぁ・・・。
一応、目標としていた“90本の映画を観る”を達成することが出来ましたヽ(´∇`)ノ
ちなみに90本目は映画館で観た『バンクーバーの朝日』。
今年一番最初に映画館で観た映画が『ジャッジ』だったので、どういうわけか妻夫木聡で始まり
妻夫木聡で終わった感がありますw
できれば100本行きたかったんですけどね。
まぁ、時間的な制約もあるので仕方ありません。

今年観た映画を振り返ってみると、玉石混交であったと思います。
どちらかと言えば、良作の方が多かったかなという感じです。
それでは、今年のノミネート作品の発表です。
どれもいずれ劣らぬ、ガッカリ映画ばかりです。
ちなみに僕の独断と偏見と趣味趣向によるチョイスですので、悪しからず。

エントリーNo.1 『アナザー』

“いけないことだけれど、『アナザー』がギャグに見えてしようがない。”(『女生徒』風)
ホラーとしては失格。
回収されない無意味な伏線とかシナリオ自体のアラも目立つけど、なによりホラー演出がひどすぎる。
カレーで言ったら「カレーの王子様」レベルの「カレーと言えなくもない」といった程度の怖さです。
ひろむ基準でいうなら、この映画より、アンソニー・ホプキンス個人の方が、よっぽど怖い。
「風船か!」とツッコミたくなるほど、強度のない人体。
肝心の死亡フラグも、ピタゴラ装置レベルの複雑さ。
テレビから出てくるだけという貞子のシンプルさを見習って欲しいものです。
Mr.Childrenに「駄目な映画を盛り上げるために/簡単に命が捨てられていく」と非難されること請け合い。
ただホラーとしては評価に値しませんが、コメディとしてなら一見の価値アリです。
ホラーもやり過ぎると、コメディになってしまうことの典型です。

エントリーNo.2 『ラヴァーズ・キス』

もう、どこからツッコんだらいいのか、わからない。
原作は吉田秋生の同名マンガ。
『海街diary』の姉妹作と言ったらいいでしょうか。
“原作は”面白いです。
映画は酷すぎます。
主演・平山あやの時点で悪い予感しかしませんもん。
でも宮崎あおいが出てるから見ましたよ。
まず「主演を宮崎あおいにすべきだったのでは?」と思う。
もうすでに、この頃幾つも映画賞を受賞しているのに、わざわざ脇役にする意味がわからない。
宮崎あおいと市川実和子以外は、学芸会ですよ。
いちおう後々『宇宙刑事ギャバン』になったり、杉下右京の『相棒』になったりしてるんですけど、
それはあくまで後になってから。
学生の映画サークルが撮った自主映画の域です。
とても商業映画と言える代物ではありません。
映画館で観たら「金返せ!!」と暴動を起こすところですよ。
『装甲騎兵ボトムズ』の主題歌『炎のさだめ』の言葉を借りるなら、原作とのあまりの落差に
「お前を見れば/心がひえる」。
さだめとあっても、心をきめることが出来ません。
『海街diary』が同じ運命を辿らないか、いまからハラハラしています。

エントリーNo.3 『初雪の恋』

国際共同制作という作品が、時々あります。
これも、その一つ。
日韓合作の映画だそうです。
最初に断っておくと、僕はコンテンツとして韓国映画は好きですが、韓国ドラマは好きではありません。
勘違いしないで頂きたいのは、国としての韓国が嫌いなわけではありません。
あくまでもコンテンツとしての好みの話です。
正直、映画とドラマで「なんで?」って首を傾げるくらい、完成度に開きがあるように思うんですよ。
『猟奇的な彼女』とか『大統領の理髪師』とか、映画は本当に面白いのに。
この映画は、カテゴリは映画なんですけど、中身が韓国ドラマのノリ。
いちいちツッコミどころが多すぎる。
脚本書いてるのが、日本人なのに『GODZILLA』同様、日本の描写がいい加減という謎仕様。
いろんな描写がトンチンカンだし。
なんだか色んな所が安っぽくて好きになれないんですよね。
韓国ドラマが好きなら話は別だと思うんですけど、どうにもあのノリが好きじゃないので。

エントリーNo.4 『人狼ゲーム』

土屋太鳳が、これの続編に出るというので、渋々観た映画。
もう、なんだか、タイトルから「うーん・・・」という感じです。
思う様、流行にのっただけというB級感が漂ってくる。
結論から言ってしまうと「桜庭ななみでも、この程度の映画に出るんだな」です。
大まかな流れは『SAW』と『バトルロワイヤル』を足して8ぐらいで割ったような程度だし、主演が
桜庭ななみだから『リミット』にも見えるし。
キャスト以外の、すべてが安っぽい。
ロケ地も「どこの研修センターだよ!」とツッコみたくなるような場所だし。
シナリオも吹けば飛ぶような薄さ。
犯人が誰なのか?を推理しないといけないはずなのに、数分単位で登場人物の言ってる事が
変わるので、観ていて「誰でも良いよ」と思えてきます。
平たく言うと、だいたいVシネマレベルの出来ですよ。
これを観て面白いと思えるのは、中学生くらいまでじゃないかと。
続編の『人狼ゲーム ビーストサイド』は、土屋太鳳が出ていたからか、犯人がわかっていたからか
映画館で観たからか、そこそこ楽しめました。

エントリーNo.5 『王様とボク』



年末に飛び込んできた、まさかのガッカリ・ダークホース。
二階堂ふみが出ているので観てみました。
聞いたことないタイトルだったので、ネットで検索かけてみたら、ものすごく評価が低かったので
どうしようか迷いました。
思わず、たじろぐぐらい、けちょんけちょんに書かれてたんですよ。
「ネットの評価がどうかではない。面白いと信じる。その想いこそが未来を創る」とソリッド・スネーク風に
思って観ました。
結果、大失敗w
「ホントに『ヒミズ』の後なのか」とクラクラするほど、つまらない。
とりあえず話題の人を集めてみました以外のアピールポイントが見つからない。
ストーリーが凄まじい勢いで支離滅裂なんですもん。
主人公の行動も、いろいろ理屈をつけてはいるけど、単なるモラトリアムの現実逃避にしか見えない。
観ていて「こいつ絶対、都合が悪くなったら、また逃げるよ」と思いましたもん。
現実逃避がストレートな分だけ碇シンジ君の可愛げがあります。

以上、5本が今年のノミネート作品です。
例年より数が多いんですが、観た映画が多かったので。
しかし今年は宮崎あおいの出ている作品にガッカリすることが多かった。
メジャーな作品は、あらかた観てしまったので、マイナーな作品にまで手を出したのが主たる
原因なんですけど。

栄えある今年の大賞はエントリーNo.3 『初雪の恋』に決定です!!
これを選ぶと僕が特定の国を嫌っているんじゃないかと、誤解されそうで嫌なんですけどね。
その点に関しての僕のスタンスは、伊藤計劃の『メタルギアソリッド ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』の
最終章に、僕の言葉なんかより、ずっと素晴らしい表現で書かれているので、そちらを参照してください。
そこに書かれている言葉に全面的に賛同しています。
宮崎あおいが出ているから、あまり推したくはないんだけど、それにしても出来が酷すぎます。
人種・国籍・主義・思想に関わらず作った人間が、あまりにも手を抜きすぎ。
これで映画として売り込もうなど、虫が良すぎるとしか言えません。
どうせ作るなら韓国映画のクオリティで作って欲しかったと残念でなりません。
低予算でも『猟奇的な彼女』は、あんなに面白いのに。
この映画はテレビドラマクオリティで作った結果、およそ褒めるべきところのない駄作になってしまった
わけですが。

こうして毎年ガッカリ映画を選出しているわけですが、その意義はソリッド・スネーク風に言うと、
こうなります。
俺達は伝えなければならない。
俺達のガッカリした映画の歴史を。
それらを伝えるためにデジタルという魔法がある。
例年ノミネートしてきた映画を観る時間があるなら『メタルギアソリッド』シリーズをやった方が、
よほど有意義な時間が送れると言いきれます。

そして来年に向けた抱負は去年に引き続き、この言葉。
これからもガッカリする映画、たくさん観ると思うけど、
もう少しこのまま頑張ってみようと思います。(小川風)