夕方犬を公園の芝生で遊ばせていると、いきなりおじいさんたちが、席とりでもせんばかりに小走りでベンチに向かってはしってきて・・・それもさっきまで酔っ払いのおじさんが寝転んでたベンチ。新聞紙なんてそのままおいてあるし、そんなに急いで席とりにこなくても、なんてちょっと不思議そうに彼らのことをじっとみていたら、一緒に犬を遊ばせていたおばさんが
”あーTilo(ティロ)ね”
え?とたずねると、
ちょうど私たちの頭の上にあった黄色い小さな花を指差しながら、
”あそこのベンチ、ちょうどTiloの木の真下で風が吹いてるからすごくいい香りがするでしょ”。
たしかに、いわれてみると、沈丁花のいいにおい。
沈丁花ほど強くはないのだけれど、香りはそっくり。
小さなころ、うちの庭にも2本植えてあって、毎年春先になると香水を作って遊んでいたのを思い出しました。
ちょうど、虫たちも目を覚ます時期だったので、丸ムシをつかまえたり、土をほってミミズを探したり。
(って、ヘンな子供。だけど、何もしらないので先入観がなく、おかげで今も虫は苦手ではないかもしれません、自慢にならないかそんなこと・・・)。
なつかしいにおい。幼いころに大好きだったにおいにーそのにおいが楽しみで春が待ち遠しかったくらいですースペインでこんなに長い年月をへて再会できるとは思ってもみなかったので、なんだかすごく大切な宝物を見つけた気分です。
どれくらい花が咲き続けるのか、わからないけどしばらくはお気に入りの場所になりそうです。ベンチには絶対すわらないけど
あまりにうれしくなったので、木にごめんなさいとあやまりつつ、少しだけおすそわけをしてもらいDuqueに花飾りをつけてあげました。(って本人、なんだかわけわからなくって、やたら背中がかゆい・・とおもったらしくすぐに掻いてとってしまったけど)
でも、毎日通ってたのに、いわれるまでにおいにきがつかなかったのはちょっと不思議。
やっぱり、"知らないものは見えない”のかな・・なんて思ったりして・・・。