Blow Jazz
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Killing Commendatore


村上春樹「騎士団長殺し(新潮社)」読了。

騎士団長殺し

堪能しました。
夫婦間の危機によるミドル・エイジ・クライシスから端を発した旅(冒険)からの帰還神話がベイスとなりいつもどおり安心して物語を楽しめる仕掛けになっている。

そして今回も村上春樹的な記号が満載。
謎の人物、欠落を持った女の子、不思議な生物、井戸(のようなもの)、超自然的な出来事等など大サービスだ。
小生などはむしろその予定調和(もちろん村上春樹流の)にやや食傷気味でもあったのだが。

さて本書発刊時にNHKが「クローズアップ現代」で爆笑問題の太田光に村上春樹批判をやらせたらしい。
ネットで内容を確認してみたのだが自分が理解できないものへの非文学的な罵倒に過ぎず論ずるに値しない。
ただこのような批判については以前に拙ウェブ・ログにて論評したことがあるので興味のある方はご一読下さい。

「村上春樹わかりたい症候群」 ← これね。

では1984年のヒット曲でジョー・ジャクスンの“Happy ending”。
選曲の意図、判るかなぁ。



ほんのささやかなしあわせ


実相寺昭雄のATG3部作を一気に鑑賞。

「無常(1970年)」
無常

「曼荼羅(1971年)」
曼荼羅

「哥(1982年)」
哥

学生時代に観た時その独特な映像美やストーリィと容赦ない性描写そしてスリリングなディスカッションに酔ったものだった。

さて今回3作品を観直して我が若き日の感性が正しかったことを確認できた。

特に「無常」は難解な思想も映像で表現する可能性を見事に拓いて見せた傑作。
片時も眼を逸らさせぬ緊張感に溢れたドラマ構成はやや観念劇に過ぎる他の2作と比較して一頭地を抜いている。

返す刀で実相寺のもう1つのATG作品「あさき夢みし(1974年)」も鑑賞。
あさき夢みし

13世紀後半の王朝貴族が退廃的な日常をおくる宮廷の後宮に生きた1人の女性の愛欲の日々と自由への旅立ちを描いた作品。
鮮やかな闇の中に浮かび上がる映像は時おり息を呑むほどの美しさを見せる。
しかし小生には作品を充分に楽しめる教養が欠如しているため前3作品ほど楽しめなかったのだが傑作であることに疑いはない。

世界は小生にとって嫌なイヤあな方向へ変貌しつつあると常づね思っておったのだがこのような傑作を簡単に鑑賞できる幸せもあるのだからまんざらでもないのか。
いややはり嫌な世界であることは間違いない。
ほんの一例だがスマートフォン馬鹿どもの狼藉を見よ。
かくも僅かなる喜びで上方修正してもいいような気になったのだから小生も単純よのぉ。
わはははは。

さて今回の1曲だが「あさき夢みし」を観ながら思い浮かんだPrincess of darknessたるカサンドラ・ウィルスンの”Children of the night“の闇の美しさを存分に味わってください。


活字中毒患者の嘆き

読書好きと言うより活字中毒者をもって任ずる小生であるが以下の3種類の系統の本がどうしても読めないのである。

① ビジネス書
② 自己啓発本
③ スピリチュアル系

「ビジネス書」は過去多くの上司達から半ば強制的に何冊か読まされたが「金持ちになる方法」や「特定の人物の成功哲学」など下品で退屈で読んでいられなかった。

「自己啓発本」にいたっては「自己の可能性を信じなさい」だとか「幸福であることに気づきなさい」だとか大きなお世話である。

そして「スピリチュアル系」だ。
上質なフィクションとしてのSFではなく「前世への旅」だの「宇宙からのメッセージ」だの新興宗教入信のステップ本としか思えない。

しかし大きな書店を覗いてみると上記3種の書籍コーナーは眼を見張るほど充実している。
それほど需要があるということはつまりこの種の本を必要とする人達がたくさん存在するということになる。

友人に以上の3種類を完全網羅している男がいた。
その男は正にその種類の本しか読めず小説とくにSFなどは全く読まないというより読めないのである。
現実離れしているしありえないことだと件の友人は言う。
だが小生からすると上記3種類の方がよほど浮世離れしていると思うのだが。

なぜ今回こんなことを取り上げたかとと言うと知り合いから「スピリチュアル系」の本を無理やり貸されたからである。
そしてまた数ページ読んで放り投げてしまった。

アメリカのある場所に数千年前に宇宙人が壁画としてメッセージを残した洞窟があり政府機関によりその事実は秘匿されているがこのたび関係者により明らかになったとか何とか。
こんなもの読めるか。

そんな類の本を読むより小生には音楽の方がずっと美しい体験をもたらしてくれる。
最近のお気に入り。
Yoshinori Sunaharaの“LOVEBEAT(2001年)”

lovebeat

ミニマルなテクノサウンドの万華鏡。
陶酔します。


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