その時「いまやろう」と腰を上げるか、「そのうちに」といったん忘れるか。
やろうと思った時に、何かきっかけとなる行動を起こす。
それができない人は、いつになっても始めることができない。
むしろ次第に「まだ準備ができていない」という思い込みの方が強くなっていく。
いつの日か、十分な知識、道具、技術、資金、やろうという気力、いけるという予感、やりきれる体力、そのすべてが完璧に揃う時期がくると、信じてしまうのだ。
だが、いくら準備をしても、それらが事の成否を決めることはない。
いかに素早く一歩目を踏み出せるか。
いかに多くの問題点に気付けるか。
いかに丁寧に改善できるか。
少しでも成功に近づけるために、できることはその工夫しかない。
よく行動する人は、知識は必要最低限でいいと考える。
なぜなら実際に動く前に、わかることなんてほとんどないと知っているからである。
だからよく失敗する。
だがそれで「順調」だと思っている。
そのように私たちの脳は、自分の行動をうまく正当化するようにつくられている。
小さくても、「一歩を踏み出す」という行為さえ続いていれば、「なぜこれが正しいのか」脳が勝手に理由を集めてくれる。
吉田松陰は、行動がつながらない学問は無意味だと考えた。
大切なのは、不安をなくすことではない。
いかに早く、多くの失敗を重ねることができるか。
そして「未来はいくらでも自分の手で生み出すことができる」という自信を、休むことなく生み続けることなのである。