飲食店をはじめとするサービス業の本当の仕事。
それはお客様のハートを掴むのはパフォーマンスでもなく、マニュアルでもなく、気が利くという技術。
先日うちのお店で宴会がありお客様側で客観的にお店を見てみましたが、
残念なことにお客様への気配りや目配りがなされておらず、
感動や満足の機会損失の多さにビックリしました。
やはり接客は心がすべて。
どんなに素晴らしいマニュアルが存在しても心が無ければ伝わらない。
何も特別なことはなく、お客様にとって快適な環境作りのお手伝いをすること、
お客様に今何をして差し上げたら喜んでいただけるかの実践をするだけです。
よく、
見られている意識を持とう!
魅せる意識を持とう!
と言う言葉を耳にしますが、
サービスマンとしてお客様を観察し気持ち良くなって頂くには?
と考え動くことがそれに繋がるのだと思う。
飲食店の楽しさは「美味しかったよ、ありがとう」「みんな元気で気持ち良かったよ」「また来るね、ありがとう」などと言って頂ける仕事をすることではないか?
そこを追求なくしてお店の発展はないと僕は言い切れます。
どんな手法やテクニックを身につけても、心が無ければすべて無駄。
すべて台無しです。
先日、大分の旅館で受けたおもてなしで感動した出来事ことがありました。
予約したはずの旅館にチェックインしようと訪ねると、
なんと予約がなされていない。
よくよく調べて行くと、福井にある同じ名前の旅館に予約をしてしまっていたことが判明しました。
インターネットでの予約作業を行う中で起きてしまったこちらのミスでした。
福井の宿には事情を伝え急遽キャンセルにして頂きましたが、
当日泊まる旅館を急遽探さねばいけなくなってしまいました。
生憎予約したつもりの同じ名前の旅館は予約で一杯で泊まることができない中、困り果てていると、
その宿のスタッフさんは近隣の旅館を探してくれました。
そして何とか空室のある旅館が見つかり、そちらに泊まらせて頂くことになったのですが、
そのスタッフさんは、手配してくださった宿まで連れていってくれ、更には何度か僕たちのことを気遣ってくれました。
「せっかくの大分の旅行を最高のものにして頂きたい」
自分の旅館のお客様でもなく、売上が上がる訳でもないにも関わらず、大分に来た旅行客が大切なお客様だと言う考えが行動に表れていました。
その行動に僕たち家族は感動し、翌朝わざわざお礼を伝えにいきました。
心の無いサービスマンならここまでしないでしょう。
予約が無ければ、「予約はございません」で終わりだったかも知れません。
しかし心から自分の仕事に誇りを持ち、人と人の繋がりを大切にしている一流のサービスマンなら自然とできる行動なのだと思います。
何のために僕たちのお店が存在し、何のために僕たちの仕事があるのか?
最近、この想いが薄らいできている気がします。
それではお客様に価値を提供しているとは言えません。
お客様を心で受け止め、心で動く、そんな気が利くという技術を大切にしていきたい。