歪んだ街5 | blondcoco の人生相談

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マーケティングから恋愛問題まで、あらゆる お悩み相談室ブログです。
朱夏世代(30代、40代)の うつや思春期特有の悩みが 得意分野です。


君は元々、誰でもなかった!

だから人からどう思われようと、それは思われたことにはならない。

悪口を言われたって、へっちゃらだ。

だって君は、誰でもないんだもの。

君は一人称で自分のことを語るけれど、真実(ほんとう)は無人称なんだ。

つまり無人称であるということは、誰でもないということだ。



「あの娘は、死んでしまったわ!マンホールの底に真っ逆さまに500mも落下してね。

でもあれからすぐに、あの娘の魂が私の中に入ってきたのよ。

お願い!これからはママと一緒になって生きてみたい!って言ってね。

それで私は、受け入れることにしたの。

あの娘の魂と私の魂が混じり合って、一つになったわ!」


〈娘=私〉



「それで、少し解ったような気がします。

あなたがあの時と同じ容貌と同じ服装のままで、ぼくの前に現れたことの意味が」


私、あの時以来、歳を取らなくなってしまったわ!

数字のない世界。文字のない世界。音のない世界。匂いのない世界

そして、形のない世界。年齢のない世界。そういう世界の住人になったのよ!」


珈琲が冷めてしまった。

もう一度、熱い珈琲を沸かして来ようと、シマフクは考えている。

今この瞬間、珈琲が冷めるということは、時間は少なくとも今は存在しているのだろうか!?

女性が言う。

「時間も存在しないのよ!だから、過去も現在も未来もない。

ただ、この今の一瞬が存在しているだけ。

その毎瞬の連続で、世界が創られている。

だけど、珈琲が冷めるという現象があってもいいのよ。

気にしなくてもよくってよ!私はむしろ冷めた珈琲の方が好きだから」

そう言ってから、その瀬戸内海を思わせるパーマネントブルーのワンピースを着た女性は、珈琲をおいしそうに一口啜った。



シマフクのお店は、その翌日から絶好調になった。

何故だろう?

何故かは解らなかったが、結果忙しくなって売れてくれれば、それで何の文句もない。

お客さんは次から次へと湧き出てきて(本当にその辺の路地から、地面のコンクリートを突き破って湧き出てくるような感覚だった)、

彼女たちは生き急ぐ💨かのように、手当たり次第に物を買ってゆく。

特に、古い物がよく売れている。

数年前に人気だったが今はすたってしまったキャラクターたちが、特に人気なのだ。

ショッピングモールなどでは、1年以上経過して売れ残った物は、たいてい売り場からハズされる。

そして、300円ショップなどに流れてゆく。

でもシマフクのお店では、300円ショップで売られている物が、定価でどんどん売れてゆくのだ。

信じられない!!つい昨日までは閑古鳥が鳴いていたのに!!



あなたがもしも歪んだ街に行きたいと思ったのなら、電車に乗って行くしか術がない。

道路という道路は、歪んだ街の近くに来ると、全てが消えてしまっている。

その先は、濃い深い霧の中を進むしかない。

とても濃密な霧に包まれている(形容しがたいほどに)。

誤ってそのまま真っすぐに進んで行った人たちは、車ごと形が無くなってしまった(神隠しにあったみたいにして)。

そういう例が、10例ぐらいあった。

それからは誰も、歪んだ街へ車で行こうとは思わなくなった。

そういう観念が、人々の間に定着した。

歪んだ街は、ただそこにあるのだ。

そこは行くべきところではない。

ただ、そこにあるという事実だけを知っていればよいのだ。


しかしながら、二本の線路だけはちゃんと通じている。

あれから18年。あの歪んだ街は、一体どんな姿になっているのだろう?

分岐した地球🌏の、もう一方の姿になっているのにちがいないだろうけれど。