2017年7月21日(金)

 

6時50分、0合目(標高898m)の北口本宮冨士浅間神社を出発。

 

アスファルト道路を300mほど歩いて吉田口遊歩道入口へと進み、そこからは気持ちの良いトレイルを歩いて行きました。

 

 

 

実は、本来の吉田口登山道はこの遊歩道と並行して走っている車道なんですが…

 

登山者の安全を考えてこちらの遊歩道が整備されているようだし、こちらの方が登山道感があるので、0合目から歩く場合は遊歩道がおすすめです。

 

 

遊歩道の途中にあった世界遺産を示す標柱。

 

 

どう考えても普通の観光客はみなさん5合目からしか登らないし…

 

このルートを歩く人は登山そのもの、もしくは富士登山に余程の興味がある熱心な登山者か、あるいは我々のように軍曹のように“厳しさ”とか“過酷さ”を好むアブノーマル変態ハイカーか…汗

 

 

とにかく0合目から歩く人はそんなに多くないと思われるけど、それでもこれだけ立派なモニュメントが立てられるって、やっぱり世界遺産はすごいな~と感心しました。

 

 

 

それにしても…

 

登山、しかも日本一の山に登っているというのにまったく勾配を感じられない平坦なトレイル。

 

「2,800mも登らないといけないのに、こんなことで大丈夫なのか?」

「前半がこれだと後半でどんだけ追い込まれるんだ?」

 

と心配になる。汗

 

※イッチーさん撮影

 

 

 

4㎞ほど歩いて中の茶屋(1,106m)を通過。

ここまでに獲得した標高は208mほどなので、平均勾配は約5.2%。

すごく楽チン♪

 

 

 

途中からアスファルトの車道になり、8時35分頃に馬返し(1,428m)に到着。

中の茶屋から先は次第に勾配が増していき、約3.6㎞歩いて322m標高が上がったので平均勾配は約8.9%。

 

0合目をスタートして約7.6㎞を1時間45分かけて歩いてきました。

 

のんびりしたペースだけど、翌日に御来光を拝むためにこの日は8合目の山小屋まで登ればいいのでこれでOK。OK

 

(ただし、コースタイムだと2時間45分なので言うほどのんびりでもないのかな?)

 

 

馬返しには駐車場やバス停があるので、ここまで車やバスでやってきてここから登山する人が多いようです。

 

 

 

馬返しから先に進むとようやく登山道らしい雰囲気になってきました。

少し歩くと1合目(1,516m)を通過。

 

 

このあたりから先はイッチー軍曹と一緒に山に行くときによくやる「尺取り虫スタイル」(勝手に命名w)で。

 

これは軍曹も僕もそれぞれ自分のペースで歩いて行き、当然軍曹の方がペースが速いので先に行ってしまうんですが、ある程度の目印になる場所や分岐などにさしかかると軍曹がペース調整のために待っていて僕が追いつく、という行軍スタイル。

そう、軍曹が尺取り虫の頭で、僕が尻尾(笑)

 

 

 

歩いているトレイル脇の岩壁は大昔に溶岩が流れて固まってできたようです。

 

 

 

登山道の途中にはかつての山小屋(お休み処)の痕跡や神社の社跡が残っていて、5合目まで車で登れる富士スバルラインが開通する以前の富士登山の痕跡が見られました。

 

 

3合目(1,840m)見晴茶屋跡を通過。

 

 

 

 

馬返しから先は登っている登山者の方もけっこういて、2~3合目あたりでは若者5人組がワイワイとにぎやかに、すごく軽快なペースで登っていました。

 

若者たちのペースが速いので、生まれたての小鹿並みの脚力しかない僕はすぐに追い抜かれるんですが、この若者たち、ちょっと登るとすぐ休憩。お茶

その横を僕が歩いて通り過ぎる。

しばらくすると軽快なペースの若者たちがまた追い抜いていくけど、ちょっと登るとまた休憩しているので、その横を僕が歩いて通り過ぎる…

 

この繰り返し。リサイクル


しだいに若者グループの休憩時間が長くなっていき、こちらが淡々と登っている緩いペースにすら追いついてこなくなりました。

 

何やっとんじゃ!? ゲラゲラ

 

 

 

4合目(2,010m)大黒小屋跡を通過。

 

 

 

木々に囲まれた登山道を歩いているとまったく高度感がありませんが、この時点で九州本土最高峰の九重中岳を上回る標高。

 

裾野が広い富士山、やっぱりすごいな~ 富士山キラキラ

 

 

 

4合目を過ぎたあたりでイッチーさんが立ち止まって何かを見ていると思ったら…

 

 

青い松ぼっくり 発見!びっくり

 

 

松ぼっくりと言えば茶色いイメージだったけど、こんなものもあるんですね。

(葉っぱを見ると普通の松じゃないような気も…)

 

 

 

その後も樹林帯の中を歩いて行くと、10時30分頃に林道に出ました。

 

 

林道には車が何台か停まっていて、そのうちの1台に軍曹が食いつきました。

 

 

 

こちらのジムニー、フロントのブルバーやウインチもすごいんですが…

 

 

何なの!?このリヤタイヤ!! ポーンあせる

 

 

 

タイヤのサイドウォールを見ると「BS」の印字があったので、たぶんブリヂストンのトラクター用タイヤかな。

 

 

 

ていうか、このタイヤにスパイクを打ち込んで、それをジムニーに履かせてるってすごい。汗

 

山小屋とか富士山で仕事をしている人のジムニーなのかな?

 

 

 

ここで1枚の標識が目に入りました。

 

富士山山頂 6.1km 387分

 

 

6.1㎞…

普通ならゆっくり歩いても1時間半ぐらいで着きそうな距離ですが…

 

387分…って…

 

6時間27分…!!

 

ふ ふ ふ 富士山、おそるべし! ガーン

 

 

 

林道から5分ほどで5合目の佐藤小屋に到着。

 

 

GPSウォッチでは標高2,233m。

馬返しから4.16㎞で獲得標高が805m、平均勾配は約19.4%。

けっこう勾配がきつくなってきました。あせる

 

『山と高原地図』のコースタイムで3時間05分(富士登山のリーフなどでは2時間10分ほど)のところ、約1時間45分で登ってきました。

 

『山と高原地図』は、観光地などの山では景色や史跡などを楽しみながらゆっくりと歩けるようにと、コースタイムを長めにとっていることもあるようですが、富士山の吉田ルートもその一つかもしれませんね。

 

 

 

ここ佐藤小屋で、いったんザックを下ろして少し休憩することにしました。お茶

 

理由は、ここまでほとんど休憩を取らずに登ってきたので…と言いたいところですが、軍曹と一緒に登っているのでそんな甘っちょろいことでは休めません。

 

理由はただ一つ。

 

このペースで登っていくとあまりにも早く8合目の山小屋に着くことになり、当然、山小屋では何もやることがないので退屈することになるから。

 

 

 

佐藤小屋の中に入ってテーブル席に腰かけると、冷たいお茶とお菓子を出してくれました。

 

 

 

そしてぜんざいをオーダー。

 

 

甘いものが五臓六腑に沁みわたって生き返ります♪アップ

 

 

 

佐藤小屋で休憩している間に、例の軽快なペースで登っていた若者グループも佐藤小屋に辿り着いていました。

 

外にあるベンチに腰かけて仲間内でワイワイ話していましたが、持っていたペットボトル2本を飲み干してしまったのでもう水がないとか、ペットボトルをあと1本買い足しておこうとか…とか。

 

どこまで登るつもりなのか知りませんが、とりあえずお金さえ持っていれば開山期の富士山では飲み食いに困ることはないので死にはしないんだけど、息を切らして水をガブ飲みするようなペースだとたぶん高山病になるのでは?

 

彼らは無事に目的地まで辿り着けたんだろうか…?汗

 

 

 

佐藤小屋を出発して少し登ると、6合目の富士山安全指導センターがありました。

ここで富士山保全協力金 1,000円を支払うと、木で作ったキーホルダーが記念にもらえます。

 

 

 

この6合目で富士スバルラインの五合目駐車場から登ってくる登山者と合流。

 

5合目までは静かだった登山道も、途端に人が増えて賑やかに。

 

 

 

6合目から上はひたすらつづら折りになっている登山道を歩いて行きました。

 

 

ちょうど雲の中で真っ白だったので景色も楽しめず、、、ダウン

 

 

6合目から少し登ったところには遠足に来ていた幼稚園児の集団が。

 

 

引率の先生方、お疲れ様です!あせる

 

 

2,500mを超えてきた辺りだったかな?

少しだけ雲の切れ間から下界の様子が見えてきました。

 

 

 

7合目の山小屋にて。

「何が売ってるのかな~」と眺めていますが、特に何かを買うわけでもなく。

 

 

 

場所が場所だけに少しばかり値は張りますが、先ほども書いたように、開山期の富士山はお金さえ持っていれば飲み食いに困ることはありません。

 

 

 

色々なものが売られていましたが、個人的にツボったのはバナナが吊り下げられてたこと。

お腹が減ったときに富士山で食べるバナナ、うまいだろうな~ ラブラブ!

 

 

 

しかし今は軍曹との鍛錬行軍の最中。

自前の行動食を適当に頬張りながらひたすら登っていきます。

 

ていうか、佐藤小屋でぜんざい食べてるしね。。。にひひ

 

 

 

7合目を過ぎると登山道も険しくなってきました。

 

 

つづら折りの退屈な登山道が終わり、ゴツゴツした溶岩の岩場が現れてきました。

 

 

また7合目を過ぎると標高も2,700mを超えてくるので、このあたりから登山道の脇に座り込んだりうずくまったり、酷い人は横になったりして高山病に苦しんでいる登山者(観光客)の姿も目立ち始めました。

 

 

 

やがて3,000mを超えてくると自分も何かちょっと眉間の奥をつままれているような感じ(?)。

 

「前回の富士登山の時もこんな感じだったな」

 

 

無理をせず、黙々とペースを保って登っていくと…

 

 

本日の宿泊する山小屋、元祖室に到着!

 

 

いや、軍曹すでにくつろいでるし!ゲラゲラ

 

 

佐藤小屋を出発して約3時間10分ほどかけて登ってきましたが…

 

コースタイムをもとにした計画では15時30分ぐらいに到着する予定だったのに、計画より1時間近く遅れて出発して、しかもゆっくり登ってきたのに14時25分に到着してしまった。

 

あとは晩ご飯を食べるぐらいしかやることがないんだけど…FREE

 

 

 

元祖室の看板には「八合目 元祖室」と書かれていますが、富士山には八合目と本八合があって、いったい何のこっちゃ!?って思いますが…汗

 

元祖室は8合目(3,020m)よりも上で、本八合(3,360m)よりも下の3,250mにあります。

 

 

 

GPSウォッチだと標高3,244m。

佐藤小屋からの距離4.36㎞で獲得標高1,011mなので、平均勾配は23.2%。

 

富士宮ルートだと平均勾配は30%を超えますが、吉田ルートはつづら折りになっている箇所が多い分、歩く距離は長くなるけど平均勾配は少し緩やかになるんですね。

 

 

 

さっそくチェックイン!

 

 

 

山小屋の中では寝袋が隣と重なるように敷きつめられていて、これが一人分のスペース。

せ、狭い、、、ガーン

 

 

隣が太っちょの人やでっかい外人さんだとちょっと圧迫感がありますが、幸いにしてこの日は普通体系の日本人のオジサン。(軍曹の隣のオジサンはイビキが半端なかったけど…汗

 

とりあえず僕も軍曹も、スリムな体形でよかった。。。

 

 

ザックなど荷物も頭の辺りに立てて置く感じ。

 

 

 

夕食の時間までやることのないので、山小屋の外に出て適当に時間つぶし。

 

 

まずは元祖室に併設されている冨士山天拝宮にお参り。

 

 

 

その隣には石段の上にもう一つ神社(?)があったので、こちらにもお参り。

 

 

はい、もうやることがなくなりました。爆弾

 

 

あとは景色を眺めるだけ。。。

 

 

 

軍曹がカメラをかまえているので「何を撮っているのかな?」と思って、カメラの先を見ると…

 

 

 

ドラゴンが炎を吐いているような雲が。

 

 

 

下の方を見るとまだまだ登ってきている登山者もいます。

 

だんだんと雲が湧いてきたけど、明日の御来光は大丈夫かな?あせる

 

 

 

もう本当にやることがないので、おつまみ片手にスキットルでお酒を飲む軍曹。 ゲラゲラ

 

 

 

ちなみにこの日はそんなに寒くなくて、山頂でも午後からは10℃を超えていたみたい。

 

山小屋のある8合目あたりだと15℃以上はあったと思われ、薄手の防寒着を羽織っていれば良いぐらいでした。

 

 

 

17時過ぎに夕食の準備ができたということで…

 

みんな大好き!カレーライス! カレー

 

 

ところが…

 

欧風カレーなんて味や辛さの違いはあれど、どんなカレーでも普通に食べられると思い込んでいた自分にとっては、生まれて40年以上の経験と記憶をすべてひっくり返されたような衝撃的なカレーライスでした。

 

あれだけカレー大好きな軍曹が残している姿を初めて見たし…汗

 

とは言え、こんな場所で温かいお米が食べられることを感謝しなければいけません!

ごちそうさまでした~お願い

 

 

 

夕食後は外は寒いし暗いので、仕方なく寝床でスマホをいじったり横になってみたり…

 

でも、次々とやってくる登山者の話し声や物音で眠れる雰囲気でもなく。

 

 

 

無理やり横になって目を閉じてみましたが眠れない。

 

そのうち背中が痛くなってきたので横を向いたり、横を向いていると腕が痛くなってきたのでまた仰向けになってみたり、軍曹の隣のオジサンのイビキで笑いが込み上げてきたり…。

 

 

結局、ほんの少しウトウトした程度で起床時刻の午前1時30分になってしまいました。

 

さて、御来光を拝むために山頂に向けて出発です! DASH!