これはもう音楽史において歴史的な事件だとさえ思います。
突然の、全く何の告知、前触れ、予告もなしでのHi-STANDARD、16年ぶりに新譜をリリース、それもCDショップのみでという今までに例を見ないこの試み。
Twitterで、Hi-STANDARDの新譜が店頭に…そのような情報が流れて来て正午過ぎにそれを目にした時、僕はあまりの驚きに、一瞬何が何だか分からなくなったというか、頭の中が真っ白になったような状態に陥り、理解するのに少し時間を要し、そして身震いを覚えました。
やることが違う。
やはりこの人たちのやることは半端なくカッコよく、その切り拓いていく生き様、精神というのを、また見せつけてもらえた、そんな気がします。
Kenさんが以前コラムに書かれていた
「(ロック)ミュージシャンの何がカッコ良いか。それは難しそうな局面を軽々と超えて行く事にある」
まさに、それを地で行く今回のこのノンプロモーション、CDショップのみでのリリースを行うというこの試み。
配信ならば、情報も漏れずに突然リリースすることも比較的容易いかと思われるのですが、このCDショップでのCDとしてのリリースとなると、盤の製作から流通経路、そして店舗に至るまで、数多くの人が関わることとなり、その分、情報の漏洩の危険性も増すにも関わらず、どこからも漏れることなく、この快挙を成し遂げた、その凄さは絶大なる信頼関係、そして、Hi-STANDARDがやることだから、Hi-STANDARDの音源と共に、思いも「届け!!!」
情報に溢れるこの時代に、逆こそ真なり的に敢えて挑んでみせ、そしてこのとてつもない世間のリアクションを口コミ的にそれこそSNSなどを通じて巻き起こし、颯爽と、そう、軽々とこの音楽業界の局面を超えて行く、それもPUNKS、D・I・Yのマインド、インディー精神を持って。
CDが売れないとずっと言われ続けているこの時代にも、やれることがあるんじゃないのか、これもすでにもう6年前のKenさんのコラムに
「音楽業界は生き残るための努力をせまられている」
「オレはミュージシャンだ。LPやCDから夢を与えられてきた男だ。 (中略) MP3には有形物が持つ色気はまるで存在しない。オレの中では色気は便利さを凌駕する。」
と、詳しくはKenさんの著書を読んでもらえたら、なのですが、それをこういった形で実現してくる、その発想と行動、実現する力に惹かれて、もう堪らないわけなのです。
噂、あくまで音楽業界内での噂レベルでの囁きでは、昨年再びLIVEを立て続けに行い、そして今年はAIR JAMも開催する、そして音源も出すのではないか…なんていう話、希望的観測?もちらほらとは聞くこともあったはあったのですが、にわかに、どこか信じ難い?自分がいたのも事実で、それをこういった形、皆の予想を良い意味過ぎる裏切ったような形でリリースしてくるHi-STANDARDというバンドには、驚愕と、本当に大いなるリスペクトしかありません。
新譜のリリースもあるんじゃない?なんて浅はかな噂をしていた自分がちょっと恥ずかしく思える、それほどの、今回の度肝抜かれた出来事、ちょっとした事件と言えるニューシングルリリースでした!!!
と、この一連の突然のビックリも嬉し過ぎる新譜リリース騒動についてまずは自分なりの思いを書き綴ってみましたが、では、続いては肝心の音源、新曲についての感想、思いなどを書き記そうかと思います。
新たな道、スタートラインに立ち、MAKING THE ROADしていく、そんな風にも僕は勝手に受け取ったりもしました。
いつもHi-STANDARD、Kenさんの作品などのアートワークを手掛けるホンゴリアン氏は本当に多彩で、その作品ごとにテイストをめちゃくちゃバッチリに合わせ描いてくる、素晴らしいアーティスト、クリエイターだなと、毎回ジャケットを見て驚かされ、そして音源とともに物凄くお気に入りになります!
そして、収録されている新曲4曲ですが、全て今までのHi-STANDARDとは少し違った新たな魅力、趣が詰まった、散りばめられている、そんな印象を全体としては受けました!
もちろん今までの、これぞハイスタ!的な要素とともに、です。
1. Touch You
ヘヴィさ、激しい要素、歪んだギターといったHi-STANDARDならではな音的な幕開け、そして疾走感、どこかGREEN DAYぽさも感じるも、やはりここでギター、そうKenさんの新たな箱ものギターとの出会いによるロックンロールとのケミストリーが、よりHi-STANDARDにも持ち込まれた、そんな新しいHi-STANDARDを感じる楽曲、な印象。
2. Another Starting Line
ミドルテンポのこれぞハイスタ、的でもあり、しかし今までになかった要素もふんだんに盛り込まれ、琴線に触れるメロディーラインと言おうか、とてもキャッチーで、難波さんの持つ魅力を個人的により感じ、そして楽曲のスケール感、包容力を感じ、歌詞がまた自分たちバンドのことなのか?とも取れるし、Hi-STANDARDとkidsたちのことが歌われているのか、と思いを馳せる、Hi-STANDARD新たなアンセムの誕生。
3. Nothig To Lose
強い、そして怒り的なものも感じる、THE OFFSPRING的な要素や、ドラムの音が印象的で、よりくっきり聞こえカッコいい、そしてギターソロ、どこかカントリーや、マカロニウェスタン?風な感じもしたりと、Hi-STANDARDだからできるオリジナリティに楽曲最後の最後まで満ち溢れた1曲。
4. Rain Forever
楽曲から溢れる優しさ、そして、やはり人生を歌うその歌詞、(失えば失うほど なにかを得るのさ)なんて言葉に勇気を貰え、励まされる、そんなコーラスがとても印象深く耳に残って癖になり、間奏でのギターとドラムのかけ合いにもとても惹かれ、余韻を残し終わっていく。
と、あくまで勿論僕個人の感想であるわけですが、4曲とも、やはり新たな、もうひとつのスタートラインに立った、そんな今までとはまた違った魅力、16年の年月を経たからこそ生まれた、Hi-STANDARDならではな楽曲ではないかと思います。
特設サイトには取り扱い店舗一覧も載っていますので、ぜひ手に入れて、自分の耳で聴いて、感じてもらえたらと思います!
そしてなんとさらに更に嬉しいニュースが!
そう、Hi-STANDARDといえば、カバーソングのセンス、カッコよさ!というイメージもバンドの大きな魅力の1つであり、このシングルもめっちゃくちゃ楽しみで、そして東北に新曲たちとともに、よりパワー、エナジーをLIVEで届けてもらいたいと思います!
はぁ、しかし、本当に興奮、エキサイティングしまくった、そんな10/4、10月、いや2016年になりました!!!
また人生に新たな活力を貰え、Hi-STANDARDには本当に感謝です。
そして、改めてPIZZA OF DEATH RECORDSの勢い、というか、より攻めの姿勢(もちろん設立された時からずっと攻め続けているが、よりという意味で)、KenさんのMステ出演などを皮切りに、WANIMAの快進撃、Kenさん東京スカパラダイスオーケストラとのコラボで日本語詞歌う、などなどに加え、そして今回のHi-STANDARDのニューシングルリリースに、までと、常に仕掛けていき、日本の音楽シーンに風穴開け、切り拓いてくなぁと、改めてやはり凄いレーベル、ひいては凄い社長、ミュージシャン、バンドマン、人物であるなぁ、Ken Yokoyama氏という人は、と、ほとほと思った次第です。
追伸
あ、そういえば、2008年の1月、武道館前でこんな光景にも遭遇しました〜。(もちろんまだお話などさせてもらったことのない、随分前のことです。)
お茶目な方なんです!
って、こんなの載せたら怒られるかな?
DVDの撮影などもされてたし、画質も荒々だし大丈夫、かな?
と、勝手な判断にて、であります。
すいません。
どうかお許しください。
Everybody wants touch you
(Now)I'm the one needing hero
な歌詞の通りの気持ちからなんです。