これはきました、ぐっと胸に。
それも苦しいくらいに。
見る人が見たら辛いです。
特に私のようなダメな男にはグサグサ刺さります。
でも、めっちゃ笑えます。
これぞ是枝裕和監督の真骨頂と言える映画ではないでしょうか。
生きるって果たしてなんだろう。
思い通りにいかないなぁ。
母親に申し訳なさすぎる。
情けない。
そんなちょっと切なく、少し苦しい気持ちにもなります。
あ、私のようなダメ野郎は特に。
主人公は離婚してるとはいえ、1度は結婚し、子供ももうけてるだけまだマシじゃないか、そんなことさえ思ったり。
ま、個人的なことはさておき、男性には特に印象、心に残る台詞なんてのがいくつか出てきます。
女性もなのかな?どうだろう。そのへん、私には分からない部分があったりいたしますが。
「男は今を愛せない」
「過去になる勇気を男は持たなければならない」
「女の恋は水彩画ではなく油絵」
「こんなはずじゃなかった」
といった内容の言葉が個人的に強く頭に残りました。
そして、樹木希林さん、阿部寛さん始め、出演してる役者さん皆がみなええ味出してはります。
樹木希林さんとかもうズルいっていうか、出てはるだけで味ありすぎる領域までいってはるというか、涙を誘いますよねぇ。
阿部寛さんもええ具合にくたびれたダメ男感を出してはって、これがまたグッと物語の世界に引き込まれます。
さらに、主題歌と音楽を手がけるのがハナレグミという染みまくる要素が満載です。
初めて映画のために書き下ろしたというこのハナレグミの主題歌「深呼吸」はもうまさに名曲の誕生です。
夢見た未来とちがう今を生きる、元家族の物語
「海よりもまだ深く」
5/21より公開です。