ここまで、ヴァーチャル、実体のない存在に対して熱狂できるのか、あの拍手、声援は一体誰に向かって、どこに対してのものなんだ、しかしまぁとにかくこれは凄いなというのが率直な感想…だったのですが、見ていくにつれて、人は昔から偶像崇拝する生き物であり、その現代版がこのボーカロイドでもあるのではなかろうか…そう考えることによって合点がいくというか、あまりにも自分にとって非現実的な光景を目の当たりにして、自分を納得させるためにそう考えた、自己防衛反応的なことかもしれませんが、それほどまでにちょっとカルチャーショック的な体験でもあり、刺激も受けました。
そして、その初音ミクを始めとしたボーカロイドを投影する技術や、しなやかでなめらかな動き、ダンス…そういえば帰り道にファンの女性2人が話してるのが聞こえてきたのですが、
「いたな、いたよね?!」
「ダンス上手い、歌上手い、めっちゃ動いてたし、成長してる!!」
と興奮して喋っていたほど、確かにあの技術的なことの凄さと、そして、そこに合わせて生演奏するバンドの人たちのテクニックというのも相当なものだなとひとしきり感心させられました。
先ほど、現代版、という表現をしましたが、僕にとってはちょっと近未来的な光景にすら見えてしまいました。
そして、アンコール含めおよそ2時間近く、ずっとサイリウムを振り続けて果たして疲れないのだろうか?
そのわりには普通のLIVEとは違って、押し合いへし合い、もっと近づきたい、前に行きたいとかで、もみくちゃになることなどは決してなく、与えられた場所、その場で盛り上がっている。
これも普段ボカロのLIVEに行かない者にとっては少し驚く光景でもあったりしました。
いやぁとにかくまだまだ自分にとって未知の世界、知らないことが多すぎて、そして、やはり何事も現場に行かなくては、その空気感などは絶対分からないよなぁと思い知らされた、初音ミク、ボカロの世界の初体験でした。