週中競馬記事(2024年7月9日)~リーディングサイアー展望・回顧~ | ブログ

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先週に引き続き小倉・福島・函館の3場開催

本年の函館は1開催12日の編成、その最終週でG3函館記念、G3函館2歳Sの2重賞実施週

 

●1位(1位)キズナ(25億1655万1000円)(106勝)

(24億4646万6000円)(101勝)

先週は障害OP、新馬など5勝。G3プロキオンSではハピが相変わらずの結果でしたが4着と重賞入着もあり獲得賞金25億円突破。

2歳部門では土曜終了時点で一旦モーリスに逆転を許しましたが日曜に新馬勝ち馬を出し、首位に戻して今回も1位。獲得賞金の方はまだ決定的といえませんが勝利回数部門では独走態勢を築きつつあり近2年の同部門首位はロードカナロアでしたが本年はキズナが有力でしょう。

 

プロキオンSのハピに関しては勝ち馬ヤマニンウルスが早々に勝負を決めそれを追いかけた分の4着で、勝てないのだから着を拾いに行けば2着にもう少し迫れたかと。

 

今週の重賞登録馬は函館記念のサヴォーナ。

阪神の3歳1勝クラスアザレア賞を勝利しG2神戸新聞杯はレコードと同タイム2着。キズナ産駒に多い阪神外回り芝2400mが向くタイプとは思いますがG2日経新春杯でも2着、新馬は福島芝2000m、2勝クラス特別は福島芝2600mと夏競馬や小回り実績も。3歳1勝クラスゆりかもめ賞ではスキルヴィングの2着など条件は問わないようですがベストは12ハロン競馬となるでしょうか。芝2000m戦の出走はソールオリエンスが勝利した23年G3京成杯4着以来、この距離への対応と函館開催最終週の洋芝適性などでしょう。それ以上に注目を集めそうなのが鞍上で想定は池添謙一の継続。停止明けでどのような騎乗になるか。

 

●2位(2位)ロードカナロア(22億2485万7000円)(92勝)

(22億865万1000円)(92勝)

3場開催のこの時期にロードカナロア未勝利というのは珍しいのですが重賞出走馬もなく首位キズナに離される週間に。

 

今週の重賞登録馬は函館記念のデビットバローズ。

前走OP巴賞2着から、函館のOP特別ということで函館記念とも好相性なのですが近年はここでもっと負けていた組が巻き返して函館記念で上位入着するような傾向。1ハロン延長は歓迎で函館も問題ないようですが相手も強くなるので。想定は武豊の継続。

 

●3位(3位)エピファネイア(21億5322万1000円)(53勝)

(21億2539万1000円)(51勝)

先週は新馬など2勝。新馬戦勝利はワン・ツーで2位ロードカナロアとの差も詰めていますが劇的に詰めたということもだく依然として7000万以上の獲得賞金差。

 

今週の重賞登録馬は函館2歳Sのヤンキーバローズ。

函館芝1200mの新馬戦勝ち馬で前走は5頭立てでしたが番手からキッチリ差しており、1度使われて煩いところが出なければ有力でしょう。例年は序盤の馬場を速い時計で勝った組が開催最終週の全く違う馬場で消えがちですが本年は序盤から時計の掛かる傾向にあるようで、そこから消せるタイプもいないかと。近2年は稍重・重の実施で1分11秒台決着とここまで時計が掛かるとは思えませんが昨年のようにダート馬や道悪巧者の台頭も馬場次第では要警戒。想定は岩田康誠の継続。

トップ10内種牡馬から2歳戦で既に勝ち馬を出したのはキズナ、エピファネイア、モーリス、リオンディーズの4頭、そこから本年の函館2歳Sに産駒登録があるのはエピファネイアのみ。この4種牡馬から本年の2歳戦で12頭の勝ち馬は出ていますが函館芝1200mで勝利したのは登録のあるヤンキーバローズとリオンディーズ産駒のモジャーリオの2頭。

 

●4位(5位)ハービンジャー(11億9267万8000円)(39勝)

(11億5632万8000円)(38勝)

先週は3勝クラス特別1勝でドゥラメンテを再逆転して4位浮上。

五稜郭S勝利のキミノナハマリアは道悪適性などもあったのでしょうが、かなり強いというかレース巧者のような勝ちぶりでクイーンSなどにでも出てくれば有力でしょう。

 

今週の重賞登録馬は函館記念のエミュー、グランディア。

エミューは巴賞13着から。巴賞組の巻き返し傾向にあるレースですがここまで負けてしまったり古馬となってから17・9・13着と負けすぎなので2走前の福島牝馬S9着は競走中止馬のり強で不利を受けた馬も多くその分でしょう。道悪は重賞勝利もあるので有力馬がそれで苦しむようなら。

グランディアは前走G3エプソムC6着から。その程度走れば今年のメンバーならばといった組み合わせで母ディアデラノビアの5歳騸馬ということからまだ良くなりそうですが芝2000mは中京で2勝、芝1800mは中山で2勝と傾向はハッキリしており函館初出走と小回りや洋芝適性も問われることに。前走エプソムC組というのは過去5年で3着内馬はありませんが前走重賞か巴賞敗戦組というのがローテ上では有利な傾向。想定は三浦皇成の継続。

 

●5位(4位)ドゥラメンテ(11億7256万4000円)(58勝)

(11億6778万6000円)(58勝)

未勝利週でまた5位に落ちてしまいましたが本年はこの位置でハービンジャーやルーラーシップとの順位争いに回るということでしょう。その差は大きくなく直ぐにでも4位には復帰できそうですが最終世代とはいえ産駒デビューもある昨年度のリーディングサイアーがここまで落ちるのもレアケースでしょう。ディープインパクト1強時代が長く続いたゆえの偏見かもしれませんが。

 

今週の重賞登録馬は函館記念のエンパイアウエスト。

牝馬限定の条件レースを連勝してのOPクラス初出走が重賞初挑戦。連勝の相手関係もですが9頭・12頭立てのレースで牡馬相手の函館初出走も不安ですがフルゲートでどこまでやれるか。オーナーズの5歳牝馬でこの臨戦過程ということからどうしても獲りたいということでもないでしょうし連勝中の勢いでといったところでしょうか。想定はテン乗りの横山武史。

函館記念の牝馬勝利となれば98年パルブライト以来。90年代は隔年で4頭の牝馬勝ち馬も出たレースですが札幌実施の勝ち馬も含まれるなど当時とは実施時期なども違い、勝ち馬ということでは牝馬苦戦の傾向に。本年の登録牝馬は上記エミューとエンパイアウエストの2頭。

 

●6位(6位)ルーラーシップ(11億1726万8000円)(47勝)

(11億135万3000円)(47勝)

夏競馬が特に良くない印象もないのですが未勝利週。新潟の方が向くような気もするのでそこからまた伸びてくれば。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

 

●7位(7位)ドレフォン(10億3405万7000円)(43勝)

(10億2226万4000円)(43勝)

ドレフォンも未勝利でトップ10内種牡馬も先週は2位ロードカナロアと5~7位種牡馬は未勝利。

G3プロキオンSのデシエルトはOP特別でなんとか入着していましたが重賞でついに崩れるといった結果に。勝ち馬も強く自分のリズムで走れなかったようですが故障前の状態に戻らないのでしょう。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

 

・ダートランキング

1位ドレフォン   7億7134万1000円

2位ヘニーヒューズ 6億6382万3000円

3位ロードカナロア 6億2537万4000円

 

上位3種牡馬の順位変わらず。

小倉ダート1700mのG3プロキオンSで勝ち馬ヤマニンウルスを出したジャスタウェイはダートランキング17位。

 

●8位(8位)モーリス(9億8884万1000円)(48勝)

(9億5530万5000円)(47勝)

先週は未勝利1勝。

G3七夕賞では8番人気ノッキングポイントが3着と好走。ハッピートレイルズ一族の瞬発型と見ていたのですがそうでもなかったようで昨年のG3新潟記念を軽ハンデとはいえ古馬相手に勝ったので夏競馬の平坦コース向きということなのでしょう。先行勢がやりあった展開も向いたといえそうですがとにかく結果を出したので。

 

今週の重賞登録馬は函館記念の3歳キャプテンシー。

登録時出走馬決定順19位の非抽選馬対象。

 

●9位(9位)ディープインパクト(9億3705万8000円)(18勝)

(8億9232万6000)(17勝)

先週はG3七夕賞1勝。出走頭数も少なく本年未だに20勝に届いていませんがそれでもトップ10内をキープしておりこのまま粘り込めば。獲得賞金9億円突破も11位以下との差は大きくありませんが夏競馬の傾向や今週の重賞登録状況などから暫く10位以内は安泰でしょう。ただし2歳戦の獲得賞金なしは確定、3歳馬の出走もほぼない状況から楽観視は全くできないというのが現状のディープインパクトでしょう。

 

G3七夕賞のレッドラディエンスは先行勢がやり合う展開が向いたのも確かですが、そこをじっくり構えて2着に2馬身を付ける差し切りと今回は完勝。安定した成績を残して重賞も初出走で突破しましたが、藤沢和雄厩舎の解散で転厩した友道厩舎所属馬で良く走らせていると。

リーディング観点でも古馬が頑張るしかないディープインパクトにまた1頭貴重な獲得賞金源が加わったり、ヨーホーレイクでも本年は重賞勝利しているので本年ここまで友道厩舎の貢献度は大きいでしょう。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

 

●10位(10位)リオンディーズ(8億9790万5000円)(24勝)

(8億6862万3000円)(23勝)

先週は2勝クラス特別勝ち馬が出て今回も10位をキープ。天皇賞(春)をテーオーロイヤルが勝利してから1週だけ11位以下となった週もありますが7月に入ってもトップ10内を推移しているので非常に健闘しているでしょう。先週唯一の勝ち馬はダート1000mで3連勝の3歳レアグリフォン。

 

今週の重賞に産駒登録なし。

 

・11位以下

11位(11位)ハーツクライ(8億8964万7000円)(32勝)

(8億6276万4000円)(31勝)

先週は4週ぶりに勝ち馬が出て2勝クラス特別の勝利でしたが、リオンディーズも2勝クラス特別戦勝ち馬を出して順位は変わらず獲得賞金差も前回とほぼ変わらなかったので、ともに譲らずといった結果に。

先週はG3七夕賞のボーンディスウェイで賞金加算がほしかったところですが、先行争いに巻き込まれたか着外。

 

ハーツクライのプラスとなりそうな話題としてドウデュースが登録もある仏G1凱旋門賞は出走せず秋3戦は国内戦で引退予定という報も。昨年と同じく天皇賞(春)・ジャパンカップ・有馬記念ということでしょうから、昨年は有馬記念を勝利したように全て勝利すれば12億以上なのでそこまでは可能性も残ると。現状の獲得賞金差からはそこまでやらずとも逆転トップ10入りは可能ですが。

 

今週の重賞登録馬は函館記念のチャックネイト。天皇賞(春)14着からですが本年も登録されている22年函館記念勝ち馬ハヤヤッコが天皇賞(春)15着からなので、もう少し距離はほしい気もしますが距離短縮自体はプラスでしょう。想定はテン乗りの佐々木大輔。重賞未勝利ですがローカルを中心に乗れている騎手なので。

 

函館記念他の有力馬は復調気配のオニャンコポン、23年G2札幌記念2着でG1菊花賞14着以来のトップナイフ、22年勝ち馬で昨年5着の白毛馬ハヤヤッコ、OP巴賞1着ホウオウビスケッツ、G3中山金杯勝利のリカンカブールなど。

 

函館2歳Sは1勝馬の争いですが未勝利馬も2/5抽選で出走は可能。

注目としてはトップ10内も狙えるという意味も含め12位キタサンブラック産駒サトノカルナバル。東京芝1400mの新馬戦を同着の2着馬に7馬身差と圧勝して来ましたが、函館芝1200m組というか函館以外の場で出走した組は苦戦傾向にあり関東馬の勝利も過去10年で20年の10番人気リンゴアメのみ。このようなデータおなじみの11年前は関東馬勝利なのですが、過去20年まで広げても関東馬の勝利は3頭のみで基本的には関西馬優位の傾向。11年前も牝馬クリスマスの勝利でサトノカルナバルも該当する関東牡馬の勝利となれば三浦皇成重賞初勝利の08年フィフスペトルまで遡ることに。サトノカルナバル想定はこちらも佐々木大輔でチャックネイト・サトノカルナバルともに堀厩舎所属馬。

 

本年のセレクトセール開催中に記載していますがキタサンブラック産駒もかなりの高額で取引されているようでトップ10内復帰も将来的には確定的でしょう。本年も差は開いていないのでまだ届く状況にありますし上記ハーツクライのドウデュースが秋古馬三冠で無双するようなことでもなければリオンディーズも含め10~12位種牡馬で最上位となるのはキタサンブラック有力でしょう。

 

・2歳戦

1位(1位)キズナ(4245万)(4勝)

2位(2位)モーリス(3515万)(4勝)

3位(3位)ナダル(3102万)(3勝)※新種牡馬

4位(6位)エピファネイア(2994万)(2勝)

5位(26位)アドマイヤマーズ(2932万)(3勝)※新種牡馬

6位(4位)タワーオブロンドン(2804万)(2勝)※新種牡馬 

7位(5位)リオンディーズ(2140万)(2勝)

8位(19位)デクラレーションオブウォー(2118万)(2勝)

9位(8位)バゴ(1912万)(2勝)

10位(7位)アレスバローズ(1730万)(2勝)

10位(19位)サートゥルナーリア(1730万)(2勝)※新種牡馬

12位(16位)ウインブライト(1729万)(2勝)※新種牡馬

13位(10位)キタサンブラック(1620万)(2勝)

14位(13位)ビッグアーサー(1537万)(1勝)

15位(37位)ブリックスアンドモルタル(1530万)(1勝)

16位(9位)モズアスコット(1482万)(1勝)※新種牡馬

17位(39位)ミスターメロディ(1450万)(1勝)※新種牡馬

18位(10位)キングマン(1440万)(2勝)

19位(12位)サトノアラジン(1342万)(2勝)

20位(44位)サトノダイヤモンド(1292万)(1勝)

 

土曜終了時点ではモーリスが首位だったのですが日曜の函館でキズナ産駒の新馬戦勝利などもあって今回の集計時トップもキズナということに勝利回数はキズナ・モーリスの4がトップ。新種牡馬の活躍が本年も顕著ですが、ここまで勝ち馬の出ていなかったアドマイヤマーズから3頭勝ち馬が出て先週は3レース4頭出走の3勝。うち2勝は芝1800mとマイル以下のような気もしましたが少ないサンプルながら中距離適性もあるようなここまでの勝ち上がり。セレクトセール直前の週間でキャンペーン的にやったのかも知れませんが新種牡馬リーディング争いの一角に。先週は新種牡馬ミスターメロディからも勝ち馬。

 

注目馬としては1800mで勝ち上がった馬で小倉芝1800mを勝利のエピファネイア産駒ジョバンニは強かったのですが2着の同じくエピファネイア産駒バズアップビートがまだ緩く、3着ダノンシーマはレースに行ってゲートは出ず口向きも悪くコーナーも曲がれないような感じでこれらの有力馬に仕上がり度で勝ったようなレース。昨年のセレクトセール直前は中京実施で芝2000m戦をエピファネイア産駒ミカエルパシャに逃げ切らせセールのキャンペーンに使われたようなレース。クラシックでステレンボッシュやダノンデサイルの活躍もあって本年の産駒にそのような必要もないのでしょうが初戦だけで高評価してしまうのも。

 

もう1頭馬名を挙げると函館芝1800mの新馬戦を勝利したキズナ産駒マジックサンズ。スローを早めに動くというかスピードの違いで4コーナー付近で先団に取り付き直線では突き放して2着に2馬身差の差し切り、強かったのですが佐々木大輔の騎乗で、乗れている騎手ですが最後までファイトするような小回りを早めに動き押し切るようなスタイル。実際に小回りの函館なのでただ勝つだけならばこれで良いのでしょうが人馬ともにこれで中央主場のクラシックや大きなレースを勝てるかとなると疑問も。非常に有望な騎手なのでローカル開催で顔を売って主場開催で活躍してほしい1人。ソダシなど北海道地区の芝1800mで素質馬をデビューさせる須貝厩舎所属馬で昨年の該当レースはレガレイラが勝利など推せる要素も多いのですが、2戦目以降を見たいという有り体の評価にとどめます。

 

・母の父部門

(前回)

1位ディープインパクト 24億2394万4000円

2位キングカメハメハ  20億6944万8000円

3位マンハッタンカフェ 14億5618万円

4位クロフネ      10億9789万4000円

5位シンボリクリスエス 9億498万8000円

 

(今回)

1位ディープインパクト 24億7958万円

2位キングカメハメハ  21億6922万4000円

3位マンハッタンカフェ 14億7718万円

4位クロフネ      11億1626万4000円

5位シンボリクリスエス 9億1768万8000円

 

首位ディープインパクトは2勝クラス特別など3勝。前回から5500万ほど加算で首位キープ。

2位キングカメハメハは2勝クラス特別など6勝、G3七夕賞3着ノッキングポイント、G3プロキオンS4着ハピの重賞入着などもあって前回からほぼ1億円加算の獲得賞金21億円突破。年間勝利回数は100を突破して現在104(同部門首位ディープインパクトは108)、先週はG3七夕賞キングズパレス、G3プロキオンSスレイマンと産駒がいずれも2着。

3位マンハッタンカフェは1勝クラス2勝。

4位クロフネは新馬1勝、G3プロキオンS5着ゲンパチルシファーの入着などもあって前回200万円ほどに迫っていた獲得賞金11億円突破。

5位シンボリクリスエスは2歳未勝利1勝。先週の勝利は土曜福島1レース2歳未勝利9頭立て9番人気バセリーナによるもの。

 

・七夕賞

父ディープインパクトのレッドラディエンスが勝利、母の父ジャンプスタートは111位。

母の父ジャンプスタートは本年重賞初制覇で23年から2年連続重賞制覇、通算2勝。

重賞制覇は23年G3クイーンCハーパー以来。

七夕賞は初制覇でレッドラディエンスは2頭目の中央重賞勝ち馬。

 

・プロキオンS

父ジャスタウェイのヤマニンウルスが勝利、母の父スウェプトオーヴァーボードは39位。

母の父スウェプトオーヴァーボードは本年重賞初制覇、通算3勝。

重賞制覇は20年G2京都大賞典グローリーヴェイズ以来。

プロキオンSは初制覇でヤマニンウルスは2頭目の中央重賞勝ち馬。