週中競馬記事(2024年6月11日)~リーディングサイアー展望・回顧~ | ブログ

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先週に引き続き京都・東京・函館の3場開催

重賞はG3マーメイドS実施週

 

●1位(1位)キズナ(22億7241万7000円)(89勝)

(21億7992万4000円)(83勝

先週は特別戦3勝を含む6勝、とはいえ2勝クラス特な別2勝、1勝クラス特別1勝の特別戦3勝と出走頭数で押し切った週間という印象も否めなくもないのですが、それもリーディング獲得に際し大きなファクターで2位との差も広げ首位を走っいるので順調と見て良いでしょう。別の視点もあるのですがそれは2位ロードカナロア項にて。

 

マーメイドSにはアリスヴェリテ、ベリーヴィーナスが登録。

アリスヴェリテは京都芝2000mの2勝クラス勝利から。前走は平場戦を減量騎手器用で勝っていますが通常年の阪神内回りではなく京都内回りなので他に小倉で勝利と平坦よりの本馬には阪神開催より向くのかも知れません。2歳時にはOP野路菊Sでファントムシーフの2着、G3アルテミスSでは1着ラヴェル・2着リバティアイランドの3着で後の三冠牝馬リバティアイランドに不利があったとはいえ同タイムで駆けているので格上挑戦といっても侮れない存在とも。本年のヴィクトリアマイルを6歳で勝利したテンハッピーローズがこのような存在でしたが。想定は永島まなみ。前日の3勝クラス保津峡Sにも登録。

ベリーヴィーナスは芝2000mの牝馬限定2勝クラス特別・3勝クラス特別を連勝中。連勝は阪神・京都なので本来の阪神実施でも本年の京都実施でも問題なさそうなタイプですが坂やらコース形状よりもハナを切って踏ん張るというか最後の直線で突かれもうひと踏ん張りするような競馬ぶりなので逃げて最後に一気に切れられるような展開にならなければ、上り時計を要した方が良いといったことになるでしょうか。想定は藤懸貴志の継続で21年マーメイドS10番人気シャムロックの勝利騎手。

 

●2位(2位)ロードカナロア(20億1308万3000円)(88勝)

(19億2485万1000円)(83勝)

先週はG3函館スプリントSなど5勝で獲得賞金20億円突破。総合記事でも書きましたがロードカナロアの獲得賞金20億円突破は昨年も函館スプリントSを勝利した週間で同じようなペースで昨年はドゥラメンテを抑え首位でしたが本年はキズナがそれを上回るペースでロードカナロアが落ちたというよりもキズナが好調な本年とあらためて。

 

問題は函館スプリントSでキズナ産駒の1番人気アサカラキングが着外に敗れロードカナロア産駒サトノレーヴが勝利し、週間もう1つ実施の重賞エプソムCではどちらも賞金加算がなかったにも関わらず週間の獲得賞金ではキズナが上回ったということで、こうなってはロードカナロアが苦しくなる一方でしょう。時系列としてはサトノレーヴでロードカナロアが差を詰めたような形でここをアサカラキングで叩けなかったキズナと見るかサトノレーヴで叩いたロードカナロアと見るかでしょう。スプリンターズSに向けての分水嶺となる気もしますがそれは秋になってからということで。2週前登録のあった宝塚記念も対キズナではロードカナロア優勢な気もしますがそれも次回ということに。

 

勝利したサトノレーヴに関しては枠順なども良かったと思うのですが数を使えないようなので、そこがどうかでしょう。これで賞金も加算したのでG1も出られるでしょうしサマースプリントシリーズに注力して本番の秋G1には余力がなくなるような陣営でもないとは見ますが。

 

マーメイドSには産駒登録なし。

 

●3位(3位)エピファネイア(17億9593万2000円)(44勝)

(17億7605万8000円)(44勝)

3場開催に戻っても未勝利ということでG1の一発はありますがエピファネイア逆転リーディングには秋のジャパンカップ、有馬記念をどちらも勝つなどそのような条件が課せられているのかも知れません。現状ではそのどちらかを勝てば追い付きますが、勝利回数が2強のほぼ半分なのでここをもう少し詰められればとなるでしょうか。

 

マーメイドSには産駒登録なし。

 

●4位(4位)ドゥラメンテ(10億7397万3000円)(52勝)

(10億6029万7000円)(52勝)

ドゥラメンテも未勝利週で上位を追走するというよりはハービンジャーやルーラーシップをなんとか凌いでいるような獲得賞金差。

 

マーメイドSにはゴールドエクリプス、セントカメリアが登録。

ゴールドエクリプスはG2阪神牝馬S8着から。前走は相手も強くG1エリザベス女王杯で距離が長く直線で失速したための距離短縮とも思われますがマイルよりは2000m、勝利は1800mでしかないので内回りで1ハロンをどう我慢させるか。エリザベス女王杯にしても負担重量でアドバンテージがある3歳が勝利した内枠決着のようなレースを外枠から正攻法で叩き潰しに行って返り討ちにあったような大敗なので、もう少し上手く立ち回れば。昨年のマーメイドSは2勝クラス勝利からハンデ51キロで挑み4着。想定はテン乗りの幸英明。

セントカメリアは昨年12月の3勝クラス勝利から挑んだG3愛知杯は9着。前走はそれ以来の4ヶ月ぶりとなったOP(L)都大路Sで3着。こちらは全4勝が芝2000mなので前走から距離延長も良いとは思うのですが中京2勝・阪神2勝の4勝なので通常の阪神実施の方が良かったような気も。京都にしても2走のみで3勝クラスは早めに動いて愛知杯を勝利するミッキーゴージャスに0秒4差、前走も牡馬相手のリステッドレースで0秒5差3着なので京都芝[0-0-1-1]という見た目の数字ほど悪くないとも。

 

●5位(5位)ハービンジャー(10億6903万4000円)(36勝)

(10億3699万8000円)(35勝)

先週は未勝利1勝でしたがG3エプソムCで9番人気ニシノスーベニア2着で4位ドゥラメンテに迫る形の5位キープ。

 

ニシノスーベニアは芝1800m戦初出走の好走でサマーマイルよりは、これならばサマー2000mシリーズでも。崩れないタイプなのでシリーズに参戦すれば、どこかで1つ勝って優勝も狙えるとは見ますが。

 

マーメイドSにはエーデルブルーメ、キミノナハマリアが登録。

エーデルブルーメは3勝クラスダイワスカーレットC1着から。これまで15戦して[4-4-4-3]という成績なので4着以下なら[4-4-4-4]となりますが15戦中14戦は芝2000mで1戦のみ芝1800mなので2000mベストというか他の距離の適性が定かではありませんが、ここは2000m戦なので。祖母ビワハイジのSchwarzgold一族で福永祐一厩舎に想定は川田将雅で人気も集めそうですが有力候補の1頭という評価で。

キミノナハマリアは登録時1/5抽選で出走可能。前走はG3福島牝馬Sに格上挑戦も落馬競走中止馬の影響もあって大きく敗れてしまったものでこの結果自体は参考外で精神的なダメージなどがなければ。2勝クラス特別は京都芝2000mで勝利しており昨年のG2紫苑S4着という実績も、とにかく出走枠に入らないことには。

昨年マーメイドS11着ヒヅルジョウは登録時非抽選馬対象。

 

●6位(6位)ルーラーシップ(10億1820万1000円)(43勝)

(10億315万1000円)(42勝)

先週は障害未勝利1勝。ルーラーシップらしいともいえますが3場開催としては伸びを欠く週間に。

 

マーメイドSには産駒登録なし。

 

●7位(7位)ドレフォン(9億1760万3000円)(37勝)

(8億8895万2000円)(37勝)

先週は未勝利でしたがOP特別を含め入着馬は多く2800万ほど加算で獲得賞金9億円突破。未勝利の翌週はほぼ勝ち馬を出す、つまり未勝利週は続かない本年のドレフォンですがこれだけ獲得賞金のあった翌週で今週はどうなるでしょうか。

 

マーメイドSには産駒登録なし。

日曜東京メインOPスレイプニルSには1頭産駒登録。

昨年まではG3ユニコーンSが同日に実施されていましたが、東京ダービーのプレップとして京都実施のレースとして移設されたので今週の実施重賞はマーメイドSのみということに。そのユニコーンSワン・ツーが東京ダービーでもワン・ツーと、この結果のみを考慮すれば3歳ダート三冠における改革元年の番組変更に一応の成果はあったようにも思いますが。

 

・ダートランキング

1位ドレフォン   6億7433万7000円

2位ロードカナロア 5億9572万7000円

3位ヘニーヒューズ 5億8628万4000円

 

上位3頭の順位は前回と変わらず

 

●8位(11位)モーリス(8億3959万1000円)(38勝)

(7億7520万8000円)(34勝)

先週は2勝クラス特別など2勝で獲得賞金8億円突破。1週で11位以下から戻って獲得賞金差は少なかったこともあって8位の復帰ですがハービンジャーやルーラーシップが5位争いをするのではなく本来はモーリスがそこにいてもおかしくはないので。

 

先週の勝ち馬では京都ダート1400mの2勝クラス長浜特別を勝利したテイエムリステットに注目でしょうか。3歳なので55キロで出走し58キロの古馬勢を相手に逃げ切っただけとも取れますがダートでは初ダートのキャリア2走目のみ3着の[3-0-1-0]、そのダートも1400mしか走っていませんがまだ底を見せていないといったことで、次走は3勝クラスになると思われますが引き続き期待を。

 

マーメイドSにはピピオラが登録。

登録時1/5抽選の1頭で2勝クラスは昨夏の小倉芝2000mで勝利しG1秋華賞にも出走(16着)。近走はマイル近辺で出走しており前日の東京メイン芝1400mの3勝クラス多摩川Sにも登録。マーメイドSの想定は田口貫太。

 

●9位(8位)ディープインパクト(8億2147万5000円)(17勝)

(8億1497万5000円)(17勝)

先週は未勝利。G3エプソムCには5頭産駒出走でサイルーンのみ4着入着でしたが先週の賞金加算もサイルーン分のみ。エプソムCには4歳世代の出走もありましたがほぼ5歳上のみの出走と苦しいのですが宝塚記念の2週前登録には有力馬もエントリーしており、そこで大きな獲得賞金を得るしかないでしょう。

 

マーメイドSにはジュリアバローズが登録。

登録時は非抽選馬対象。

 

●10位(10位)ハーツクライ(8億1457万円)(31勝)

(7億8030万5000円)(28勝)

先週は未勝利3勝で獲得賞金8億円突破。リオンディーズを僅かに逆転して順位は前回と変わらず。先週勝利した3頭はいずれも良血どころか、超の付くような良血で本来はクラシック戦線などに出なければいけないような存在に思えますがこれから良くなるハーツクライ産駒かも知れませんし時期的にも未勝利を脱出したのは大きいでしょう。最終世代ですし頑張ってほしいものです。

 

マーメイドSにはアレグロモデラート、インザオベーションが登録。

いずれも3勝クラスパールSからの登録時1/5抽選対象。アレグロモデラートは酒井学、インザオベーションは荻野極の想定。2頭ともに前日の3勝クラス保津峡Sにも登録。

 

・11位以下

リオンディーズは久しぶりに勝ち馬を出しG3函館スプリントSでも入着はありましたが5着の入着ということもあってハーツクライに逆転されトップ10内から陥落。10位ハーツクライとは260万、9位ディープインパクトとも1000万を割り込む差でその2頭は2歳戦の出走もなく逆転できそうですがディープインパクト項で書いたように宝塚記念に有力馬の登録があり、特にハーツクライの方はドウデュースがファン投票1位で出走予定など古馬勢が強いので。リオンディーズもテーオーロイヤルはいますが軽度の骨折とはいえ休養中で復帰しても次走は海外G1となりそうなので。土曜阪神メインOP(L)米子Sにはディオなど2頭登録され今週はここもチャンスと見ますが。

 

マーメイドSではG3福島牝馬S1着から出走のコスタボニータ、OP(L)都大路S4着からのピンハイ、G1大阪杯14着からの本年G3愛知杯勝ち馬ミッキーゴージャス、G3中山牝馬S11着からのラヴェルなど。

軽ハンデ馬の台頭が多く、とにかく荒れるG1の間にある夏の牝馬限定ハンデ重賞という印象でしたがハンデを機械的に設定するようになってからの近2年は前走重賞およびOPクラス出走馬が上位3頭を占めておりレース傾向がそのように変わったとも。ハンデはコスタボニータ56キロ、ピンハイ54キロ、ミッキーゴージャスはトップハンデ56.5キロ、ラヴェル54キロ。

傾向が変わったというよりは別定戦当時の05年以前の勝ち馬にはエアグルーヴ、エリモエクセル、フサイチエアデール、ヤマカツスズラン、ローズバド、アドマイヤグルーヴ、ダイワエルシエーロといった名牝が居並び、そこまでは行かないとしても実績馬が勝利する傾向に戻りつつあるとも。

 

キングカメハメハ産駒はエリカヴィータ、タガノパッションが登録し2頭ともG3福島牝馬Sから。宝塚記念にも登録馬があり結果次第ではまだトップ10内も狙えますが、先週2024年度の顕彰馬にコントレイルと共に選定。

リーディングサイアー記事を書き続けている上で述べますとキングカメハメハが選定されないというのは有り得ないことなので間に合って良かったとそれだけです。産駒のロードカナロア、その産駒アーモンドアイも既に選定されているので。

 

 

・2歳部門

1位(6位)ナダル(1730万)(2勝)※新種牡馬

2位(1位)キズナ(1010万)(1勝) 

2位(6位)サートゥルナーリア(1010万)(1勝)※新種牡馬

4位(2位)スワーヴリチャード(902万)(1勝)

5位(6位)タワーオブロンドン(870万)※新種牡馬 

6位(ー)キタサンブラック(720万)(1勝)

6位(3位)キングマン(720万)(1勝)

6位(3位)シスキン(720万)(1勝)※新種牡馬

6位(3位)バゴ(720万)(1勝)

6位(ー)オルフェーヴル(720万)(1勝)

 

6位(ー)マインドユアビスケッツ(720万)(1勝)

12位(6位)アドマイヤマーズ(580万)※新種牡馬

13位(15位)ブリックスアンドモルタル(400万)

14位(15位)イスラボニータ(290万)

14位(15位)ウインブライト(290万)※新種牡馬

14位(6位)グレーターロンドン(290万)

14位(ー)ビッグアーサー(290万)

14位(ー)ミスターメロディ(290万)※新種牡馬

14位(ー)ルヴァンスレーヴ(290万)※新種牡馬

20位(ー)サトノダイヤモンド(252万)

 

新種牡馬の活躍が目立ち先週2勝のナダルがトップ。新種牡馬リーディングの大本命サートゥルナーリアからも勝ち馬が出て上位に。序盤で順位などは語る段階でもないのですが上位にいる分には問題なく仕上がりも良く早期からも走るということでしょう。

 

注目馬は勝ち馬が中心ですが日曜東京芝1800mで勝利のキタサンブラック産駒クロワデュノール。同じレースに出走したブラックセイバーの方に注目していましたがこちらは10着と大きく敗れクロワデュノールの方だったと。2着は2馬身半離されましたが母チェッキーノでノッキングポイント、昨年のオークス勝ち馬チェルヴィニアの下となるアルレッキーノ。父がブリックスアンドモルタルなので疑問視しましたが離されたとはいえ3着は4馬身切ったので。クリストフ・ルメールのコメントによると短距離向きとのこと。

 

土曜東京芝1600mの勝ち馬はサートゥルナーリア産駒の牝馬コートアリシアン。ゲートの出が悪く他馬に寄られましたがリカバーして中位から進め最後は5馬身差の差し切り。このレースは1番人気のキズナ産駒グラフレナートが全く動けず8頭立て6着など怪しい面もありますが、これだけ離して差し切ったので。

 

他では芝1200mの勝ち馬ですが京都芝1200mを差し切ったナダル産駒の牝馬ポートデラメール。祖母ドバイマジェスティでもう少し距離があっても。ナダル産駒は芝でも走るということでしょう。

 

もう1頭は函館芝1200mを8番人気で勝利したオルフェーヴル産駒の牝馬エメラヴィ。先行2頭を3番手から函館の開幕種で差し切って2馬身半差の勝利。少しクビが高い感じでそこを横山武史が上手くカバーした印象もありますが、抜けてからのフットワークが抜群で成長次第では大きいところでも。ここを使って完勝したということから当然G3函館2歳Sの有力候補でしょう。開幕週の早い時計で勝って連続開催最終日の馬場に対応できず2歳Sで敗れるケースも多々ありますが、本年は良馬場でしたが時計の出る馬場といった感じでもなくその点でも大丈夫でしょうし順調に出走するようなら。

 

 

・母の父部門

(今回)

1位ディープインパクト 20億9639万4000円

2位キングカメハメハ  18億157万1000円

3位マンハッタンカフェ 13億3176万2000円

4位クロフネ      9億1290万8000円

5位シンボリクリスエス 7億9168万4000円

 

(前回)

1位ディープインパクト 21億8900万9000円

2位キングカメハメハ  18億6188万2000円

3位マンハッタンカフェ 13億4846万2000円

4位クロフネ      9億7961万6000円

5位シンボリクリスエス 8億3000万6000円

 

首位ディープインパクトは3勝クラスなど7勝で獲得賞金21億円突破。2歳リーディングでトップとなった新種牡馬ナダル産駒の2勝はいずれも母の父ディープインパクト。

2位キングカメハメハは2勝クラス特別など2勝。ダートOP三宮Sではデシエルトが3着。

3位マンハッタンカフェは未勝利1勝。

4位クロフネは3勝クラス特別など3勝。3勝クラス水無月Sのワールドエース産駒ジュンブロッサムは2着に3馬身差、京都芝1600mを1分31秒5で勝利のOP入り。

5位シンボリクリスエスは2歳新馬戦など3勝で獲得賞金8億円突破。前記エメラヴィの母の父はシンボリクリスエス。

 

・エプソムC

父リアルスティールのレーベンスティールが勝利、母の父トウカイテイオーは132位。

母の父トウカイテイオーは本年重賞初制覇で23年から2年連続重賞制覇、通算7勝。

重賞制覇は23年G2セントライト記念レーベンスティール以来。

エプソムCは初制覇。

 

・函館スプリントS

父ロードカナロアのサトノレーヴが勝利、母の父サクラバクシンオーは14位。

母の父サクラバクシンオーはG2青葉賞シュガークン以来の本年重賞2勝、通算29勝。

函館スプリントSは21年ビアンフェ以来2勝目。

函館スプリントSは04・05年シーイズトウショウで産駒勝利しており同一重賞父・母の父制覇達成済。