大橋 晃朗先生の回顧展が開催されます。 | ARSNOVA 銀座 オーダーメイド リフォーム ジュエリー 選び抜いた美しい宝石

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Bijou de ARSNOVA Ginza,Tokyo Est.1984
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 私の大学時代の師匠である

「大橋 晃朗」先生の回顧展が開催されます。


私は「東京造形大学デザイン学部Ⅱ類家具コース」という

まさしく家具が専門のところで勉強をしていたのです。

大橋先生の存在なくして「家具コース」なんていうことは

成り立たないのではないかと思います。


私が今美しいものを見て、美しいと言い切れる・・・

これはどう考えても先生のおかげです。

今は宝石商という仕事についていますが

確固たる『美』の基準は

先生との出会いによってもたらされた宝物であると思っています。


先生の仕事振りの回顧展がどうして開催されないのだろう・・・と

先生が亡くなってからずっと思っていました。

今回ようやくそれが実現をします。


発起人というか、責任者ということになるのでしょうか・・・

建築家の伊東 豊雄氏(表参道のトッズビルなどで非常に有名な方です。

海外での方がはるかに評価は高いと思う。

生前、大橋先生は伊東氏の建築物の家具を頻繁に設計していました。

今のトッズビルに足を踏み入れると先生だったら

どのような家具を設計されたかしら・・・と想像にふけってしまいます。)、

美術評論家の多木 浩二氏、

また建築家の坂本 一成氏

このお三方がお名前を並べられていることを考えても

非常に充実した回顧展になることは間違いないと思います。


「デザイナー」世間にはこの肩書きを名乗る人で溢れています。

私も先生との出会いがなかったら、

軽々しく「デザイナー」と名乗っていたかも知れません。

しかし、先生の純粋であまりにもストイックな仕事への情熱を

理解してからはそういうことはできなくなりました。

「ずっと先ではない、近未来を正しく想定できる人が

優秀なデザイナーである。」

これは印象に残っている先生の言葉です。


またプレゼンテーション用の写真の撮影に躊躇している

私に向かって言われたことは

「デザイナーというのはね、

何をしても、たとえば写真を撮影しても

文章を書いてもプロ並み、或いはプロ以上の

出来でなくてはいけないよ。

君のやり方で撮影をしてごらん。」との言葉。

ずっとずっとずしんと心の底にある言葉です。


日常お客様にジュエリーをご紹介するために

またはブログ上、ホームページ上にUPするために

たくさんの写真を撮影しますが、

私の心の中にはいつもこの言葉が響いているのです。


卒業後先生のアトリエで勉強を重ね、

一人前の家具デザイナーになることが

大学時代の私の夢でした。


大学3年の時の先生の死の衝撃は

あまりにも大きかったけれど、

そのことがなければ

私は今の仕事をしていないのかも知れないと思うと

とても不思議な感覚に襲われます。


先生の回顧展の詳細はこちら⇒http://www.toto.co.jp/gallerma/ex060916/


シンポジウムも開催されるようですので

本当に楽しみです。