The Complete:It's Alright!
60年代に活動を開始したバンドThe Rockin' Vickersの
シングルの集めたコンピレーション盤です。
更に未発表となっていた作品をも収録した
まさにコンプリートな一枚。
というかこのグループのCDって現在コレしかリリースされていないのかも？
60年代らしくリリースした作品のほとんどがシングルだったみたいだし。
さて、このバンドをチェックしてみたくなったきっかけは
映画極悪レミーを観て、レミー・キルミスターが
二代目ギタリストとして1965年から1967年の二年間
在籍していたという話を知ったからです。
ちなみにバンドはレミーが脱退した後も90年代半ばまで
パブやキャバレーで演奏していたそうです。
いわゆるスタンダード曲やカバーをメインに
レパートリーとしていたバンドのようです。
活動していた頃にリリースされたと思しき作品は
1964年:I Go Ape/Someone Like You
1965年:Zing!Went The Strings Of My Heart/Stella
1966年：It's Alright/Stay By Me
Dandy/I Don't Need Your Kind
の計4枚のシングル。
この8曲に加えて未発表となっている6曲を加えた構成です。
4枚目のシングルのA面のDandyはKinksの楽曲のカバー。
オリジナルは1966年に発売されたKinksの4枚目
Face To Faceに収録されています。
ここからちょっと極悪レミーのパンフレットに寄稿された
大越よしはる氏のコメントを拝借しながら説明しますと
Zing! Went The Strings Of My Heart/Stellaは
レミーが19歳の頃、プロとしては初音源。
バンドにとっては2枚目のシングルで
フィンランド限定でのリリースだったそうです。
そしてIt's Alright/Stay By Meは
CBSと契約しての初シングル。
プロデュースは後のThe Whoの作品でお馴染みのグリン・ジョーンズ。
It's Alrightはピート・タウンゼントの書き下ろしとなっていたが
実際にはThe WhoのThe Kids Are Alrightの替え歌みたいな曲。
Dandyは前述の通りKinksのカバーであり、プロデュースは
シェル・タルミーによるもの。
ビルボードの全米チャートで93位という健闘ぶりを見せたそうです。
そしてやはりこの作品でRockin Vickersの全作品が聴けるそうです。
さすがコンプリートのタイトルに偽りなしですね。
聴いてみた感じはやはり60年代のビート・グループという感じの音で
レミー参加の曲ではかなりフレッシュなギターを聴く事ができます。
ギタリストとしてキャリアをスタートさせた事が
後のベースプレイのスタイルにかなり影響を与えただろうし
そのおかげでまさにワン・アンド・オンリーと言うべく
サウンドを手に入れる事ができたんだろうなって思う。
ベースのレッスンもまともに受けた事はないし
自分の事はリズム・ギタリストだ！と言いきっている
ベーシストもそうそういないだろうね。
今はレミーのフォロワーとかも出て来ているし
新しい感じというのは無いかも知れないけど
当時にしてみればかなり衝撃的だったに違いないと思う。
しかしまぁホント人に歴史あり！というのを目の当たりにできる作品です。
ジャケットのライナーノーツに掲載されている
当時の写真を見ると余計にそう思うよ。
一番右がレミーでしょう、恐らく。
♪Rockin' Vickers/Dandy
♪Rockin' Vickers/Zing! Went The Strings Of My Heart
年の瀬にイイ発見が出来て良かった。
新年早々に届くであろうSam Gopalのアルバムが楽しみです。
レミーがRockin' Vickersの後に参加するバンドですね。
さて、2010年もいよいよ残すところあと一日となりました。
明日の今年最後の更新は俺なりに一年を振り返ってみようと思います。