人に何かを依頼する。
人に何かを指摘する。
人の提案に対し意見を述べる。
人に指示をする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人は数多くの場面で人に何かを頼んだり、人に何かを指示したり、意見を述べることがある。
その時、自分では気づかないが、相手に不愉快な言い方をしているために相手から誤解されることがあるのです。
最近こんな話を聞きました。
仮にその人をAさんとしよう。
Aさんからある会社に仕事の発注があった。
その仕事を担当したBくんが書いたイベントの企画書や作成するチラシ等、当然のことだがBくんは逐一Aさんに校正原稿を送ります。
結果的にはBくんに非があるのだが、校正をした後Aさんは、必ず一言付け加えてくる。
それもメールで。
OOOOOが違います。
OOOOOが抜けています。
校正ですから当然こういったやりとりがあります。
その後に
「こんな初歩的な間違いがある台本(企画書)を校正と称して送らないでください。もっとそちらで詰めてから送ってください。他の人もチェックしているのですか?こっちも忙しいんだから!」
こんな返信メールが返ってきたのです。
確かにAさんは正しい。
けれど次のような言い方だったらどうでしょう。
「以上、校正しましたが、もう少し御社のほうで詰めてから原稿を送ってもらえれば、こちらも時間の節約ができ助かります。次回からよろしくお願いします。」
これだと受け取る側は随分印象が違うと思います。
次から間違えないようにしようと思います。
人は上から目線で注意されたり、指示されると無条件に反発する生き物なのです。
人の心を動かし、自分が意図する目標に誘導するためには、相手の立場に立った言い方というのがとても重要だということです。
ある企業の営業セクションで、20人以上の部下の交通費の伝票を半日がかりでチェックし、部下が書いた経路の交通費が違うことを見つけては部下を呼んで間違いを正す部長がいるそうです。
「Sくん、この経路の金額が10円違う。伝票を書き直してください。」
確かにこの部長の指摘は正しい。
でも、これが部長という立場の人が半日がかりでやる仕事なのでしょうか?
こうなると、部長の指摘が正しいとか正しくないとかではなく、
「あの部長細かいな~。でも、あんなの部長のやる仕事じゃねえよ。もっと部長らしい仕事をしてほしいよな~」
なんて批判が飲み会の席で渦巻くのです。
これも一例です。
言っていることや指摘していることは正しいが、果たして言い方が上から目線でないか、果たしてその指摘が自分の役職に相応しいか、などを常に検証する必要があります。
最近の飲み会の席で長い付き合いのある女性が、私の先輩が数年前にその女性に放った一言をしっかり覚えていて、酒が進むうちに悔しくなったのか涙ながらに私に訴えてきたのです。
怖い話でしょう?
私は人に何かを伝える前に、人の話をできるだけ聞くように心がけています。
Listen First!です。
こんな本もあります。
- リッスン・ファースト! ソーシャルリスニングの教科書/スティーブン・D・ラパポート
- ¥2,310
- Amazon.co.jp