何よりも、キャリー・マリガンが素晴らしい!
「17歳の肖像」 についての映画評、特に日本経済新聞での映画評でベタ褒めされていました。
注目されたのは、この作品が無名の女優キャリー・マリガン主演であるにもかかわらず、今年のアカデミー作品賞、主演女優賞にノミネートされたことがきっかけでしょう。
確かにそうでしょうが、その時ですら、私は特に関心や興味はありませんでした。
が・・・・・・しかし・・・・・・・ベタ褒めです。
気にならないほうがおかしいですよね。
そして観ました!
素晴らしい!
最高!
チャーミング!
第一の魅力はオードリー・ヘップバーンの再来(そこまで言うか・・・)と言われたキャリー・マリガンの超チャーミングな魅力と演技です。
次は、1961年という時代の描き方です。
この辺りが音楽を上手く使いながら丁寧に演出しています。
この描写が私のような世代を嬉しくさせてくれるのです。
ストーリーはいたってシンプル。
主人公のジェニーはオックスフォード大学を目指す優秀な17歳の女子高生です。
フランスに憧れ、自宅ではグレコやブレルのシャンソンを聴きながらフランス語を勉強している普通の女子高生。
その彼女が雨降るある日、自分の年の倍くらいのオカネ持ち風のオジサンに声をかけられ、自宅まで送られるのですが、この時のオジサンの若い娘の誘い方の上手さ・・・・・・・オトナのテクニックです。
この映画にはこういうオトナのテクニックが随所に盛り込まれています。
彼女はオトナの世界に引き込まれ、いつしか学校の教育に疑問を持ち、遂には学校を退学し、金持ち風(金持ちではなく金持ち風というところがミソです)、実業家風(j実業家ではなく実業家風です)のオジサンと婚約をしてしまうのです。
ここまでが前半戦のストーリーですが、随所に盛り込まれたグレコやメル・トーメ、パーシー・フェイス・オーケストラ等の音楽が映像を引き立てます。
このあたりの描写が素晴らしい。
ところが後半、ストーリーが思わぬ方向に進展していくのです。
映画を観終わって、原題が「An Education」だという意味が分るという仕掛けになっています。
ちなみに、私が学生時代に学んだ不定冠詞「A(=An)」使い方のひとつに、抽象名詞の前につく「A」の使い方というのがありました。
確か、「~ということ」という意味だったと思いますが、どなたかご存知でしょうか?
これが正しければ「An Education」の正確な日本語訳は「教育」ではなく「教育ということ」という意味になるはずです。
「教育というものは・・・・・・・・・」という教訓をこの映画では伝えているのですよ、ということになるのでしょうか。
そんな難しいことはどうでもいい(笑)
そうですね。
キャリー・マリガン(撮影当時24歳)のチャーミングな魅力を存分に楽しんでください。
ところでLapis さんのブログに「いい男(女)の条件」というエントリーがありましたので一部を紹介します。
1.いい男とは、やせ我慢である
2.いい男とは、最後までぶれることがなく自分の信念を貫く
3.いい男とは、愛する者のために自己犠牲も惜しまない
まだまだ、あるのですが、この「いい男の条件」をジェニーが一つでも分っていたならば、金持ち風、実業家風の男になびいていくことはなかったでしょう。
それが若さであり、その経験が教育ということになるのでしょう。
ちなみに、今の私が最も重要視しているのは2番目の「ぶれない」ということです。
私もそんなに強い人間ではありませんが、社内にも上司や経営陣の顔色ばかりをうかがい、右往左往している人間がいます。
でも、間違いありません。
そういう人間は必ず淘汰されます。
信念を曲げない人間というのは、時として冷や飯を食うことがあります。
しかし「禍福は、あざなう縄のごとし」という諺が示すように、成功と不成功は交互にやってくるものだと達観し、ぶれないでいれば評価は必ずついてくるものです。
ネタバレするので、後半のストーーリーは話しませんが、最後はいわゆるハッピーエンドになりますので、ご安心ください。