「フリー/クリス・アンダーソン」読了 | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

刺激的な本を楽しく読み終えました


グーグルに代表されるように今、私たちの周囲には無料のサービスが溢れています。


もちろん今までにもフリーペーパーはあったし、テレビだって「無料」で視聴している。


「フリー」という概念をあまり意識していなかっただけです。


本書もアンダーソンは最初に電子版を無料で公開したし、キンドル用にも無料で配布した。


そして、その後発売された価格のついたハードカバー版もニューヨークタイムズ紙のベストセラーランキングで11位とヒットした。


無料で先行公開したにもかかわらず、リアルの書店でも売れた。


この実験(マーケティング)こそが本書でアンダーソンが伝えたかったことなのです。


フリーについてのアンダーソンの考えを整理したものが巻末にありましたので、紹介します。


「競争市場では、価格は限界費用まで落ちる」


「テクノロジーの限界費用は、年々ゼロに近づいている」


それに加えて


「アイデアからつくられるデジタル商材の開発コストも過激なまでに下がっている」


そのため


「低い限界費用で複製、伝達できる情報は無料になりたがり、限界費用の高い情報は高価になりたがる」


これを身近な「音楽」で検証すると


音楽業界はCDというパッケージ商品からデジタル配信というビジネスモデルに移行した


デジタル配信の開発コストは下がり、パッケージ商品ならば1曲1000円するものが150円で入手できるようになった


アンダーソンの考えによれば限界費用が下がり続ける音楽配信は、やがて限りなく無料に近づく


一方、コンサートライブのように限界費用の高い「情報」は高価になる


だからマドンナのように収益の核をCDの販売からコンサート関連ビジネスに移すアーティストが出てきた。


こういうことになります。


だから中国で横行する海賊版だって無料でPRする仕組みだと許容すれば、その結果知名度の上がったアーティストがコンサートで収益をあげることだってできる。


要はフリーの活用の仕方です。


どうです、頭がスッキリしませんか?


本書にはこのような事例が歴史的考察と共に数多く紹介されています。


久々に面白いビジネス書に出会いました。


閑話休題


行きの飛行機が羽田で1時間遅れの札幌出張。


帰りは千歳空港行きのエアライナーが不通のため、室蘭行きの特急に飛び乗り、南千歳からタクシーで空港へ。


その間にiPhoneで情報収集。


便利でした!


今回の出張、iPhoneを手放せませんでした。


さらに、札幌の飲み屋でうけまくったiPhoneアプリ「HOUR FACE」!!最高です。



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