イラン映画「オフサイドガールズ」の面白さ | ソフィアの森の「人生は、エンタテインメントだ!」

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音楽が好きで、映画が好きで始めたブログですが、広告会社退職後「ビジネスの教訓は、すべて音楽業界に学んだ」を掲載しました。

女の子だってスタジアムで観戦した~い!




イラン映画というもの珍しさと予告編を見た時の可笑しさが頭の中に残っていたので、日比谷のシャンテシネへ。


なんなんだ~、この映画は!


サッカーをスタジアムで観戦したいが故に、男のフリをして何とかスタジアムに潜り込もうとする女の子たちが頑張る映画です。


これを取り締まる警官が面白い。


最初は厳しく取り締まるのだが、


「何で女性がサッカーを見ちゃいけないの?」


と,、実にお素朴な質問で詰め寄られると、実況中継までしてしまうイイ奴たちなんです。


イランでは法律により女性が男性スポーツをスタジアムで観戦することが禁止されているのです。


信じられな~い!!


理由は、スタジアムでサポーターが吐く汚い言葉を女性に聞かせてはいけないからだそうです。


このあたり極めて道徳心が厚いですね。


こんなバカな事を決めたのは、かの有名なホメイニ師です。


ホメイニはイスラム原理主義のシーア派を国教とした政治体制をイランで確立した立役者ですが、ここまで厳しい法律で国民を縛ることはないですよね。


だから厳しいというか、ナンセンスな法律が多く、男女差別が激しい国ですが、近年女性たちが自らの解放を求めて、盛んに活動するようになりました。


だからこんな作品が生まれたのでしょう。


とにかく面白いではなく、可笑しい作品です。


最後には腹を抱えて笑ってしまいました。


この映画は2006年のドイツワールドカップ出場を賭けテヘランで行われたバーレーン戦のスタジアムで収録された作品です。


でもドキュメンタリーではありません!


「チャドルと生きる」でベネチア国際映画祭でグランプリを受賞したイランの名匠ジャファル・パナヒが監督した作品なのです。


イランはこのバーレーン戦に勝ってワールドカップ出場を決めるのですが、この予選4チームには日本もはいっていて、日本が勝ち点15。イランが勝ち点13で共にワールドカップ出場を果たしました。


しかし、折角ワールドカップに出場しながら、アンゴラと引き分けた他は、ポルトガルとメキシコに破れ、イランは第一次予選で姿を消してしまいました。


オフサイドとは「競技のできない位置からプレーする」というのが本来の意味ですが、法律で禁止されているが故に「見ることができないところから、何とか見ようとする」女の子たちは、だから「オフサイドガールズ」なんですね。


映画としての完成度が特に高いとは思えませんが、ナゼか物悲しくも可笑しい映画でした。


でも最後に元気が出てくる映画です!