カラスの飼育 | ひでの徒然『映画』日記

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ひでの徒然『映画』日記-カラスの飼育


Comment:

両親を亡くした三姉妹の次女アナの現実と空想の物語。


「ミツバチのささやき」で圧倒的な存在感で観る者を魅了した少女アナ・トレントが、またまた魅せます。


スペイン、マドリッド。夜中に起き出したアナは2階の寝室から降りて来ると、父アンセルモと女性の声が聞こえてきました。


しかし、様子がおかしい・・・。


アンセルモが呼吸困難となり、亡くなってしまいます。慌てふためく女性は部屋から飛び出すと、アナと目が合いますが、そのまま家から逃げ出してしまいます。


アナは父の寝室に入り、父の様子を窺った後、父が飲みかけの牛乳?が入ったグラスを台所で洗い、他のグラスと混ぜて判らないようにしてしまいます。


そこへ、美しい女性が・・・。アナの母マリアでした。マリアは夜中だというのに起きているアナをやさしく叱り、アナは寝室へ戻るのでした。


父の葬儀。夜の出来事を姉のイレネに伝えると、姉は言います。


「ママはもう死んでいるのに何を言っているの・・・?」


アナは現実と空想の世界に迷い始めるのですが・・・。


もう、とにかくアナ・トレントです(^_^;


彼女無しでは、この作品はありえませんね。彼女の遠くを見つめるまなざしにノック・アウトです・・・って、何だかロリコンのようになってしまいましたが、でも、彼女の無垢な表情が何の特殊効果を使わずとも空想の世界へ誘っているように感じられてしまうのです。


ただ、現実と空想の世界の境界が判り辛かったですね。意図的にしているのかなぁ。


現実のシーン。

空想のシーン。

さらに、大人になったアナが思い出を語るシーン。


3つの世界のストーリーが複雑に絡み合っているので、あれ?これは空想のシーンかな?と考えながら観なければなりませんでした(T_T)


アナは、生前のマリアからある缶を捨てるように命じられます。その缶には白い粉が入っていました。マリアは、それは毒だから捨てて置いてねと言いますが、アナはその缶を捨てずに秘密の隠し場所に取っておいたのです。


ということは、父アンセルモの寝室にあったグラスはアナが父に持って行ったのかなぁ。


愛する母マリアを奪った父を殺すために・・・。


アナは、母マリアの死の原因が父アンセルモにあると思い込んでいましたからね。


そして、その毒を死を願う祖母と殺したい伯母パウリナにも・・・。


監督はカルロス・サウラ。彼の作品を観るのは今回が初めてだと思います。芸術性の高い作品を多く製作しているスペインの監督で、カンヌ国際映画祭やベルリン国際映画祭での評価が高いようです。


ラスト。


大人になったアナはいったい誰に告白しているのでしょうね。


彼女の身に何があったのか?


彼女は大人になっても現実と空想を行き来しているのでしょうね。母マリアが苦悩していたように・・・。



にひひにひひにひひ



Title:

CRÍA CUERVOS


Country:

Spain (1976)


Cast:

(Ana - The Mother)GERALDINE CHAPLIN

(Paulina)MÓNICA RANDALL

(Rosa)FLORINDA CHICO

(Ana)ANA TORRENT

(Anselmo)HÉCTOR ALTERIO

(Nicolás Garontes)GERMÁN COBOS

(Amelia Garontes)MIRTA MILLER

(Abuela)JOSEFINA DÍAZ

(Irene)CONCHITA PÉREZ

(Maite)MAYTE SANCHEZ


Director:

CARLOS SAURA


Awards:

Cannes Film Festival 1976

(Grand Prize of the Jury)CARLOS SAURA



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