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「23」の呪いにとり憑かれた男の恐怖と隠された謎を暴くミステリー。
シリアス・モードのジム・キャリーが魅せます。
動物管理局で働くウォルターはなぜか浮かない顔。捕獲を依頼された捨て犬にも咬まれて逃げられてしまいます。
ウォルターの誕生日。妻アガサとの待ち合わせ場所に遅れると、アガサは本屋で一冊の本を読んでいました。
本のタイトルは「The Number 23」。
アガサは、ウォルターにその本をプレゼントします。そして、その日からウォルターは本を読み続けていくうちに「23」の呪いにとり憑かれてしまうのですが・・・。
現実と本の世界を重ねながら、ウォルターに迫る恐怖を描いたこの作品。
妄想を含まらせて自らを追い込んでしまうあたり、クリスチャン・ベイルが主演した「マシニスト」とイメージが似ています。
「23」が不吉な数字だったとは・・・。ちょっと、こじつけもあったような気もしますが(^_^;
「マシニスト」と異なる点は、主人公一人で解決するのではなく、家族一丸となって謎を暴こうとする点でしょうか。このようなサイコ的な作品は子供などは逃がすのがセオリーだと思うのですが、この作品では息子のロビンが実に行動的。発言力もあり、ウォルターと父と子の固い絆も描かれています。
妻アガサにも謎めいた部分があり、そこも見所の1つですね。
本の世界の主人公フィンガリングは探偵。自殺願望のブロンドの女を説得する依頼を受けますが、このブロンドの女に「23」の呪いがとり憑いていました。そして、説得は失敗に終わり、その呪いはフィンガリングへととり憑いてしまいます。さらに、その呪いはフィンガリングが愛するファブリツィアを殺すように仕向けるのですが・・・。
本を読むウォルターはフィンガリングと自分が似ていることに気付きます。だとしたら、ファブリツィアがアガサだということ。
つまり、自分はそのうち最愛の妻であるアガサを殺してしまうということ・・・。
ウォルターはこの本の著者であるトップシー・クレッツを探し出し真相を究明しようとしますが・・・。
ウォルター役にはジム・キャリー。ロビン・ウィリアムズ然り。トム・ハンクス然り。コメディを演じれる役者はやはり演技が上手いなぁとつくづく思います。彼がコメディ俳優だということを忘れるくらいに苦悩し、恐怖するウォルターを熱演しています。
アガサ役にはヴァージニア・マドセン。ミステリアスなアガサを好演しています。
ラスト。すべての謎は解き明かされます。家族の大きな愛情も描かれていて納得できる展開でした。しかし、「23」の呪いはどうなったのでしょう。ウォルターにのみ呪いがとり憑いていたのなら、呪いなどそもそもなかったのだと考えられるのですが、著者だと思われていたシリウス・リアリーもウォルターと同じように呪いにとり憑かれていたように思うのですが・・・。
「23」の呪いは本当の存在するのか・・・。ラストシーンのウォルターの表情が何とも意味深でした。
Title:
THE NUMBER 23
Country:
USA (2007)
Cast:
(Walter Sparrow/Fingerling)JIM CARREY
(Agatha Sparrow/Fabrizia)VIRGINIA MADSEN
(Robin Sparrow)LOGAN LERMAN
(Isaac French/Dr. Miles Phoenix)DANNY HUSTON
(Suicide Blonde/Mrs. Dobkins/Young Fingerling's Mother)LYNN COLLINS
(Laura Tollins)RHONA MITRA
Director:
JOEL SCHUMACHER
