ぼくを葬る | ひでの徒然『映画』日記

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映画レビューを徒然なるままに書き綴ります。


ぼくを葬る


過去ログ:2007年4月30日(月)

監督:フランソワ・オゾン

キャスト:メルヴィル・プポー、ジャンヌ・モロー、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、ダニエル・デュヴァル

製作:2005年、フランス


フランス、パリ。人気ファッション・フォトグラファー、ロマンは仕事中に突然倒れる。医者の診断はガン。それも手の施しようもなく余命3ヶ月と宣告されてしまう。ロマンは化学療法を断り、家族、恋人、仕事仲間の誰にも伝えず、ただ一人、孤独な死を迎えようとしていた。しかし、ロマンはその3ヶ月で祖母、子供を欲する夫婦らに出会い、「生きることとは」、「愛することとは」を考え始める。


Comment:

フランソワ・オゾン監督が「死」をテーマにした3部作の2作目。


「ぼくを葬る」というタイトルの通り、主人公ロマン自身が自分の死への決意から死までを淡々と描いていきます。しかし、この主人公、かなりの曲者。家族とはほとんど疎遠な状態。平穏な家族の絆を壊します。特に姉への接し方に棘があり過ぎです。


疎遠な理由は、彼がゲイであることも1つの理由のように感じます。しかし、彼は先天的というより後天的なゲイなように描かれています。少年の頃、何らかの理由でゲイになり、仲の良かった姉とも反発していきます。余命3ヶ月の間、度々少年の頃の自分が姿を表し出しますが、確信には触れずにそのままラストを迎えてしまいます。う~ん、ちょっと消化不良。


また違う面で彼がゲイである理由として、おそらく「子供を残せない」という設定にしたかったからなのではないでしょうか。だとしたら、あまりに安直過ぎるかと・・・。


そして、偶然子供を欲する夫婦に出会います。どうやら夫が機能不全のよう。妻がロマンに「かっこいいから」という理由だけで夫の了承の上で抱いてほしいと頼みます。そして、その妻は子供を宿します。って、本当に良いのか・・・。


そして、ラスト。彼はある場所で死を迎えます。少年の頃の自分との出会い。美しい映像。でも、現実を考えると、非常にハタ迷惑・・・。残された家族が非難されそうでかわいそう。


ということで、あまりに身勝手すぎるロマンに余計なことばかり頭によぎり、感動するどころではありませんでした。


すごかったの祖母役のはジャンヌ・モロー。迫力あり過ぎです。もうじき死にそうとは、とても思えません。


「ベッドで寝るときは、いつも裸なの・・・。」・・・ほんとにおばあさんなの?



にひひにひひ