人生は、奇跡の詩 | ひでの徒然『映画』日記

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映画レビューを徒然なるままに書き綴ります。


人生は、奇跡の詩


監督:ロベルト・ベニーニ

キャスト:ロベルト・ベニーニ、ニコレッタ・ブラスキ、ジャン・レノ、トム・ウェイツ

製作:2005年、イタリア


2003年3月、ローマ。大学教授で詩人であるアッティリオは、ヴィットリアという女性に心を奪われ毎晩彼女と結婚する夢を見ていた。ある日、友人の詩人フアドの講演に出席した際、フアドが出版する本の打ち合わせのためヴィットリアも来ていたことに浮かれるアッティリオは、溢れ出る詩に乗せて求婚するもヴィットリアは素っ気ない態度ばかり・・・。


フアドがバグダッドへ帰郷してしまったため、ヴィットリアも仕事のため単身バグダッドへ向かったが、時はイラク戦争開戦直前。ヴィットリアはバグダッドへ着くも爆撃によって負傷してしまい、意識不明の重体となってしまう。


フアドから知らせを聞いたアッティリオは、ローマから戦時中のバグッダッドへ向かおうとするのだが・・・。


Comment:

ロベルト・ベニーニが監督、脚本、主演の3役をこなした作品。


イラク戦争を題材にしてバグダッドを舞台にしていますが、決して重い作品ではなく、詩人アッティリオの一直線の愛をユーモラスに描いたハートフルコメディとして観るべきだなと思います。私は、笑わせて頂きました。


アッティリオにとっては世界情勢や宗教などは意味がなく、彼のすべては詩であり、そして、ヴィットリアなのでしょうね。


アッティリオは流暢な語り口で愛の詩を並べ立てますが、彼には「間」というものがないのか、相手に喋らせる余裕を与えません。もし日常生活の中で彼のような人が近くいたらウンザリしてしまうかもしれませんね。


でも彼の言葉は時に力になるのです。戦時下の病院で入手できない薬を手に入れるため、薬剤師に思いの丈を言葉に乗せて説得します。さらに、意識が戻らないヴィットリアに対しても普段と同じように話しかけ愛の詩を語らいます。そして、彼の言葉によって人は動かされて行くのです。きっと彼自身もまた、自身の言葉によって動かされていたのではないでしょうか。


私も人と話すことで決心が付き、行動できることがあります・・・アッティリオはその極端なタイプなのかもしれませんね。


アッティリオ役のロベルト・ベニーニは元々はスタンダップ・コメディアンだそうです。どおりであのマシンガントークが難なくできるはずです。DVD特典のロベルト・ベニーニのインタービューでも役柄と同様にマシンガントークを炸裂しています。普段からあの話し方なのですね・・・。


フアド役のジャン・レノもアッティリオとは異なる落ち着きのある詩人を好演していましたが、あのラストにするのなら、もう少し彼をストーリー上に絡ませて深みを与えて欲しかったですね。


あと、トム・ウェイツというアーティストを初めて知りましたが、良い声しています。シブいです。



にひひにひひにひひかお