ブロークバック・マウンテン | ひでの徒然『映画』日記

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ブロークバック・マウンテン


過去ログ:2007年3月5日(月)

監督:アン・リー

キャスト:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ

製作:2005年、アメリカ


1963年、ワイオミング州。ブロークバック・マウンテンでの羊番として出会ったカウボーイのイニスとジャック。過酷な自然環境の中、真夜中にコヨーテから羊を守るための寝ずの番を数週間もの間、2人で耐え抜いていく・・・。はじめは無口な二人だったが次第に打ち解け、信頼し合い確固たる友情を築いていくが、友情はいつしか愛情へと変わっていった・・・。


2人の出会いからの20年間をそれぞれが抱える家庭の問題も絡めながら、人を愛すること、そして、本当の幸せとは何かを問いかけるラブストーリー。


Comment:

その年の映画賞を総ナメにした至極の作品。

いやぁ~良いです。さすがです。


まず、前半のブロークバック・マウンテンでのシーン。

ほとんどイニスとジャックの2人だけシーンで、非常にスローなペースで話が進みますが、それが、ブロークバック・マウンテンにイニスとジャックの2人しかいないことを表現しているかのようにも感じられます。


さらに音楽も余計な音を極力省くことで、何もなくただ大自然が広がっているイメージを際立たせています。


イニス役のヒース・レジャーとジャック役のジェイク・ギレンホールが好演し、二人の感情や20年間の道のりにもリアリティがあります。


でも一番かわいそうなのは、イニスの妻アルマ。

イニスの秘密を知ってしまった彼女・・・イニスのことを本当に愛していたのでしょうね。厳しい生活に耐えながらイニスを愛し、信じていたのに・・・。アルマ役のミシェル・ウィリアムズが情感たっぷりに演じています。


ラストも切ないです。せめて、イニスの夢や妄想でも良いので、イニスとジャックが2人の牧場で幸せに暮らしている様子を観たかったなぁ・・・あまりに救いがなさ過ぎます。愛することだけが幸せな人生なのかを考えさせられます。


男性同士の愛ということで敬遠してしまいがちですが、露骨な表現も少なく、

ブロークバック・マウンテンの映像美にキャストの繊細な演技が映える非常に質の良い作品でした。



第78回アカデミー賞 監督賞、脚色賞、作曲賞

第62回ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞

第63回ゴールデン・グローブ 作品賞、監督賞、脚本賞、歌曲賞

第31回LA批評家協会賞 作品賞、監督賞

第72回NY批評家協会賞 作品賞、男優賞、監督賞 ※男優賞はヒース・レジャー。



にひひにひひにひひにひひかお