過去ログ:2007年3月5日(月)
監督:ポール・ハギス
キャスト:
サンドラ・ブロック、ドン・チードル、マット・ディロン、ジェニファー・エスポジート
ウィリアム・フィクトナー、ブレンダン・フレイザー、テレンス・ハワード、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス
タンディ・ニュートン、ライアン・フィリップ
さまざまな人種と貧富の階層が混在する街、ロサンゼルス。
野心家の白人検事とその妻。
弟の行方を捜す黒人刑事と相棒兼恋人のスペイン系の女刑事。
貧しい暮らしはすべて白人のせいだと決め込み、車を盗む黒人の若者。
イラク人と間違われ店を荒されてしまうペルシャ人の家族。
貧しいながらも幸せな家庭を築いているのに見た目だけで信用されないヒスパニック系の鍵屋の男。
人種差別主義者の白人警官と差別を快く思っていない若い白人警官。
裕福な暮らしを送っていたが、根強い人種差別があることに気付かされる黒人のTVディレクターの夫とその妻。
クリスマス間近の夜。韓国系の女性と交通事故に遭った黒人刑事は、偶然同じ場所で起きた殺人現場に遭遇し、その事件から複雑に絡み合ったすべての登場人物が1つにリンクしていく・・・。
人種差別をメインテーマとして、人との信頼関係、そして、自分にとって守るべきものとはを問いかけるヒューマンストーリー。
Comment:
アカデミー賞大本命だった「ブロークバック・マウンテン」を抑えて、作品賞を勝ち取った作品。これは脚本の勝利ですね。あれだけの登場人物と数々のストーリーが交錯していながら最終的に1つになるとは、「あっぱれ」としか言いようがありません。
その中でもお気に入りシーンは鍵屋の男かなぁ。
どんなに罵られても家族のために働く子煩悩な男。透明のマントの話は銃社会アメリカならではの話ですが、これが良い伏線となって、ペルシャ人との絡みでは鳥肌ものの感動シーンになっています。
かわいそうなのは若い白人警官。彼の正しい行動は、なぜか認められない。
まるで、すべてを無視したほうが世渡り上手なのだと言わんばかりです。
そんな彼も最終的には人を信じることができなかったみたいですね・・・彼の行動にも人種差別という問題が奥底にあるように思えます。
それにしても、話には聞いていましたが、アメリカでは交通事故の被害者だろうが加害者だろうが、絶対謝らないのですね。そればかりか、口論にまで発展するとは・・・さすが訴訟大国アメリカ。
脚本賞を受賞しただけあって、ストーリー展開は秀逸です。
でも、テーマが人種差別や貧富の格差など私の日常にはない問題ばかり。さらに、問題を提起しているだけで終わっている印象があります。肌の色や貧富は関係なく、人はみな同じ善と悪の心を持っているということなのかなぁ・・・難しいテーマでした。
第78回アカデミー賞 作品賞、脚本賞、編集賞
追記:
製作:2004年、アメリカ