監督:フランク・E・フラワーズ
キャスト:オーランド・ブルーム、ビル・パクストン
製作:2004年、アメリカ/イギリス/ドイツ/スペイン
HAVEN。「安息の地」。カリブ海のケイマン諸島に訪れる観光客を相手に働く青年シャイは島の中でも裕福な家の娘アンドレアと恋に落ちる。しかし、アンドレアの父と兄は交際を断固として認めていなかった。そんなある日、シャイとアンドレアが密会していたことが知られてしまい、シャイは有らぬ嫌疑をかけられ二人の仲を引き裂かれてしまう。
TAX HAVEN。「租税回避地」。ケイマン諸島は税金が免除されるため、世界中から大富豪が集まってくる。エリート・ビジネスマンであるリドリーは脱税の罪でFBIに追われてしまい、謎のFAXによって間一髪、娘のピッパと共にケイマン諸島へ逃げ延びてきた。しかし、ビッパは理由もわからず何もかも捨てて突然連れて来られたことに反発し、出会ったばかりの現地の男フリッツと夜の街へ繰り出してしまう。また、リドリーは多額の現金を持って、取引相手のアランに助けを請うが・・・。
南国の観光地を舞台にマネーロンダリング、人種差別、純粋な愛をテーマにさまざまな人が交錯する群像ドラマ。
Comment:
ケイマン諸島出身である監督フランク・E・フラワーズの長編デビュー作。
オーランド・ブルームはこの作品に感銘を受け、製作にも名を連ねています。
本来、タックス・ヘイヴンは産業の発達しない小国が税を緩和することで、国外からの物流が活発になり、大手企業も進出するようになれば、外貨が小国にも入ってくることを目的にした制度です。しかし、この制度を悪用して、この作品のように脱税者が本国からの多額の納税を免れるためにタックス・ヘイヴンである国の銀行にお金を預けようとします。タックス・ヘイヴンには、本国からの取締りが難しいからです。
監督は、これを題材にして映画を製作し、問題提起しているのでしょう。
が、映画としては、ちょっと欲張りすぎましたね。
登場人物がさまざな形で絡む合う構成はよくできていると思いましたがストーリーがない。
結局、何が言いたかったの?という印象を受けました。
マネーロンダリング、人種差別、純粋な愛。どれか1つにテーマを絞って、よりに中身の濃いストーリーにすれば良い作品になったと思うのですが・・・残念。
この作品では「顔が命」のオーランド・ブルーム。彼、意外と華奢なんですよね。ぜんぜん海で働く男にみえません。
ファンタジーの世界では強いですけど。
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