地獄の辞典 第十回
地獄の辞典 第十回
畜生道
シリーズ“地獄の辞典”の第十回。六道輪廻編に突入していますが。これまで、天道、人道、修羅道ときて、今回は、“畜生道”です。では、参りましょう。
畜生道。六道輪廻の世界の中で、修羅道のひとつ下に位置する階層。イメージ上の位置関係的には、海底に相当する。これは、本当に畜生道という世界が海底に存在するわけではなく、仏教宇宙観における、あくまでイメージ上のことである。畜生道とは、どういう世界か。
畜生道とは、ひとくちに言って動物の世界である。動物の世界、獣畜の世界である。本能や衝動が支配する世界。知性や理性や教養といったもののない世界。仏教の輪廻転生観では、理性的でない人物がここに往生するとされる。
畜生道は、六道輪廻の世界のうちで唯一、娑婆にいるわれわれ人間にも可視化できる世界である。見ることができ、触ることができる世界。いまも畜生道の住人たちは、文明圏と軒を接する山林や山野や森林に暮らしているのである。
畜生道とは、食うか食われるか、弱肉強食の世界である。そこに文化や芸術、文明というものは存在しない(と思う)。この道に往生しないためには、ひたすら修身するしかないだろう。理性や教養を理解することが、人の道、ひいては仏の道に通じるのである、だろう。
競馬を科学する 3
競馬を科学する 第三回
この「競馬を科学する」シリーズも今回で第三回にして最終回です。今回は、具体的な数字を見ていきたいと思います。それでは見ていきましょう。
着順 枠 馬番 馬名 性齢 負担
重量 騎手 タイム 着差 推定
上り 馬体重 調教師 単勝
人気
1 1 2 フラガラッハ 牡5 57.0 高倉稜 1:35.1 34.7 488 +4 松永幹夫 5
2 8 16 ショウリュウムーン 牝5 54.0 小牧太 1:35.3 1 1/2 35.6 470 -6 佐々木晶三 6
3 5 9 トライアンフマーチ 牡6 58.0 池添謙一 1:35.4 3/4 35.5 480 +8 角居勝彦 10
4 3 6 ミッキードリーム 牡5 57.0 和田竜二 1:35.4 アタマ 35.4 484 -4 音無秀孝 7
5 4 8 ゴールスキー 牡5 56.0 尾島徹 1:35.6 3/4 35.4 486 0 池江泰寿 9
6 7 13 エアラフォン 牡5 56.0 川須栄彦 1:35.7 1/2 35.3 472 -6 池江泰寿 3
7 8 15 ダノンヨーヨー 牡6 58.0 北村友一 1:35.8 1/2 35.6 522 +4 音無秀孝 1
8 2 4 ドリームカトラス 牡5 55.0 佐藤哲三 1:35.8 クビ 35.8 446 -2 佐々木晶三 15
9 2 3 マル外オセアニアボス 牡7 56.0 藤岡康太 1:35.8 ハナ 36.2 492 -4 矢作芳人 13
10 4 7 マイネルクラリティ 牡6 56.0 柴田大知 1:36.0 1 36.3 494 -4 宮本博 14
11 5 10 レッドデイヴィス せん4 57.0 浜中俊 1:36.1 1/2 36.4 476 -8 音無秀孝 2
12 6 11 タマモナイスプレイ 牡7 55.0 武士沢友治 1:36.1 クビ 36.9 472 -8 南井克巳 16
13 3 5 チャームポット 牝6 53.0 幸英明 1:36.2 1/2 36.3 466 +8 南井克巳 12
14 7 14 エーシンリターンズ 牝5 54.0 松山弘平 1:36.6 2 1/2 36.9 474 +24 坂口正則 4
15 6 12 ダノンカモン 牡6 58.0 武豊 1:37.0 2 1/2 37.2 522 -2 池江泰寿 8
16 1 1 レッツゴーキリシマ 牡7 57.0 酒井学 1:37.1 1/2 38.0 492 +2 天間昭一 11
上記の表は、『近代競馬150周年記念 第60回 トヨタ賞中京記念』のものである。時期的には、「2012年7月22日(日) 2回中京8日」である。
WIN5④ 11R 近代競馬150周年記念 第60回 トヨタ賞中京記念(GIII)
過去何十年間にもおよぶ戦績データを集積し、勝ちパターンを見つけ出す。そして、必勝パターンを確立し、それに沿って、勝つ。これです。
AI新世 人工知能と人類の行方
AI新世 人工知能と人類の行方
小林亮太 篠本滋
[監修]甘利俊一
はじめに
人工知能(AI)の本。“はじめに”では、これまでのAI(人工知能)に関する経緯や出来事が述べられている。ディープブルー、パウル=クルッツェン等、そして、「構成」、編著者紹介。
農業とAI
農業に関する記述多し。農作業用のドローン。農作業用のロボット。上空から農薬散布を行うドローン。田植えロボット。稲刈りロボット。作地面積を計算するAI。いちご。
人工知能(というかコンピュータ)の黎明期
アラン=チューリング。フォン=ノイマン。チューリングマシン、ABCコンピュータ、コロッサス、ENIACの歴史。IBMの歴史。
人工知能の現在
レイ=カーツワイル。ジェフリー=ヒントン。ブレイクスルーは起きるか?新薬の開発等。
人工知能の未来
スカイネットの悪夢か?人類とAIの共存か?AGI(汎用人工知能)、ASI(人工超知性)等。
AIの顔認識
ようやく「猫」の顔を認識できるようになってきたAI。現在のAI=人間の顔なら百人くらいまでなら識別可能。
ゲーム
ディープブルー、アルファ碁、等。チェス、囲碁、将棋、ポーカー等、単純なゲームを得意とするAI。人間では、AIに対して、オセロゲームで歯が立たなくなったのが、何十年前の話である。
AIと脳
ひと昔前のAIでは、AIが、人間の脳と同じ思考様式で考えようとすると、CPUが焼け付くという問題があった。
問題
ディープフェイク。政治的な問題。ブルーカラー(およびホワイトカラー)の労働が奪われる可能性。うそ、誇張、詐欺的手法等のネット上での拡散。その他のいくつかの問題。
これからの展望
現在、主流となっているAIは、超優秀なものではなく、中堅どころのAIである。人間は、その中堅どころのAIと協働することによって、職を失うことなく、作業効率を上げることができる。これによって、人類の失職と作業効率の鈍化という、二大問題を解決することができるだろうと目されている。このようなワーキングスタイルが、今後、主流となり、現在、いわれているような、資本主義の停滞を打開することにつながるだろう。
おわりに
編著者らの簡単な来歴紹介、近況状況が語られている。編集者、訳者、グラフィックアーティストらへのねぎらいの言葉が述べられている。
競馬を科学する 2
競馬を科学する
競馬のファンダメンタル
競馬にも当然ファンダメンタルというものが存在する。それは、出走する馬のランク(クラス)、馬のコンディション、ジョッキー(騎手)の技量、厩舎の状態、天候、等である。これらを、集積し、分析することによって勝利率を高めることができるだろう。
競馬のテクニカル
ここでいう“テクニカル”とは、統計学的手法のことである。過去の出走馬の勝利データを洗い出し、勝ちにちかづけるためのものである。
出走馬四種
本命
対抗
穴馬
大穴
本命は強く、大穴は弱い。基本的にそういうことである(と思う)。なら、常に本命に賭けていればいいのか?しかし、それには、賭け金の倍率というものが存在するのである。大体、7対3くらいの割合で存在するであろう。ということは、つまり、いつも本命馬ばかりに賭けていては、あまり儲からないということである(と思う)。しかも、本命馬が百走すると仮定して百勝するとはかぎらない。時に、大穴の馬に大敗する場合もあるだろう。そうなったらオッズどころか大損である。時として負けてもいいが、トータルで勝っていなければ意味がないのである。では、どうすればいいのか?そのためには、上述のようなファンダメンタルやテクニカルといった手法を駆使することだろう。月並みなことをいうようだが、競馬に関する深甚な知恵や知識を身につけるというのが勝利への最短コースといえる、だろう。
オズボーンのリスト
オズボーンのリスト
“オズボーンのリスト”とは、ビジネスモデルの用語である。プロダクトモデルを開発する時のセオリーである。四則演算の理論などが存在する。四則演算。足す、引く、掛ける、割る、の四つである(和、差、積、商)。ひとつの完成品であるプロダクツに、これらの四つの計算方式を適用するのである。
足し算
単純にひとつの完成しているプロダクツに、他のこれもひとつの完成しているプロダクツを足す。ふたつのプロダクツを合体させる。
引き算
ひとつの完成しているプロダクツから機能のひとつ(乃至複数)を引く。プロダクツから余計な機能を削ぎ落とすことによって、製品の簡素化、スマート化を図る。
かけ算
ひとつの完成しているプロダクツの性能を倍増させる。これによって製品は、多機能化、マルチ化を図ることができる。
割り算
プロダクツの機能を五割増し(乃至それ以上)低減させる。これによって製品は、省力化、性能の最適化を図ることができる。
「オズボーンのリスト」とは、プロダクトモデルの変形、変質、変身を行うものである。
そこでわたし(筆者)も上記のことをふまえて考えました。
アダルト+SEO
上記のようなのはどうでしょうか?
競馬を科学する
競馬を科学する
競馬を科学する。類種の書籍ならすでに巷にぼう大な額面が存在するだろう。しかし、あえて、やる、ということです。“競馬を科学する”にあたっては、科学的なアプローチ、数学的なアプローチ、統計学的なアプローチ、そして、確率論的なアプローチ、などが存在するだろう。
競馬関連キーワード
馬(ウマ)
ジョッキー(騎手)
馬券
万馬券
競馬新聞
赤えんぴつ
大穴
穴馬(あなうま、あなば)
ダークホース
~賞
重賞
G1
障害
単勝
三連単
n馬身
クビ
孫臏の故事が参考になるだろう。孫臏は、ある日、自分の主君である斉王と戦車競走を見物する機会があった。斉王は、この時、戦車競走の会場で営まれている賭けに参加していた。そこで王は、孫臏に対し、どうしたら賭けに勝てるか助言をあおいだ。孫臏、答えて曰く、「まず、お手持ちの一番強い馬(戦車)と相手の一番弱い馬(戦車)を競わせなさい。(以下略)」まず、自分の手持ちの最強を相手の最弱に当てる。次に、自分の次に強い馬と相手のそこそこ強い馬を当てる。あとは同じ要領で順ぐりに組み合わせを作っていく...。このやり方で組み合わせを作っていき、最終的に最初の組み合わせ(自分の最強対相手の最弱)に戻る...。この孫臏の助言に従って賭けを行ったところ、王は、勝負(賭け)に勝つことができた。組み合わせの結果、自分の手持ちの馬の中で最も弱い馬が相手の馬の中で最も強い馬と当たることとなり、結果、敗れているが、全体として損害を利益が上回っており、トータルでは、勝つことができたのである。斉王は、この結果に驚くと同時に感激して、孫臏を激賞した。孫臏、応じて曰く「今回のことは、生活における諸々の作事と同じことです。このことは、また、戦(いくさ)にもあてはまります。何事も事(こと)を行うためには多少の犠牲はつきものということです。百戦百勝は現実的にはむずかしいというのなら、少損を出して大きく元を取る、ということです。多くの場合、犠牲の上に勝利は成り立つのです。勝負事においてこのことは鉄則です。」
競馬にも同じことが言えるだろう。孫臏のこの教えは、競馬にも活かせるのである。上述の文章は、競馬というより兵馬だが。百戦百勝は現実的にはほぼ不可能だろう。ならば、犠牲を最小限におさえ、トータルでは、勝利を拾う。こういうことが競馬にもあてはまるだろう。
小さく負けて、大きく勝つ。これが勝負事における鉄則である。
シリーズ惨獄死(さんごくし) 第五回
シリーズ惨獄死(さんごくし) 第五回
敗北の巻
周王、南面す。
機は熟した。周では、すでに文王は亡く、その子の武王が立っていた。彼(武王)は、その時、殷王朝を打倒すべく、軍を起こしたのである。その数、わずかに三万。対する殷王朝軍は、百万という大軍勢である。周軍を率いるのは、太公望呂尚。敵は、大兵、こちらは、寡兵である。多勢に無勢。どちらに勝敗がかたむくかは、一目瞭然のようであった。しかし...、
***
しかし、蓋を開けてみれば、結果は、周側の大勝利であった。百万の大軍をそなえた殷軍は、わずか三万の周の軍の前に一敗地にまみれたのである。殷都朝歌は、火煙につつまれ、殷の王城は、陥落した。
この時、武王は、南に面して陣を布いていた。一方、殷軍は、北に面して布陣を営んでいた、という。これが、敗北という語のはじまりである。
地獄の辞典 第九回
地獄の辞典 第九回
修羅場
修羅場(サンスカール=スーラーヴァ)
シュラシュシュシュ~←“修羅”と聞くと、こう言う人がかならず一人はいるだろう。シュラヴァラヴァンヴァ←“修羅場”と聞くと、こう言う人物が周囲に一人はいるだろう。修羅場とは、闘争的な場所である。六道輪廻の階層的には、人道(娑婆)の一階層下、海の層に属する、とされる。これは、実際に修羅界(修羅場)が海中に存在するというわけではなく、そういう比喩である。天道(天界)なら上空、人界(娑婆)なら地上、という具合に、六道(六界)には、それぞれイメージとしてのレヴェル(グレード)が設定されているのである。修羅場は、そのなかでも「海」というレヴェル(グレード)に位するというわけである。
修羅場は、生前に喧嘩や刃傷沙汰が絶えなかったり、戦(いくさ)で死んだ人が往生するとされる。修羅場は、修羅場というくらいだから、当然、そこの住人は、皆、修羅である。修羅とは、阿修羅のことである。修羅のサンスカールは、スーラ、阿修羅は、アスラである。京都四条河原の決戦場や古戦場には、こうした修羅(阿修羅)が、さまよっていそうである。修羅(阿修羅)とは、シリアやアッシリアなどの地方を起源とする一群の闘争的な神々である。ヒンドゥー教の神話では、魔神とされている。仏教では、仏法に帰依しているが。もともとは、禁欲的で正義を重んじ、厳格な性格の神族である。その性格は、仏教にも色濃く受け継がれている。
先述のとおり、修羅場は、闘争的な世界である。そこの住人は、皆、修羅であり、永遠に続く(永遠ではないが。)かのような闘争に、延々と飽くこともなく、明け暮れている。役の僧都・源信の著わした教書『往生要集』にも、地獄や餓鬼道に比べて、その描写が多いわけではないが、地獄や餓鬼(道)に負けず劣らず厳しい場所である、という(イメージ的には、陽性なイメージがあるが)。この世界(修羅界=修羅場)に往生しないためには、なるべく攻撃性をおさめ、平和を愛するように努める、としか言いようがない、だろうか。
OGRE
OGRE
1980年代にリリースされたパーソナルコンピュータ用のゲーム。シミュレーションゲーム(SLG)。軍事シミュレーションゲーム。タイトルにもなっている、OGRE(オーガ)とは、戦車のことである。最新鋭(当時)の戦車。AI(人工知能)を登載した、今日で言うところの自律型兵器。このAI登載戦車“オーガ(OGRE)”が、この作品のメインテーマである。
ゲームのストーリ的には、AIを登載した最新鋭の戦車(オーガ)が、なんらかの理由によって暴走、人類に対し、反旗を翻す、というものである。その“なんらかの理由”とは、コンピューターウイルスやトロイの木馬ではない。AIを構成するプログラムの(人為的でない)なんらかのバグによるものである。人類(プレーヤ)は、このAI登載戦車オーガの、反乱に対して抗戦しなくてはならない、というのがおおまかなストーリである。
物語の骨子は、人類対反乱するAIという構図である。軍事シミュレーションゲームといっても、このゲームに集団対集団という概念はない。一体の敵ユニット(the Enemy)対集団(Player)という図式である。作戦級のゲーム。ルールは、敵(オーガ)を破壊するか行動不能に陥らせるかすれば勝利条件を満たすことができる。そして、こちらが全滅するか、総司令部を攻略されたらおしまい(GAME IS OVER)である。
コンバットの要素は存在するが、多対一というけっこう変わった(?)SLG(シミュレーションゲーム)である。敵(オーガ)も、六角へックスのコンバットフェーズ上では、一体でも、実際には、複数種類、存在し、自分(この原稿を書いている筆者)が確認したところでは、マークⅢ、マークⅤという種類が存在するのがわかっている(雑誌に載っていた)。筆者は、このゲームをプレイしたことはないが、雑誌の記事を読んだところでは、オーガ自体が相当強いであろうことは容易に想像できる記事内容だった。現在(現在は、2025年です。)、エミュレータやダウンロード版が出回っているかどうか不明だが、雑誌(筆者が当時読んだ)の記事内容からは、かなりの上級者仕様ということが想像できるので、興味がある向きは、遊んでみてはいかがだろうか。
シリーズ惨獄死(さんごくし) 第四回
惨獄死 第四回
左遷の巻
秦の時代の流刑地と関中王劉邦
昔、周末の戦国時代、いわゆる春秋戦国時代、秦がまだ王国だった当時、中華の大陸の西北に位置する秦王国の南に、未開の領域があった。西北の秦の南、すなわち中華の大陸の西南である。この地は、古くから蜀という地名で知られていた。秦では、罪科のある者が刑罰としてこの地に送り込まれ、居住を余儀なくされていた。いわゆる流刑地である。峻厳な山間の地であり、もとより人の手のついていない、この未開の土地を開発するという労働刑を、罪人としてこの地に送り込まれた者たちは課されていたわけである。
時代はくだって秦帝国滅亡後の中華世界。秦を滅ぼした項羽が、秦滅亡直後の論功行賞の場で、秦滅亡にあたって大功を立てた劉邦に対して、関中王に封ずとの処遇であった。“関中”とは、南鄭(漢中)の南に位置し、四囲を山岳で囲まれた地形の土地、蜀の別名であった。項羽は、劉邦が強大な権限を持つことを警戒し、この地に転封することによって、劉邦を監視することとしたのである。
蜀は、中華の大陸の左に位置する。秦の時代には、この地は流刑地であり、のちには劉邦がその勢力を削ぐ目的で転封された地でもある。これらのことから、「左に遷す」とは、流罪や降格といった否定的な言葉を意味する語彙となった。これが、左遷という語の由来となった、といわれている。