まだ、遺伝子だのY染色体ハプログループだのがほとんど知られていない時代の話だ。
私は、生化学研究ゼミに入っていた。
2日徹夜して豚の腎臓からDNAを抽出して、長年その感動を忘れられないような、今なら原始的な時代の話である。
生化学という名前自体知る人は少ない時代だったから、研修で宿などを予約する時も奇異な目で見られたことが多い。
性科学と勘違いされたからだ。
まあ、個人的研究では、キスによる唾液と舌刺激による大脳ならびに小脳・脊髄変化を研究したりしていたから、あながち誤りではないが。
この研究はイクウッノーベル賞を受賞できる内容であり、アドレナリン・ドーハミンの発生に関しては、画期的なものであった。
問題は、理論先行で実績・体験が伴わなかったことである。