【小説】じんわりくる恐怖 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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キングコブラだのオオトカゲだのとの面接は、考える間もなく、脊髄あたりが瞬時に感じる恐怖である。

が、大脳が恐怖をじんわりと理解する恐怖もある。
学生時代は悪だったろうから、卒業して長らく悩んだ。

とは言ってもノンポリだったから、いろんなヘルメットの方々とは結構長く付き合ってはいたが、デモなどはしたことがない。

いや、一度だけ友人の誘いでお祭り気分で参加してしまったことがある。
何も考えずに参加とはバカであった。

結局、あれは何のデモだったのやら。 いまだにわからない。自分のしていることも分からずにデモするとは、恥ずかしい限りだ。


これは意味不明ながらしたことだが、明確な意志をもって非常識なことをしたこともある。





さらに、後でひどく怖くなる体験もした。



その国でも年一度の外注監査をする。
とは言っても、形だけのことが多いが。

その外注は納期、品質は平均以上。価格もまず合格ラインだった。


が、急に同業者が増えて焦っているのは分かっていた。


一回りし会議を終えて帰る間際のことだった。

外注社長がもぞもぞと、かなり厚みのある封筒を取りだし私に渡した。







あのう、少ないでしょうがお車代です。


それを聞いて、すぐに封筒を突き返す。


社長は何を勘違いしたか、「うちではこれが精一杯でして……」と言った。



いや、これを受け取ったら私ゃ首になる。

と、心の中では言い返した。






しばらくすると、へんな噂が耳に入ってきた。



私がなにやら賄賂の増額を要求したというのだ。


馬鹿馬鹿しい話だが、この国ではよくあることだから、真実味があったらしい。



その後長い間、私には影がついた。



影の存在は定年前にはっきりデータとともに知ったが、大きな企業では確かに≪お化け≫は高給取りである。


もちろん、パソコンやスマホを上手に使える、足のあるお化けだが。








とにかく、その会社は車販売台数世界一。
ギネスにも載る会社である。

トヨタ、日産など目ではない。

隣の小学生さえ持っている。
アメブロブロガーさんにも、収集家が多い。