【記憶】姫 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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姫との付き合いは長い。 いや、付き合いというか、単に一緒にいた時間が長かっただけではある。


姫だけあって、当時、田舎国立では珍しく、しかも女性でマイカー通学をするようになった方だ。

さすがに姫君だなあとは思った。

が、田舎猿には≪ブナシメジ≫と≪美な姫女≫の区別がつかなかったから、試験前にはよくノートを借りていた。
ずいぶん後のことだが、人前で膝枕をし、ある方を泣かせてしまったこともある。
その後ふたりで、泣きはらしてボロボロになったその方を面倒みたりしたが。


姫は姫がゆえに、なかなか寄りつけない方でもあったようだ。

しかしながら、山猿にはブナシメジの仲間だったし、ほとんど妹であり姉でもあった方なので、なんらシールドは見えなかった。

姫が、マイカー通学となった理由はぼちぼち推測ができた。

ひょっとしたら、そのコンプレックスというか抜けていた何かをヘルプするのが、私の役目だったのかなあと反省している。


なんだかんだで、一番付き合いの長くなった方なのに、私にしては珍しく最初の出会いを覚えていない。


それだけ、身近な存在の方だったのだろうか。




比較的最近、姫が割と近くに住んでいらっしゃることを知った。

とはいえ、とても散歩でお邪魔できる場所ではないし、年を取ってシールドが見えてきたので、バカな真似はしていないが。






海外長期滞在が決まり、今生の最期になるかもと思い、姫とヴェガに電話をしたことがある。


姫には赤ちゃんが生まれたばかりか、電話の近くでピーピーが聞こえて、会いたいとは言えなかった。



新婚とは言いがたい年数は経っていたが、ヴェガは名前を名乗る前に私だと分かってくれた。



結局銀座あたりでヴェガに会うことになったが、なんとあのマドンナと用心棒を連れてきた。





やっぱりヴェガは、私など足元にも及ばない大人だった。





このブログを初めた頃、姫にその話をしたら、いささか不満そうな顔をしていた。

とにかく、私の悪さを一番知っている方かも知れない。


ある意味、親戚などよりも。