★これは小説で設定を一部変えていますが、主要部分は事実に基づいています。
…………………………………………
その会社は、同盟系組合員がたくさんいた。
いや、新入社員は、まず組合員にならなければならなかった。
新入社員3ヶ月目から、工場などを転々させられていた私が、課長は言うに及ばず副工場長とも喧嘩したことが皆に知られ、2年目の秋、ある工場の開発部組合員代表にされた。
なにやら、専従とかいう人がいて、会社の仕事は何もしていなかったが、ずいぶん派手な生活はしていた人もいた。
専従の指示で、まったく気乗りしないメーデー行進などに参加すると、いくばくかの日当とオマケがついた。
今もそうしたことがあるのかどうかは知らない 。
が、そんなことがあってすぐ、私は海外出稼ぎ専門部門へと異動になった。
相当な稼ぎだったが、今ではとても耐えられない苛酷さであり、薔薇色の毎日でもあった。
中にはパンツ以外すべて剥ぎ取られたが、命はのこったラッキーな先輩、不幸にも鉛の犠牲になった方もいらっしゃるが。
少し前のことだ。
私のAKBスーパー前でうんこ座りしている若者がいた。
私のファンの友人の彼氏だ。一度紹介されたことがある。
彼女のバイトが終わるのを待っているようだ。
以前話したことがあるので、声をかける。
夏に沖縄に行こうかと思っていると言うことだった。
いいなあ。
若い子と沖縄か、と言ったら、どうも1人で行く予定とのこと。
なんでも海の警備などのアルバイトだという。
泳ぎに自信があるんだなと言うと、なんとほとんど金槌らしい。
ボートに乗って、海の警備や山中で歩くのがバイト内容だという。
???
とっさにあることが思い浮かんだ。
勘違いならばよいが。
あんまり彼女をほっといたら、ジジイがちょっかい出すかも知れねえぞ!と言って別れた。
高笑いが聞こえる。
ふと頭に浮かんだことが、間違いだったらよいのだか。
そう思った。