【実験成功?失敗?】疑似コンチキ号の冒険 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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性懲りもなく、NHKで報道されていた日本版コンチキ号の実験。
NHKでははっきり報道していなかったが、客観的に見て計画は失敗である。
予定と違っていたから、古代舟をモーター船に引っ張ってもらい、目的地直前でモーター船に離れてもらい、いかにも古代舟だけで目的地である西表島に着いたかのように装った演出。
涙ぐましいというか、実証実験と言いながら、一部歴史学者のように結果がまずあり、それに違う場合には強引に直してしまう。
そうした、一部歴史学者に見られる非科学的、理念先行が伺えた。

与論島を出た舟は、黒潮に流されて西表島島とは全く違う北の尖閣諸島の方に流されて行った。

これでは目的地である西表島には、けして着けなくなる。
そこでモーター船に南へ引っ張ってもらい、西表島のすぐ西側で離れてもらい、西表島には古代舟で岸に着く。

吉本新喜劇を見るよな感覚の、実証実験とやらだ。

明らかな失敗である。






が、ある意味これは大きな成功とも言える。


古代舟では、与論島から西表島へは渡れなかった可能性を高く示唆するからだ。
つまり、仮に南西諸島の形や東シナ海の形が今とほとんど同じならば、
台湾→与論島→西表島
ルートを伝わっての人類渡来は、高い確率で否定される。



つまり、来年の予算増額は難しい。

せっかくNHKまで力を貸してくれたのに悲惨な結果に終わった。



だいたい、日本人はどこからやって来たか
という考え方が幼稚だと思う。

日本人というのは、単一民族ではない。

アイヌの血を主とした、混血人類の集まりである。

言語から考えると、満州民族やポリネシアの人々、かつての華南華中の人々、アイヌより古くから日本列島に住んでいた人々……。
それらの混合体だ。


万が一、与論島→西表島ルートの人類渡来の可能性が示唆されたとしても、日本人は南からやって来たとかいう結論を導きだすのは滑稽過ぎる。




しかし、私の学生時代などは、こうした観念が先にある歴史学が優勢だった。


学生時代の歴史の時間は早弁・内職をしていたが、これは正解だったかも知れない。


と、義務教育の歴史が悪い成績だった言い訳をしておこう。


しかしなあ。
今回の実証実験とやらは、夜には腹一杯食べて、昼間だけハンストだとか騒いでいたパフォーマンス団体を思い出す。


赤ちゃんの世界である。
何ヵ月も漂流し、モーター船に引っ張ってもらうなどしなかったヘイダールと比較するのは、汚い字の手紙を園遊会で直接陛下に渡したことを、田中正造に比すと同じくらい失礼で滑稽なことだ。