支那地方人は、食にも奇抜である。
その一例が、蚊の目スープと呼ばれるものだ。
世界遺産にもなったトンキンワンには、石灰石の奇岩が多い。
この岩山は、ハノイマニチュンイワツバメの世界的産卵地としても知られいる。
ハノイマニチュンイワツバメは、自らの糞と海藻で産卵場をつくる。
彼らの主食は昆虫だが、多くの場合は、岩山付近に大量にいるある種の蚊である。
当然産屋たる糞の家にも、それはある。
産卵場たる巣をよく洗うと、消化できずに残った目や海藻に絡みついてきた小型オキアミの一部が残る。
これを何度か濾して夜明珠を得るのが正当な手段。
ただし、星州爺掘春や蛭魔乱郡のように、芥子の実をイカスミと潰したエビッコに浸けて置く方法もあった。
現在はそれも消えて、幻のレシピと なっている。