【しもしま爺物語】R30指定;29歳以下閲覧禁止? | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。

これは、小説です。


::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


五番町だか国分寺だったかは記憶にない。

ただ、学生気質が入るには敷居の高そうな店だった記憶があるから、先輩のドクターか助手あたりに連れて行ってもらったのかもしれない。


欧州のホテルを思い出させるような照明だった。

私は、その暗さ以上に鉛色の顔でグラスをあおっていたb。


「かわいそうよ」

そんな声が聞こえた。

「持ち帰っちゃおうかな」    「バーカ」

その声が続く。


右斜めのカウンターに座っている、お姉さん2人組だった。

大島か結城かは知らないが、品のよい着付けをしていた。



そのあとの記憶が飛んでいる。

「こんな女なんて思わないでね。あたし、めったにこんなことしないのよ」

年下の私に言い訳のようなことを言っていた。


で、やっぱり記憶が飛んでいる。


ベンズアルデヒド


その香りは覚えているが。



そういえば、このころから私の特殊能力が消えていった。





::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::7

そんなわけで、JALパック旅行から帰った私は、無性に一人寝が寂しいものに思えてきた。

ラビットハウスでは物足りない。


ゲランを徘徊した。


そんなある日、スージーに会った。

彼女も、ベンズアルデヒドの匂いがした。


が、ある日突然、マラヤに帰ってしまった。



食べてしまいたい。

なんでお前さんは、ここにいるの?そうも言いたかった。

色白で、雑誌などで見る女優さんより輝いて見えた、



まさに、そんな感じの子であった。