【記憶という名前の小説】ソイ5のミドリ | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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これも小説です。


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最近出来たナナ駅の近くに、それはあった。

私の住まいがソイ7・チェッドだったから、ソイ・ハーのその店は、歩いても10分足らずの距離である。

グーグルマップで見ると、今はドラッグ・ストアーになっているようだ。


店に入ると6畳ほどの狭いフロアーがあり、奥には掘りごたつ式の席が数個ある。

2階はすべて掘りごたつの個室と、従業員の控室だった。


ここに、ミドリという子がいた。

ずい分身勝手で鼻が高く、気に入らない客とはろくに話もしない。

一度強引な客にダンスを誘われたが、無視した。

怒った客が強引に手を引くと、その客の頬を張ったらしい。


客とは良く問題を起こす子らしかった。

私も最初の2回目くらいまでは、つんとした嫌な子だなあと感じていた。

しかし容姿がいいので、店では客引きに使えるためかチーママクラスと同じ扱いのようだった。


そんな彼女が、なにが原因かわからないが、ある日突然態度が変わった。


私が店に行くと、指名もしないのに当たり前のように席に着いてくれた。


しばらくすると、自然と個室での逢瀬となる。


頬を張られるのを覚悟でキスをした。


一瞬戸惑いながらも、自然に応じてくれたばかりか、腰あたりがピクンピクンと跳ねた。


かなり驚いた。

印象に反して、実はすごく純情だったのだ。


そのあとは、想像にお任せしよう。



しばらくすると、夜の楽しみどころではない状況になり、ソイハーには行けなくなった。


強がりに見えて、すごく純情な子だった。